Dernier 勝負の行方は…
Sideコット
「―ト、コッ―、―いじょうぶ? 」
…
「―もニア――たけど、たぶ―な―も―もうけ―…」
…ぅん…。
「…―り、しんぱいだよ」
「そう、だよね…」
「だって両方とも、結構無理してたから…」
…この声は…、カナ…? それと、エレン君…?
「ニアロも“チカラ”をつかったぐらいだか…」
「…っ…! 」
「…コット! よかった! 気がついたね! 」
「…うん。…カナ、ここは…?」
「アサギのポケモンセンターだよ。コットもニアロも倒れちゃったから、すぐに回復…」
「ニア…、そっ、そうだ。バトルは…、バトルはどうなったの? 」
「けっこうきわどかったけどほんのすこしニアロのほうがたおれるのがはやかったよ」
「…エレン君、ごめん。まだ耳がよく聴こえなくて…、もう一回言ってくれる? 」
「うん。凄く際どくて判断しにくかったんだけど、エレン君のニアロより、カナちゃんのコットの方が、ほんの少しだけ長く立ってたんだよ」
「ニアロ君より、僕の方が…? …って事は…」
「そうだよ。…そうなんだよ! わたし達、エレン君達に勝ったんだよ! 」
「本当に…? 」
「うん。オイラたちのバトルをみてたたくさんのひとにもきいたんだけどはんぶんいじょうのひともそうだっていってたよ」
「こうやって決めてもいいのか分からないけど、多数決でカナちゃん達が勝ち、って事になったんだよ」
「わたしもあまり実感ないけど、そうなんだよ」
「うん。だからオイラのまけだよ。…そういえばカナちゃんこのあとはリーグにちょうせんするの? 」
「ううん。あれから考えたんだけど、ワカバに戻ってヨシノの復興の手伝いをするつもりなんだよ」
「ヨシノの? …でもカナちゃん、折角八つのジムバッジを持ってるのに、リーグに挑戦しなくてもいいの? 」
「わたしも最初はそう思ったんだけど、コット達を回復してもらってる間に受付の人に訊いたら、挑戦資格さえ取れたら、半年ぐらいはずっと有効なんだって。だからその日だけ手伝って跳び出してきちゃったから、今度はちゃんと手伝いをしたいんだよ。コットも、それで良いよね? 」
「えっ? うん。ライトさんとプライズの事でそれどころじゃなかったけど、元々そのつもりだったしね。ヘクトは何て言うか分からないけど、イグリーとネージュ、もしかしたらオークスも、いいよ、って言ってくれるんじゃないかな? 」
「よかった。コットがそう言ってくれて安心したよ。…エレン君とミヅキちゃんは、残りのジムに挑戦するんだよね? 」
「うん。…けどさすがにつかれたからあしたからかな」
「私もそのつもり」
「そっか。って事は、結局僕達みんな、今日はゆっくりするんだね? 」
「うん」
「そうなるね」
「じゃあ…、大部屋確保してあるから、そこで休もっか」
「…うん! それならかんこうついでにとうだいとかみにいかない? 」
「いいね! それじゃあ、荷物を置いて早速行こっか! 」
「賛成! 」
…休むって言ってるけど、結局こうなるんだね。…でも、まぁいっか。ニド君とかニアロ君とも話せるし、たまにはこういうのも、いいよね? 今までが色々あり過ぎてそれどころじゃなかったけど、観光も、旅の醍醐味だもんね? …だから、ジムにしか挑戦して来なかったけど、復興の手伝いとかの目途が立ったら、もう一度ジョウトを巡るのも良いかもしれない。…もちろん、出来なかった観光も兼ねてね!
…だけど、灯台を見に行ってから、今は身体を休めて明日に備えた方が良いかな? だから、一旦旅はここで中断だね? …うん、そうなるね。
「…コット、いくよ! 」
「あっ、うん! ちょっと待って、今いくから! 」
「はやくはやく! 」
「エレン君、そんなに焦っても、灯台は逃げないよ」
だから、今はこのひと時をたのしまないとね!
…うん、そうしよう! 僕もそうしたいし、カナもそう言ってるからね! Chance Des Infinitude Histoire de Cot 〜無限の可能性〜 Complet……