θ あとがき
リアン「今作、“たんけんのきろく〜七の色彩と九の厄災〜”、楽しんでもらえたかな? 二年と十一ヶ月っていう長い期間続いたけど、これでおしまいやで」
ラツェル「だけどよくこんなに続いたよね? 何かあっという間だったけど、ほぼ三年だよ? 」
ハク「ほんまにそうやんな? 三年って、そっちの世界の学校の一区切りみたいやから、相当長いやんな」
キュリア「そうよね。この三年の間にリアン君、あなたの私生活に変化があったって聞いているけれど……」
リアン「まぁこの作品を書き始めたときは、僕はまだ学生やったでな。書いてるうちに就活が始まって、気づいたら働き始めとったでなぁ。君たちも作中では大分変わったと思うけど、そう考えると僕もそうなるよなぁ」
キノト「ですよね。……ですけどリアンさん? ぼく達の話のこの作品、最初は短編集のつもりだった、って本当ですか? 」
キュリア「それは初耳ね」
リアン「うん、実はそうなんだよね。章を話の展開じゃなくて、編ごとに分けてるのはその名残かな? 」
ラツェル「それは知らなかったよ。……よく考えたら話の最初、前書きがツアーの前説みたいな感じになってたよね? もしかしてそれと関係あったりする? 」
ハク「やっぱそうやんな? そういゃあリアン? ずっと思ったんやけど、初期の頃って行き当たりばったりで書いとらんかった? 」
リアン「……バレてた? 」
ウォルタ「いつものリアンとは違う始まり方だったからね。……みんなも、気づいてたよね? 」
キノト「そうなんですか? 」
ラツェル「うん。出番がない時にチラッと見たんだけど、キュリアさんとウォルタ君達の一章の時、プロットが全くなかったからね」
ハク「そっ、そうやったん? 」
キュリア「だから私達とウォルタ君達の方だけ、一章多かったのね? 」
リアン「……降参だよ。実はちゃんとプロットを考えたのが、“火花編”と“考古調査編”の一章がある程度進んでから。前作の“Chance Des Infinitude〜ムゲンの可能性〜”の一編が完結してからなんだよ」
シルク『だから私達が突然出始めたのね? 』
ウォルタ「あれ? シルク、いつの間に? 」
シルク『今さきっき、ちょうど来たところよ』
ライト「ちょっとこれからの事で打ち合わせがあったから、その帰りに寄ったって感じかな? 」
ラツェル「打ち合わせ? 」
コット「はい。その事は後でお話しするんですけど、リアンさん、一つだけ質問してもいいですか? 」
リアン「ん? 構わんけど? 」
コット「作中では語られてなかったんですけど、事件の黒幕の二人って、あの後どうなったんですか? 」
シリウス「その事ですね? 自分も後で聞いたんですが、ジク=リナリテア……、ハクの親御さんの身柄は保安協会に引き渡されたそうです」
キノト「ということは、サードさんですね? 」
シルク『ええ。ゼロ級のお尋ね者だから、“ラスカ諸島”のどこかにある刑務所に収監されているらしいわ』
ハク「ウチはリクと一回だけ面会に行ってきたけど、あそこはあんま行きたくなかったな……、すごく寒くて……」
ラツェル「ってことはハク? 寒い場所にあるんだね? 」
ハク「守秘義務あって言えへんけど、そういう事にしといて」
ウォルタ「ええっとそれからグソクムシャの方なんだけど、“空現”に追い出されて、今も彷徨ってるみたいだね」
ライト「くっ、“空現”って、あの“空現”だよね? 」
キノト「その“空現”です。これはぼくの想像なんですけど、もしかすると記憶を無くして、どこか別の世界に迷い込んでるような気がします」
ラツェル「ってことは、僕みたいに姿が変わって……、って事もあるのかもしれないね」
キュリア「かもしれないわね。……そういえばコット君? さっき話すことがある、って言ってたけれど……」
コット「あっ、その事ですね? リアンさんのこれからの活動予定なんですけど……、ひとまずは更新を止めていた“絆と魔法の王国〜Encore La Vie〜”の連載を再開するそうです」
ウォルタ「ええっと確か……、ほかの作者さんとの共作として書き始めてた作品だよね? 」
シルク『そうよ。向こうの作品がある程度進んでから、私達側の新作を書き始める、とも言ってたわね』
ハク「そっ、そうなん? 」
コット「はい! 」
ライト「私達もさっき知ったんだけど、大まかなプロットはある程度できてるみたいだよ? 」
シリウス「それは楽しみですね」
コット「ですよね! 他にも色々話してきたんですけど……、言っちゃってもいいのかな? 」
シルク『コット君とライトが出ていった後、許可はもらってきたわ』
キノト「何か隠してる事とか……、言えない事があるんですか? 」
ライト「言えないっていうよりは……、非公開にしてた、っていう方が正しいかな? 」
コット「ですね。まずは――」
テトラ「ごめん! 色々準備してて遅くなっちゃった」
キュリア「てっ、テトラちゃん? 」
ラツェル「だけど、何でテトラさんが……」
テトラ「あれ? もしかしてまだ誰も気づいてない? 」
ウォルタ「気づいてないって、どういうこと? 」
コット「この感じだと、気づいてないみたいですね」
シルク『そのようね。……今ここにいるメンバーで、何か気づかないかしら? 』
キノト「今、ここに……? ……あっ! 今気づいたんですけど、ここにいるのって、みんな主人公ですよね? 」
テトラ「そういうこと。……もう言っちゃうけど、次回作の主人公のうちのひとりは、私。色違いのニンフィアのテトラなんだよ! 」
シリウス「テトラさんが、なんですね? 」
シルク『ええ。それからもう一つ。これはリアンも初めての試み、って言ってたけど、今活動中の二カ所で、別々の作品を掲載するそうよ? 』
ハク「別の……、ってどういうことなん? 」
ライト「同じ時間の同じ地方で、別々の物語を書く、って感じかな? 」
コット「言い換えるといわゆるバージョン違いで、そのうちの片方の主人公がテトラさん、ってことになります」
キノト「片方? ということは、もう一人の主人公は――」
ウォルタ「今までのリアンの作品のことを考えると、もうひとりの主人公はコットだね? 」
ラツェル「かもしれないね。コット君が主人公だった時、もうひとりの主人公が三代目のライトさんだったから――」
コット「ううん。次回作で僕、それからフィフさんも出演しないですよ? 」
キュリア「こっ、コット君達が出ない? でも何で――」
テトラ「私達は先に教えてもらったんだけど、これはまだ言えないかな……」
シルク『だから続報を待っててくれないかしら? 私もコット君も、出番はあるみたいだから』
シリウス「次回作を含めて、そのときが待ち遠しいですね」
ハク「そうやな! 」
リアン「……何か言いたいこと全部言われてしまったけど、まぁそんな感じやな? 最後になるんやけど、読者の皆さん、約三年にも及ぶ長い間、当作品、“たんけんのきろく〜七の色彩と九の厄災〜”をご覧いただき、ありがとうございます。主演を務めた六にんをはじめ、出演者を代表して僕が挨拶をしたいと思います。
長らくのご愛読、ありがとうございました!
これをもちまして、完結とさせていただきます!
そして今後とも、Lienの作品を、よろしくお願いいたします!
2019.7.3 Lien