ギア
ー前書きー
ども、アタシです。ちょいとやる事がドカンっと増えて、気持ちが折れ掛かってますが何とか元気です。
さて、今回はちょっぴり多めで、スローペースのストーリーをそろそろ加速させたいなと思ってたりしますが、今回はまだスローペース。そしてChapter3±1に関しましても、他のチャプター通りに10話か多くても20話くらいにする予定です。後はChapter4に関してですが、上の通りに加速してシナリオを展開したいなと思っており、今回の小説では来年終わりには完結させたいとも思ってます。本当は来月3月の予定だったりしますが、多分終わらないだろうなぁ...と思った結果です。
次にコーヒーブレイクに書き込みました企画の事ですが、残念ながら全く人が来ません。更新者から予測はしてましたが、やはり過疎ってしまいましたね...。アタシがココに来てから約六年、小説家になろうが二次小説禁止になってからポケノベルに辿り着いた者、ポケモンスクエアに辿り着いた者、やっくんさんが運営するポケノベに行った者、少しデバックを手伝った肥前のポチさんが運営する暁、rootさんが運営するポケモン小説wiki(未成年厳禁)、そして中には辞めた人やPixivに行った人。色々と調べてますが人工は確実に少なくなっている気がします。
それと傾向としてアタシと同年代、昔からポケモンをプレイしてる人は社会人になってそれどころじゃない、または最近のポケモンについて行けない、特にメガシンカ要素が入ってから昔のユーザー、周りのユーザーが消えた。今作だって、ネタ切れでしょと分かる程に昔の伝説を集結させ、ロケット団、アクアやマグマなどのカンパニーを導入してるわけですから。
っとまぁ、暗いお話とグチはこのくらいにするとして、本編行くとします。
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Side アーシア
...ホントに、こんな所で良いのかな。だけど、色々協力してくれた方々が騙すだなんて思いたくは無い...けど、どちらかと言うとこの町に放り出されてから人を信じ難くなったのを感じてる。道を訪ねて騙され、襲われて...だけど聞くと付けられたギアで盗聴されてるかもしれない...でも、聞かなきゃ何も分からない矛盾。しかもこのギアは奴隷タイプと呼ばれている遠隔で毒針を刺せるタイプで、確か昔にスガマサさんと言うアブソルさんがやられてた。
因みに成分は神経毒で、心臓の動きを鈍らせて確実に死に追いやる猛毒...それを仕込まれてたと思うと、震えが止まらない。けど、スイちゃんとマコト君が処置をして難無く毒抜きをしたみたいだけ...
「...よし、ココだ。だがココから先は一方通行だから俺は行けない。もしかすれば戻れるかもしれんが、この角度は流石に無理だろう...アーシア?」
「へっ? あっ、いえ、案内して下さっただけでも有り難い限りですから...」
「そう、か。一応だが俺の仲間をこの先の出口に待機させている。そいつなら移動に関しての問題はクリアしてくれるだろう」
「そこのところまでありがとうございます...。シェルターの事も合わせて、なんてお礼したら良いのか...」
「お礼など要らん。寧ろコッチがお礼とお詫びをしないといけないからな。まぁ...何かしたいと言うなら、必ずマコトと言う子を連れ戻し、今度こそは自分の世界に帰るんだ。本来の世界のお前を心配して、スイレンとマコトは来たんだろ?」
「そう、ですね...。でも、このままじゃ終われないんです。まだ苦しむ人がいる限り」
「...まあ、そう言うとは思ったがな。じゃあ言い方を変える。死ぬな、無茶するな、助け求めろ...良いな? さて、そろそろ行け。あんまり帰りが遅いと後でチナがうるさい」
「は、はい。では...また」
私は五メートルはあるらしい段差の端に立ち、ニューラさんにお辞儀をする。その後に私は進行方向に向き直し、段差を駆け下りてスラムを脱出した.........
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Side ???
『...や...やめ、ぎゃあ...あ.........あ...』
「.........はぁ、やっぱりやられたか。だからあんまり聞くなと警告したのに。まあ、情報も与えてないから聞かざる得ないわけだが」
「マスター、この後からギアの破損を確認。信号はギリギリ生きてますが音声取得は不可能かと思われます」
「位置情報は...行けるか?」
「現在確認中ですが.........駄目です。破損度が高く、キャプチャー不可能です...」
「はぁ...やっぱりプロトタイプにしたせいで耐久値が足りなかったか。かと言ってライトカスタムオリジナルを弄るわけにも行かなかった訳だが...キャッチできる反応は何がある?」
「えーと...電波塔からの信号をキャプチャーできるか、そして送り返せるかです」
「そうか、ならプランCだ。一人監視役を送り込んで確認を取る。そうだな...飛べる奴がいい」
「だとしたら...身体データから算出し、適任はこの人物です。個体では珍しく暗闇でも視認可能な人材です」
「ほう、そう思えば居たな。じゃあそいつに任せるとしよう。確か...ピジョットだっけか、だがアイツはあっち側の人だろう? コッチの命令を漏らしそうで怖いな」
「...個人の見解を言いますと、身の危険を犯してまで話す事は無いかと思います。元々にターゲット情報を提示してくれたのは彼で、彼処を収める主の情報屋兼、時より足として使えているのですから」
「...確かにお前の言う通りだ。そいつに掛けてみるとしよう。それとだ、先程にマーケットに面白いギアが出回っててな、そいつをアイツに付けさせるように説得もさせるか」
「面白いギア...って、あの代物ですか!? あ、あれは流石に...可哀想といいますか、何というか.........」
「なーに、作戦に支障が起きない程度に遊ぶのと試験テストだ。ふふふ、出会った時のあいつらに、少しばかりの絶望をプレゼントしてやる」
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Side アーシア
...うう、暗い。ブラッキーなら暗闇なんて大丈夫だったのに、この身体じゃ駄目みたい。にしても、なんだかこの感じは何故か、懐かしい気がするのはどうして...。
...駄目だ、思い出せない。何かが引っ掛っているのは分かってる。けど、それが何なのかが分からない。一番に懐かしいと言うより、知ってた様な気がする。この生臭さ、纏わり付く湿り気...身体が、何となく覚えてる。
「.........あれ、こっちから風が吹いてくる。おかしい、ニューラさんは突き当りを左って言ってたのに、右に流れてる?」
突き当りに当たって、私は頭を傾げた。普通は向かい風に行けば出口があるとよく聞く事で、ニューラさんも風を信じろと言いつつも突き当たりは左と言ってた。そう思えば、リファルさんも迷ったら自然を信じろとか言ってたような.........よし。
私はその言葉を信じて向かい風の方向、右へと歩を進める。途中何個か分岐があったけれど、それら全て向かい風の方向へと歩いていく。今の私がどこを歩いているか分からないけれど、流石に出口が一つしか無いはあり得ないと思いたい...。
「...風が、冷たくなってきた。生温く無くなってきたって事は、外が近いのかな」
徐々に風が冷たくなるのを感じ、自然と私は少し駆け足になる。音も大きくなってる...これは本当に外が近いかもしれない。そして出れたら、何処かにニューラさんのお仲間が居るはず。そう思えば種族を言ってなかったけど...会えば分か...ん、あれはもしかして!
「.........やっぱり外っ! ふう、やっと出られた! ...けど、ココって...何処? 見た感じはナルトシティ...に間違いは無さそうだけど」
トンネルから走り出て、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。そして、改めて近くにある川で自分の身体を確認した。身体はイーブイなのに身体は黒く、癖っ毛みたいな硬い毛並みが所々で跳ねていた。一応出発前にシャワーを浴びさせてもらったから、毛飛びに関してはかなり改善されてる。それに何だか艶のある黒で、まるでブラッキーがイーブイサイズになったような...そんな感じだった。
さて、ちょうど川があるなら水浴びして匂いと汚れを落とさなきゃ。これから人と会う訳だし、泥生臭い身体って言うのも相手に不快感を与えかねないし...
「...うぅ、冷たいぃぃ...けど我慢我慢.........」
こ、このくらいの冷たさならあの場所で受けた水より辛くない。洗う物が無いから自分の身体で擦って、洗い落としていく.........うん、微かに臭いは残るけど、このくらいなら妥協点かなぁ。あとは、濡れた身体をどうにかしなきゃだけど...身震いしかないかぁ...
「.….....あうぅ...なんだかクラクラする...。でも、だいぶ水分は飛ばせた...かな」
...犬の気持ちも同じなのかな。犬ってだいたいは身震い後に少し硬直するから...同じようにちょっとクラっとしてるのかも。それにしても...来ない、もしかして出口が違う?
あと詳細を聞かなかったけど、移動問題を解決できるってどういう事なのだろう。飛べる方だとしたら夜だと視認性が落ちて危ないような気がするし、陸地を駆けるなら日中は目立つし、水中だとしたら息が続かないのと冬だから凍えそうになる...そうなると、テレポート?
「うーん...まさかテレポート出来る方が居るなら出入りが簡単だろうし、それは無いよね。となると他に何が.........ん? 上空に何か...居る? それに、なんだか.........きゃっ!?」
「...はあ、やっと見つけたぞ。お前なんでコッチの出口に居るんだ。予定時刻を超えても出て来ねぇから、不安になって色んな出口を見る羽目になったじゃねぇか」
「えっ、あっ...ご、ごめんなさい...。それでは貴方が...ニューラさんが言ってたお仲間さん?」
「ああ、ピジョットのスカイだ。ニューラに暫く頼まれ、お前の足になる」
「こ、こちらこそ宜しくお願いします。あ、あの...その、暗いのによく見つけられ...ましたね?」
「...ああ、鳥族特有の鳥目って奴の事か。俺は何故だが暗闇でも視界が利くようでな、お陰で見つけられた訳だ。つーか、よく見つけられましたねぇ? 喧嘩売ってんのかチビ野郎。ニューラの知人じゃなきゃ嘴で貫いてるところだぞ」
「も、申し訳ございません...」
「...でっ? 言われて胸糞悪いが、何処に連れ落とせば良い訳だ?」
「へっ、あっ...えーと.........ウォッズ、で...お願いします...」
「ウォッズ? あー、ウォッチズカンパニーか。あー、そうだそうだ。ギア繋がりでコレを付けてくれないか? 元々ギルドに所属しているモデルだ。どうやらソレ、曰く付きらしいじゃねぇか。そんなのを付けて、俺の身も安全と言えなくてな」
「へっ? ギアをですか...で、でも...」
「信じるなとは言わん。が、少しでも危険があるなら捨ててほしいわけだ。元々コレはニューラのお古だが、返さずそのまま使ってくれても良いと許可も出てる。ほんと羨まし限りだホントに」
「.........分かりました、付け替えます」
「すまねぇな」
私はスカイさんから少し黒ずんだギアを受け取り、今まで付いてたギアを取った。そして同じ腕に付け直して電源を入れると、そこにはピカチュウの尻尾が揺れるロード画面じゃなくて、画面左中央から右に向かって線が伸びるだけのシンプルな画面。多分これが起動のロード画面で、終わる頃にはちょっと見た目が違うけど同じような画面になるのかな。
「...動いたか? だいぶ久しぶりなのと年季で黒ずみがあるのと、動くか不安とか言ってたが」
「...結構な更新通知が来るあたり、システムはかなり昔のままですが使えます」
「そうか、それは良かった。...っでだ、さっそくだがお前に悪い知らせがある」
「はい? ...いった!?」
悪い知らせ、そう訪ねた途端にギアを付ける手に激痛が走った。まさか、そんな...信じたくないけど、私は.........
『ふふふ、そういう事だ。それに抗えるものなら抗ってみな?』
「そっ、その声は...」
『少しばかり久しぶりだな。それとスカイ、良くやってくれたな。お望み通り、シェルターの奴らの安全は保証してやろう』
「あ、ああ...」
「スカイさん...わたしを...だました...の.........?」
「...ふんっ、その回答については半々だ。俺は声主と関連があるが主はニューラだ。つまり俺は一言で言えばダブルスパイって訳だな。にしても綺麗に騙されやがって、馬鹿じゃねぇ? 知らんやつを信じるからこんな事になったわけだ」
『ふふふ、相変わらずの奴だなスカイ。だが、主はニューラじゃなく俺だ。そこだけは覚えておくのだ』
「それは俺が決める事だ。それにどちらを主にするかは俺の気分次第、今は偶々ニューラってだけの事だ」
『ほう、まあ良い。さてとアーシア、お前は駒として失格だ。だから、使えない駒は使えるようにしてやるからな。嬉しく思えよ?』
「そ、それはどう言う...あっ、がっ...あたま...が.........」
「アーシア...って、まさかほんとにコイツは!?」
痛い、頭が割れるように痛い...この感覚、あの注射と...似てる...。それにスカイさんの驚きよう...私の事を今知った感じ...で、でもニューラさん経由なら私の事を知ってる筈...一体、何がなんだか.........。
『意識が飛ぶ前に説明してやろう。それはとある物で作り出した二つで一つの特別製らしくてな、元々はブラックマーケットで売られてた代物だ。そしてある物とは、本にあった言葉を借りるなら"ブラックアイテム"。効果は支配...相互に指した針により人物の意識を流し込める物らしい。だが、ちゃんと動くことも保証されてないらしくてな...監視役としてスカイを頼んだ訳だ』
「...ちょっと待て、色々と話と違うぞ。確かに監視役として頼まれたが、もし誤動作でもして暴れたらどうするつもりだ。しかもアーシアだと? まさか俺達の世界を救ってくれたブラッキーの奴じゃないだろうな?」
『ふふふ、残念だが答えはYesだ。こちらの実験で身体は退化してるが、そいつは紛れも無く導かれし者だったアーシアだ』
「.........今の話を聞いて腹が決まった。今より交渉決裂、お前との契約破棄だ! 俺は彼女を、アーシアを守る!」
『ほー? ならやってみるが良い。それにシェルターの奴らがどうなっても良いのか?』
「くっ! 卑怯者めっ!! って、アーシア! お、おいしっかりしろ!!」
「ス、スカイ...さ.........」
や...ばい、意識が...沈んでいく.........。私を揺さぶって声を掛けてくれるけど、その声すら聞こえなくなっていく。私は無理矢理にも身体を起こして、意識を強く持とうとするけど、抗えば抗うほど身体の力が吸われていくような、そんな感覚がして、ほんの一瞬だけ諦めを出してしまった。けど、それをした瞬間に私の意識は完全に切れた.........。