僅かな光
はっあ...はっあ ...はっあ...
『どこだ!? どこいった!?』
『出て来い!』
『ちょこまか逃げるんじゃないよ!!』
はやく...もっとはやく......やっとここまで...来たんだから...!
こんなところで...倒れられない!!
「あと...ちょっと.......っ!?」
『っ!? いたぞー!! 侵入者の《ブラッキー》だッ!!』
まずい...後ろでも探されてるから戻れない......。
さに背水の陣って分けね...。
出来れば使いたくなかったけど...使うし...
『きゃぁぁあ!!』
...後ろの方から...聞こえた......それに、声はまだ若い女の子の声...まさか!?
...いや、そんな事は無いはず。あの子には来ないでと散々の足止めとさせた。でも...なんだろ...胸から溢れる不安感は...なにか...無くしてはいけない物を無くすような感覚は...。
『...他に、居たのか。 ...おーい!声がした方へ先に行くぞ!!』
「えっ!?」
リーダーであろう口から出たのはあたしではなく、悲鳴が聞こえた方を優先すると言うこと...。まずい、この多さ、敵うはずが無い...使うしか無い!
「...んっぐ...ふぅ......よし、動ける! シャドーボール連射ッ!!」
あたしの後ろを通り過ぎた数人に対してシャドーボールをお見舞いした。使った物が使った物だから威力は桁違いになってるはずだから一発ダウンの筈。
『...うぅ......』
うん、やっぱり。じゃない! 早く行かなきゃ!!
はやく!さっきよりも速くっ!!
「...居た! サイコキネシス!シャドーボール! ...アイアンテール!!」
開けた場所の真ん中で倒れてる子を取り囲む敵を、あたしは今出せる限界で蹴散らした。薬が持つのは数分の間...それまでにこの状況を打破しなければならない!
「電光石火! アイアンテール!!」
1体倒して残り7体。薬が切れてあたしが倒れるのが先か、敵が全滅するか...踏み込んだ以上チャンスは一回きり!
...お願い、守らせてっ!!
「シャドーボール! アイアンテール!!」
残り...5体!
っ!!やらせはしない!
「その子に触らないでっ!! アイアンテールっ!!」
...よしっ!次、体当たりしようとしたらただじゃ置かないわよ!
「電光せ...ぐっ! ま、負けて溜まるかぁ!!」
く、薬が切れる! 残り4体...もう少し持ってアタシの身体!!
『ミサイル針ッ!』
「おそい!!」
針と針の間を電光石火で駆け抜け、直通の最短ルートでアイアンテールを食らわせる。
あと3体...
『蔓のムチッ!』
「サイコキネシス! アイアンテールっ!!」
蔦を受け止め、引っ張って空中に投げ出されたところをアイアンテールで仕留める。
あと...2体......
『マジカルリーフッ!』
「きゃっ!! ...電光...石...化ぁああッ!!」
攻撃を受け、ヨロヨロしながらも相手に突っ込んで倒す。
身体が......重い...残り...けど...1体......。
『種マシンガン!』
「うぐぁ......もう...もたない......」
身体の...あちこちが...痛い......無理...しすぎ...た......。
あたし...まちがってた......こんなとこ...ひとりで...くるんじゃ...なかった......。けっか...たにんまでめいわく...かけて...。
......アハハ...助けられなかったの...2回目か...なさけない...。人に不幸を...振りまく...怪物......既に、アタシは...犯されていたのかも...しれない......。
...今更...助けて...くれる...とは......思えない...神様が...許すはずも...無い......ならいっそ......
自分の...手......で..........
「ショック...テイルッ!!」
...え...な、なにがおきた...の...?
...敵が...視界から...消えた...?
...それに...今の...電気......。
「はぁ...はぁ......はぁ...はぁ......。 最後は...救助隊として...助けさせて...くださ...い.........」
どさぁー...
.........はぁ...はぁっ...はあっ...はぁっ!...はあっ!!
...また...わたシの、ワタシ...セイで!......イノチガ...キエタ...。モウイヤダヨ...コンナセカイ......。
オネガイ...アタシハドウナッテモ...マキコンダヒトダケハ...
カワリニ...タスケテ......