始まりは、ヤツとの出会い
『私と戦うのは、まだ早かったわね』
女が、俺を見下ろしていた。
俺はガルバ。 『天才』と言われ、10歳でヤツとポケモン勝負をするものの・・・・・・。
ヤツとのポケモンバトルで負けた。
『天才であった敗者』になってしまった。
『でも、アナタはまだ強くなれるわ』
『?』
『・・・・・・この学園で、自分を鍛えてきなさい』――
――時は経ち。
ガルバは15歳となった。
「・・・・・・」
本当はポケモンを6匹連れて行くのだが・・・・・・。
ガルバは、たった1匹しか連れて行ってないのだ。
「・・・・・・」
ガルバの視線の先、見える建物・・・・・・カティラ学園。
名門校とも言われ、己の理想を極めることができる学園である。
「・・・・・・」
ガルバの理想。 それはただひとつ。
『最強のトレーナー』になり、そして。
ヤツを倒すこと。 それだけだ。――
――ガルバのクラスは『鋼組』である。
どうやらこの学園のクラス分けは、自分の手持ちの中で強いポケモンのタイプで分けられるらしい。
変わってるな。
「・・・・・・」
早速窓際の前の席に座り、HRの時間まで寝ることにした。
そして、あと5分でHRになる時に。
「そこのキミ」
「・・・・・・?」
いきなり、誰かに声を掛けられた。
「キミ、随分と服装が派手だね」
「・・・・・・」
たしかに、ガルバの服装は派手であった。
黒い帽子を被り、黒いズボンと白い半袖を着て、手首や首やベルトなどをチェーンアクセを装飾品としてるのだ。
「・・・・・・アンタ、誰ッスか?」
「ああ、ゴメンゴメン」
黒い猫耳フード付きパーカーと、赤いチェックのスカートといった今時の女はガルバに謝った。
「アタシはカミナよ。 同じ鋼組として宜しくね」
「・・・・・・よろッス」
ガルバがかえすのと、チャイムが鳴るのは同時であった。
・・・・・・これより、ガルバのカティラ学園の生活が始まる――