01
「…シルク、右上の箱、取ってくれる? 」
『棚の上の段ボールね? サイコキネシス』
「よっと…。シルク、ありがとね」
『どういたしまして。…それにしてもユウキ、随分と古い箱ね。この箱、何が入ってたかしら? 』
「コガネに引っ越してくる前にも開けた覚えがないけど…。ええっとカッターは…、あったあった」
『中身は、教科書、みたいね。これは確か…』
「初等化学…、コガネスクールの時のだね。懐かしいよ」
『本当ね。それと…、あっ、これはもしかして』
「ん、他に何かあった? 透明なケースに入った白い卵、みたいだけど、何だったっけ」
『そういえばあの頃はまだ話せなかったから、言った事が無かったわね』
「ていう事は、シルクのだね? 」
『そうよ。今思い出したけど、あの時―――』