第三節 その弐:住む場所探し 〜ルイ&マーガレット〜
「はぁー、住む場所かぁ」
「どうする?マーガレット」
「そうねぇ、山みたいな高いところがいいかもしれないわね」
「どうして?」
「夜、怖いポケモンが来たら嫌でしょ?」
「確かにそうだね・・」
「まずは山の方に行ってみようか」
二匹は森を抜け、島の中央に位置する山に来ていた。
「うーん、とてもそんな平地がないわね」
「そうだねぇ…」
「あぁ、そうだわ!」
「なんか思いついた?」
「クルーザーよ」
「クルーザー?」
ルイ達が乗ってきたクルーザーは非常に優秀で、キッチンにお風呂にベッドにとそこに何日か住めるようになっていた。そこに住んでしまおうと考えたのだ。
そのことをルイに話し終えると
「すごい!ナイスアイデアだよ!」
「ふふ、でもどうやって運ぼうかしら?」
「まあ、それは後で考えよう」
「そうね」
「あ、穴を掘って入り口だけ塞げば家を造る必要がない..よね?」
「あ、いいアイデアね」
「よしじゃああそこの斜面を掘ろうか」
「あ、待って一応みんなに伝えてからにしましょ?」
「そっか」
「一回戻ろうか」
「はぁ〜、お腹空いてきたな」
「そうね、エレン達はうまくやっているかしら」
「僕、お肉がいいな」
「ふふ、あったらいいわね」
そんなとりとめのない会話を続けているとき、マーガレットが急に怖い顔をして振り返った。そしてあたりをきょろきょろ見回すともとの優しい顔に戻った。
「どうしたの?」
「なんか足音が聞こえた気がして」
「でも、気のせいだったみたいね」
「びっくりさせないでよぉ〜」
「ごめんなさい」
「日も落ちてきたし早く帰った方がよさそうね」
「そうだね」
そしてもといた砂浜へと二人は戻ってきた。
「おい!マーガレット!ルイ!」
突然遠くから声が聞こえた。
声の主はキールのようだ。
こちらに何かを背負って走ってきている。
「どうしたの?、キール」
「実は俺たちの船を結びつけておいた杭が何者かによって意図的に切られていたんだ!俺たちの他に誰かいるのかもしれない」
それを聞いて二匹は青ざめた。
「それは本当なのかい?」
「ああ、嘘な訳がないだろう」
「エレンとクローリカが心配だわ」
「ところで、なんでグレイを背負っているの?」
「まさかそいつらに?」
「嫌違う」
「ただの動き過ぎだ」
「なんだ、良かった」
「とにかくエレン達を探した方が良さそうね」
「俺もそう思っていた」
「俺とルイが探しにいくから、マーガレットは寝ているグレイとここの砂浜にいてくれ。もしエレン達が帰ってきたらのろしをあげるんだ。いいね?」
「うん、分かったわ」
「あの..気をつけてね」
「任せろ、俺がついてる」
「あっこれ持っていって」
と言うとマーガレットはキズグスリを差し出した。
「万が一のときに使ってね」
「ありがとう、じゃあ行ってくる」
「怖くなったらグレイを起こせ。すこしは頼りになる」
「分かったわ」
「行くぞ、ルイ!」
「うん!」
二匹はともに駆け出すとすぐにマーガレットの視界から消えた。
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