序 団員達の雑談
序幕

 「ええっと、遠征費と治療費を人数に変換…、あっ、団長、ゴードの谷でのロケ、お疲れ様です」
 「どうもどうも。いゃあ、やはりあの二人の噂は本物だったわい」
 「でしょう! デンリュウといえば、水の大陸の調査団、霧の大陸の探検隊と言われてますからねー。団長も、復帰後の初演にはベストだったでしょう」
 「まぁそうじゃな」
 「だってあの二人って、霧の大陸では知らない人がいないみたいだもんね」
 「そりゃあそうですよー。彼らは私の店の常連ですし、一時代を築いたチームですからねー」
 「だってレオンさんのイチオシだもんね」
 「そうじゃったな。…おっとそうだ、レオンよ」
 「はい、何でしょう」
 「今回の経費は何とかなりそうかね」
 「そう、ですねー…、戻ってくるまでは何とも言えませんけど、治療費次第で運営費から建て替えなくて済みそうです」
 「そうか。あやつらも上手く演じているようじゃからの、今回も成功じゃな」
 「やっぱりそうだね! …ねぇレオンさん、今のうちに主演二人の事、教えてくれる? 」
 「そういえば彼らの事は知らなかったんですよね。彼らは霧の島のジョンノエタウンを拠点に、デンリュウとキュウコンの二人で活動している探検隊です。私が商いを始めた時期とほぼ同じなので…、レイダーズと同世代のチームになりますね」
 「えっ、そうなの」
 「はい」
 「でも何でそんな人たちを、この劇団がサポートすることになったの? 」
 「それはですね…」




■筆者メッセージ
631文字
Lien ( 2016/08/01(月) 05:57 )