アタシが好きになった事
ー前書きー
今回で二回目となった短編交流企画、主催者として余裕が出たので同じ条件で作品を出してみました。やはり自分で考えた設定じゃないと意外と出ないものですね...指定ポケモンも簡単な詳細しか知らなかったし、アイテムに至ってもそうでした。だけど、それがいい。
そして時間制限に文字数制限、ちゃんと纏めないと収まりきらなかったり、今度は控えめすぎて伝わらなかったり...中々に難しいものです(汗)。
まぁ、前書きはこれくらいに本文をどうぞっ。
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...住み慣れた棲み家を手放してからたぶん一週間ほど経って、人間が投げ捨てた風呂敷に包み入れていた食べ物が無くなってきた。最初はアタシが必ず持つ枝に引っ掛ける事が出来ない程に入っていて、だけど今は特に力を入れずとも軽々と持ち上げる事が出来る...そろそろ探さないと駄目ね。
っと言っても今の季節は冬に近い秋で、視界にはアタシの体色のような黄色や赤に彩られた木の葉に、明らかに時間が経ち過ぎて食べれたもんじゃない木の実の数々。最悪は人里に降りて少しだけお裾分けして...くれるわけ無いか。奴ら、人間どもは自分が良ければ他がどうなろうがどうでも良いと思う奴らだ。そもそもにアタシが住処を手放す根本的な問題を引き起こしたのは奴らだ。それに、アタシが住んでいた近くにあった人里では冬に入る前にお祭りという近所迷惑な騒ぎを起こす。そこに住む、人間に従っているポケモンに聞くと豊作祈願とやらで来年がまた食べ物が多く実るようにと神へと祈るそうだ。何とも馬鹿馬鹿しい、仮に神が居るとしたら何故に神は人間などを作り上げたのか...奴らのせいで森がどんどん小さくなって行き、排ガスと言う有害な雲のせいで植物を枯らす死の雨を降らすにも関わらず。
因みに厄介なのは、その死の雨にうっかり打たれた場合...少ししてから身体に痛みが走り、その痛みが数日間は続く事。痛みを和らげる方法は確かに有るけれど、その方法は水へと浸かる事。普通のポケモンならそんな事は簡単だけれど、アタシはそっちの痛みというか不安感に耐えられない。何故ならアタシは炎タイプ、水にはめっぽう弱いのだから。一度だけ我慢して長く浸かりすぎて身体が冷え切り、危ないところまで行ったことがある。その時は偶然に通り掛かった炎タイプに貰い火をして貰って助かったけれど。
「...はぁ、にしてもどの木の実も食べれた物じゃないわね。この量だと明日が山かしら? 最悪は、食べたくないけれど少しでも大丈夫そうな木の実を見つけて食べるしかないか。うわぁ...絶対に変なのに当たりたくない......」
過去に私がまだ進化する前、お腹が空いたアタシは一回だけ腐っていたのを気が付かずに木の実を食べた事があるけれど、その時はお腹は痛いわ気持ち悪いわ気分悪いわで散々な目にあった事はまだ記憶に新しい。その時は優しい人間の小さな女の子に助けて貰ったんだっけ...だけどアタシはお礼言わず、名前も聞かずで逃げてしまった。その時は弱っている所を捕われたと思っていて、逃げ出す事しか考えていなかったから。今思うと本当に失礼な事をしてしまったと凄く後悔している。もし、また会えるならばきちんとお礼を...ん?
「...あれは、木の実? この季節でもちゃんと実ってるなんて中々に生命力が強いわね」
ふと、アタシの視界左に赤くてトゲトゲした木の実...で合ってるとは思うけれど、ともかくそんな物を見つけて近寄った。簡単に見るに傷んでいる様子は全くない。取っても良いけど問題は初めて見た木の実で食べれる保証も無いし、中々に高所にあってジャンプじゃ結構高さが足りない。どうしたものか...
「...い......き...るか...」
「...ん? あっ、失礼。えーと、何か用?」
「...聞きたいのはこっちの方なのだが。お前ここで何してやがる」
「んー、言うなら住処を人間に奪われて彷徨い旅をしているわ。それで見たことの無い木の実...なのか分からないけれど、見つけたから何かと傾げてたところよ」
「...ほう?」
「...な、なによ?」
経緯を説明するとソイツ、確かバクフーンと言うポケモンはアタシを中心に一周して、またアタシの目の前に仁王立ちした。何となく危険を感じて枝に引っ掛けていた風呂敷を左手で持って、右手で枝を持って軽く構えた。そこから初めて...いや、正確には改めてバクフーンの姿を見た。
所々に傷を持ち、身体はアタシより大きく、そして鋭そうな爪と強靭そうな肉体の持ち主.........あれ、もしかしてアタシ...ピンチ?
「...くっ」
「おいおい俺はぶっちゃけ争う気は無いぞ。疲れるだけだし、ぶっ倒して食う趣味は持ち合わせてねぇ。 まあ、信じろと言っても無理か。そうだ、お前さっき人間に住処を奪われたとか言ってたな」
「え、ええそうよ。なに、場所や食べ物でも提供してくれるのかしら?」
「両方しても良いが素質があれば...だな。条件は俺に一発でも攻撃を当てるか触れられれば良くて、技は禁止だ。どうだ、やるか? さっきも言ったが、俺はぶっ倒して食うような趣味は持ち合わせてねぇ。つまり動けなくなるまでやる気は無い。寧ろその後の処理が面倒だからな」
「...分かった、その条件乗るわ。雲行きが怪しくて、食料も底を尽きそうだったから」
「決まりだな。合図は...おっ、この石を上に投げて地面に落ちたら開始だ」
成り行きでこんな事になっちゃったけど...寝床と食料を分けて貰えるならやって損は無い。しかもそこまで何度も言う辺り、信じては良いはず。さて、問題は挑んだは良いけど勝てるかどうか...予測が正しければ相手はかなり強い。隙きを突かなきゃ勝てないかもしれない。
...いや、今はそれを考えるのを辞めて今を見なきゃ。アタシは左手に持ちっぱなしの風呂敷を軽く放り投げ、深呼吸をして身体の体温を上げながらバクフーンを軽く睨んだ。
「...行くぞ?」
「ええ...」
アタシの返事を聞いてからバクフーンは小石を空へ投げると、ゆっくりと距離を取り、腕を組んで仁王立ちをした。なに、アタシじゃアンタに触れられないって馬鹿にしてる?
...分かったわよ。得意の持久戦で行こうとしたけど、特攻してやろうじゃないの。アタシは右手に持っていた枝を左に持ち替えて、逆手になるように持ち替えた。そして逆手に持ち替えて一呼吸をして...
「...行くわよっ!」
小石が落ちた瞬間にバクフーンへと突進混じりに接近した。だけどバクフーンは軽々と避け、でもアタシは諦めずにもう一度突撃しても軽々と避けてみせた...分かってた展開だけど、ココまで簡単に避けられちゃうと悲しくなってくるわね。さてと、次はどうしたものか...いや、迷うだけ無駄か。迷っててもバクフーンには触れられないし、たぶん隙きも無い。なら私のペースに飲み込んじゃえば良い。出来るかなじゃ無い、するんだ。
アタシは持っていた枝を風呂敷がある場所に投げて、最初は一発で触れようと足腰に力を入れていたけれど、今度は少し力を抜いた状態で腰を落としてバクフーンを見据え...
「...ほう、目が変わったな。つまり本気という事か」
「...っ!」
「うおっ!? あぶねぇ!?」
余計な考えは全て捨て、とにかく今はバクフーンに触れる...いや、仕留める。今はそれだけを考える。言うならば野生の闘争心をむき出しに言ったところ。
それと戦っていて気が付いた事だけれど、今の突進で左に避け、続けての突進も左に避けた。つまり避ける時は右足を軸にして左へと避ける可能性が高い...いや、癖がある事が分かった。そりゃ利き足を使った方が回避しやすいし、そもそもの小石を投げる時も右手で投げていた。因みにアタシも回避に関してはそうだった。けれどそれは昔の話しで、今はどちらの足でも軸足に出来るし、両手も利き手など考えなくても扱えているつもり。
何故そんな事をするかは単純明快。アタシ達野生は何が起きるか本当に分からない。いきなり襲われたり人間の乱獲に遭遇したり、はたまたモンスターボールという洗脳装置に入れて子分にする為、売り物としてハントする為、殆どの危険はアイツら、人間が関わっている。
今更だけれど、野生のポケモンとアタシから挑んで本気で戦うのは初めてな事。だけど、初めてだからだって容赦なんか全くしない。バクフーンには分からないだろうけれど、アタシは負ける訳には、明日を生き延びる為には、この勝負は負けられないのよっ!
「...逃さないっ!」
「くっ...お、お前さっきとはまるで別人じゃねぇーか! だったらルール変更で怯む攻撃を与えたらだ!」
ココに来てルール変更、けれど特に悩むことも無くアタシは頷いた。それにしても怯む攻撃...つまり多少なりともの攻撃は良い訳か、逆に好都合よ。これで本当に余計な事を考えずに、ただ目の前の相手を仕留めるだけを考える事が出来るのだから。
まずアタシは最初のように突進をして、左に避けるのが反射的にそうなるのかをもう一度保険で確かめた。すると予測通りバクフーンは左に回避...ならその行動をそのまま使わせてもらうわ!
「やべっ!? ふんっ!」
「いっ!? ...はぁぁぁぁぁあっ!!」
アタシは突っ込むとバクフーンの直前で左へと方向転換して飛んだ。そこから手を伸ばして、触れるまで数センチ...そう思った瞬間、不意に左からの衝撃にアタシの身体が吹っ飛ばされた。痛みからして殴られた感じじゃなくて、張り手をされたような左頬の鋭い痛み...。身体はまだしも、顔に攻撃するなんて許せない!
アタシはぶっ飛ばされ、空中に浮かんでいるほんの間に身体を拗じらせて受け身を取った。アタシは半分怒り混じりに再突撃...ワンパターンと言われそうだけど、結局は近付かないと触れる事は出来ない。アタシは残り半分の理性でそう考えながらバクフーンへと駆け寄って...今度はそのまま横を走り抜けた。小さな驚き声を後ろで聞きながら、アタシはバックステップで後ろへと飛んで空中で身体を前に。
そしてそのまま倒れ込むようにして...
「...よしっ! 捕まえたわよ!」
「うぉっ!? おおおいなんだよその動きは...い、色々と反則...だろ///」
「勝てれば良いのよ。それにインチキなんて全くしてないし、掴んでも良いとも言われてないわよ?」
「た、確かに行ってなかったが...お前、その...近い......///」
「あら? なんかふふ、顔が赤いわよ? 熱でもあるのかしらねー? それに段々と体温が上がってるようだけどーっ?」
「て、てめぇ分かって言ってるだろ...///」
バクフーンが取り乱すのも無理もない。だってアタシはバクフーンの腕を右手で掴み、左手はバクフーンの背中に回して抱き付いているから。じ、実言うとアタシ自身も少し恥ずかしいと言うかなんと言うか...来るものがあるけれど、気になんてしてない顔でバクフーンへと笑い掛けた。それに、意外と彼...私の好みかもしれない。確かバクフーンだと《アタシと同じ炎タイプ》だった筈...。
その後は、決着は付いただろう思いながら、背中に回していた手と掴んでいた手を離しながら、
「ふぅ、取り敢えずアタシの勝ちって事で良いのよね?」
「あー...普通に合格だ。寧ろ想定の倍以上だな。 色々と久しぶりに楽しませて貰ったぞ」
「ふふ、例えば異性に抱かれて嬉しかったとか?」
「ち、違うわっ/// はぁ...にしても凄いなんか疲れたぞ......」
「アタシも疲れたしか残ってないわ...。 それに動いたせいでお腹は余計に空くし、安心して横になりたいものね...」
「そりゃ、あんな無茶な動きしたんだから当然だろうが。ところで、寝床というか場所の事なんだが...」
「...なに? この場に及んで無いとか言わないでしょうね?」
「そ、それは無いが...その、しばらく俺の住処でも構わないか? 洞窟に作ってる関係で直ぐにも作れるんだが、最近に来た奴の住処を先に作らなきゃならなくてな...」
「ん、どういう事? もしかしてアタシ以外に居るって事?」
「あぁそうだ。どうやら俺は困ってる奴を見かけると放って置けない性格でな...俺も含めて四人を匿ってんだ。 食料に関しては蓄えを使ったり、人里から手伝いの報酬で貰った木の実で日々を食い繋げている。だがそろそろ辛くなって来てな...そんな時にお前が現れ、三人には出してない条件を出した訳だ。お前の身体は人形だし、使えると思ってな」
「...遠まわしにと言うか、ストレートに解釈すると場所と食料は提供する代わりに人間の手伝いをしろと言うこと?」
「だな。改めてなんだが、手伝ってくれないか? 要件は読む」
...会話をしてみて、そして戦ってみて分かったのは、このバクフーンは間違いなく悪い奴じゃない。実際に見たわけじゃないから本当に三人も匿っているのか怪しいけど、目も泳いでないし、特に怪しい動きもしてない。嘘が好きというか得意ならその仕草は出ない、でも先程の戦闘で攻撃してきても爪だけはちゃんと引っ込めてアタシを叩き飛ばしたのは分かった。
人間の手伝いをしないといけないのは尺だけど...そうね、
「ええ、手伝うわ。今日から宜しく頼むわね」
「助かる...ん、ちょっと待ってろ。あと布切れと枝を忘れるなよ?」
「あっ...そうだった、ありがと。それで、待ってればいいのね?」
「ああ。お前さっきこの木の実の事を気にしていたよな?」
「ん、そうね。見たことが無かったから。 それ、食べれるの?」
「ああ食えるぞ。けれど、かなり好みが別れてな...俺含めて四人の中で食えるのは俺と、俺が木を揺らした時に飛んで来る鳥くらいだ」
「えっと...味と言うか、それって正常?」
「...たぶん正常だと思うぞ。うし、木を揺らすっから拾ってくれ。 すぅー.........気合い、パンチっ!!」
「っ!?」
不思議な木の実が実る木の根本にバクフーンは立つと、深呼吸した後に強力な拳で木を殴って大きく揺らす。途端に揺れに耐えられなかった赤くてトゲトゲした木の実が複数落ちてきて、アタシは急いで風呂敷の結び目を解いて落ちてきた木の実をキャッチする。三つ落ちてきたけど、そのうちの一つは間に合わずに地面に落ちて軽く潰れてしまっていた。ああ勿体無い...。
「んー、少しだけ殴る力が増したか? にしても三つ落ちてきて二つも取れるなんて、中々に良い反射神経と言うか動きするな。見込んだ通りって感じか?」
「あ、ありがと。でも落としちゃったの勿体無いわね...」
「あ、大丈夫だ。一個はさっき言った通り...そりゃ!」
「...あっ! なんか横切ったと思ったら木の実が消えたわね。今のが食べるもう一人のポケモン?」
「ああ、今のがそうだ。それと、取った木の実を一つこっちに投げてくれ。当然だかお前も食って良いぞ」
「いいの? じゃあありがたく頂くわね。とりあえず、えいっ」
「よっと。そんじゃ頂くか」
「い、頂きます...」
...な、中々に初めて食べるものって勇気が居るわね...。いつもだとオレンとかオボン、後は見つけた木の実を食べる感じだった。でもどうやらアタシは甘過ぎる木の実が駄目みたいで、それを誤って食べると頭が割れるように痛くなってしまう。初めて食べた時は毒でも入っているかと思ったのか記憶に新しいわね...。
「...ふー、旨かった。あれ、まだ食ってなかったのか」
「は、初めてだと中々に勇気が居るし、前に甘い木の実を食べて頭痛があったの思い出して...」
「あー、そういう言う事か。安心しろ、決して甘くは無い。逆に刺激が強い」
「えっ...?」
「良いから食ってみろって。俺も食ってたから毒は無いぞ」
「...分かったわよ」
アタシは先程以上に覚悟を決め、木の実へと齧り付いた。案外見た目と反して柔らかな木の実なようで、噛んだ瞬間に少しだけ果汁が滴った。っで、肝心の味は...お、美味しい。けど、ちょっと辛い気も...。
でもこのくらいなら全然食べれる、それに結構に好みの味かも...うん、美味しい。なんだか癖になりそうな美味しさね。
「...んぐっ.........ふぅー、美味しかった。大満足よ」
「おー、普通に食ったか。因みに他の奴だと辛くてのた打ち回ってるくらいの代物だぞ?」
「え、そうなの?」
「おう。因みにこの木の実は《マトマの実》と言うらしい。近くを探しても実ってるのはココくらいらしいな」
「へぇ...」
「そうだ、かなり今更だがお前の種族名は? 俺は...」
「知ってる、バクフーンでしょ。タイプはアタシと同じ炎タイプ」
「ほー、お前も炎タイプか。確かに体色が炎タイプって感じだしな」
「何よそれ...まぁ、良いけど。 ...ん、そろそろ天気が怪しくなってきたわね。せっかく勝てたのに雨に濡れるとかアタシ、いやよ?」
「確かにそうだな...。ところで今更なんだが、お前種族名なんだ? 見かけない奴だが」
「アタシ? アタシは《テルーナ》よ。みんなからはフレアとか呼ばれてたわ」
「ほー、テルーナと言うのかお前の種族は。 それで、フレアとか言ったか。まぁ、コレから宜しくなっ!」
「っ! う、うん...宜しくぅ.........///」
な、何よ視線をアタシと同じまで落として、キリッとしていた顔からは想定が出来ない破壊力抜群の無邪気な笑顔は...反則よそれ、凄いギャップが/// てか待って、アタシちょっとドキドキし過ぎ...へ、平常心平常心.........。
...待って待って収まらない!///
「ん? 顔が赤いが、ふふ...どうしたんだ?」
「べ、別に何でも無いわよ!///」
「ふははっ、理由は知らんけどお前も照れてるじゃねーか! それにちっこくて可愛い奴だし、性格も良さそうで、
「っ!!?/// な、なななななっ!!?///」
「照れるな照れるなっ! って...お、おい?」
「.........///」
ぎゅっ...
「...ふぁ!!?///」
「...そこまで言って、破裂しそうなアタシの心臓をどうしてくれんのよ/// そ、それにさっきの無邪気な笑顔...卑怯よ...///」
「す、すまん...そんなつもりは無かったのだが.../// ...な、なぁフレア...いきなりこんな事を言うのも...その、変だとは思うのだが.../// お、俺と付き合ってくれないか...?」
「えっ...いいの...? あっ...///」
「...え、えぇ!?/// い、良いのってお、おま......ふ、ふははははっ!! なーんだ、互いに一目惚れってコいででででででっ!!?」
「口に出すなぁっ!!///」
「いっでぇぇぇぇ!!? 爪が刺さってる刺さってるっ!! い、いってぇな...暫し残るぞこれ...」
アタシの顔が真っ赤になっているのが自分で良く分かる程に熱い...何なのよこの男は! し、しかも互いに両思い...嬉しいけど、言われて動揺しない人なんか居るわけ無いじゃない!///
まぁ、思ってくれた事に関しては嬉しいけれど...もしかしたらさっきの仕返しで言った可能性だってある。もしくは言葉遊びで。なら、確かめなきゃね...
「ねえバクフーン、改めて聞くけど...ホントに、その、アタシで...いいの?」
「んっ、さっきも言った通り本気だぞ? 人生初めて一緒に居たいと思ったしな」
「...そっか。じゃあ少し目を瞑って腰を下ろしてくれる? あ、開けちゃだめだからね?」
「? ...瞑ったが、一体何をするんだ?」
「...えっとね、こういう事っ!///」
ちゅっ...
「...え、ええぇぇえ!!?///」
ふふ、驚くも無理もないよね///
だって、アタシが今したことはバクフーンのほっぺたに対してキスしたんだもん。だけどやっぱりいきなり口は...その、早い気がしたからしなかった。仮にするならば、もっと親密な関係になってからよっ///
アタシはその思いを心の片隅に入れながら、顔を真っ赤にして動揺する彼に抱きついて...
「ふふ、口に欲しかったらもっと親密な関係になってからねっ?/// 取り敢えず今は恋人から始めましょう?///」
そう言いながらアタシは抱き付いて、思いっきりのスマイルで一目惚れした彼を、バクフーンのキレイな目をしばらく見据えていた。アタシにはバクフーンの心の中は見えないけれど、きっと...同じ気持ちよね?
まあ、仮に嘘だったらぶっ飛ばしてやるんだからっ!///
ー後書きー
ども。この物語は「もしこんな出会いが出来たらなぁ...」との妄想というか、想いを書き出したものです。普通の生活じゃこのような素敵な出会いは起こらないし、そもそもに戦うという事はしない。でもそれはポケモンだから、野生のポケモン達ならもしかしたら、人生の中で必ずはビビっと来る相手が居ると思って描きました(もっと言うとキスした場面を絵に描き下ろしたかったのが本音...)。
さて、二回目となった交流企画ですが、来年の一月中に新春交流企画としてやりたいなと思っていたりするので、気になるなーって思う方は私にメッセージ送って下さると助かります。ここ最近は暮れなのもありますが、アクティブユーザや更新する人が減少傾向にあるので、このような企画をして活気付けたいと同時に、スキルアップ(私自身も)していけたらなーっと思います。
最後になりますが、前回と今回参加者さん方や企画をOKして下さっためめさん(副管理人)、改めまして本当に有難うございました!