ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石
Chapter 03
未知のダンジョン
Location ???


「...まぁ、こんなものだろう。まだ万全じゃないだろうが、楽にはなっただろう?」
『...不本意ですが、その通りです』
「おいおいそんな態度はないだろう。それに、やろうと思えばまた苦しませる事が出来る事を...忘れるな?」
『や、やめて...』
「ははは、なら歯向かわない事だ。俺の指示に従えば、連れて来た奴らに乱暴はしない。それに俺達は表向き建築業者だが、裏向きはブラックマーケットにも通じる薬品会社だ。そしてその薬品は様々な裏企業が欲し、一部は表社会にも流通させるルートを確立させつつあるわけだ。もしかしたら、シルクも俺たちが作った薬品にお世話になってるかもなぁ?」
『そんなの、シルクさんが使ってる筈ない...』
「勘違いしてそうだが、表社会にて流通している我が社が開発した薬品は、かなり汎用性が高いものでな。しかも安全性と保存性が高くて病院でも使ってくれるほどだ。お前の世界で例えるならば"点滴"に近い物と言えば分かるだろう。お前も使ったんじゃないか?」
『そんな...うそ...』
「嘘じゃないだな、これが。まあ元々に点滴と呼べるものはあったのだが、俺達はどの個体には何が含んでいると効果的か、それを極めたものだ。今までは全個体種共通だったからな。昔こそは、お前達が潰したドリームメイカーズの傘下に入ってて効率が良かったが、潰れたせいで効率がだだ下がりになったが...なぁ?」
『ひっ...』
「にしても、なぜこんなガキらがドリームメイカーズを潰さたのか、未だに不明だ。不本意だが、あの本以外に情報が無いし、情報を抜き取ろうもしてもライトが居るせいでブロックされる。同じく気に入らねぇよ、アイツは。全てを悟った顔をして、人が欲しい物を端から遮断しやがって。だから、お前にはウィアも連れて来いと頼んだわけだ」
『...ウィアさんを人質にすれば、ライトさんが従うと?』
「いや、従わないな」
『じゃ、じゃあ何故...』
「分からないのか? ウィアは元々、防御システムでありながら、色々なシステムに侵入しては情報収集だったらしいじゃないか。つまりコイツは、電子戦や情報収集するのに使えるコマだ。しかもそれでこの島のシステムを麻痺させてみろ。その報いは当然、作り出したライトに全て向く。その後は...導かれし者が危険な存在と情報を出回す事でシルクや共同出版のウォルタにも被害が被る。大嘘付きの看板もぶら下げてな?」
『そんなの、簡単に出来る筈なんか...』
「忘れたか? ココは闇マーケットに通じてる。しかも表向きは全て生活の支えとなってる大企業まで含んでいる。ドリームメイカーズが無くなった分、それが個々に分断されて力を付けたのだ。ドリームメイカーズが無くなろうが、仕組みは変わらない。残念だったな」
『そん...な...。じゃあ、私が残った意味って...』
「無い。そして、お前は仲間を無意識に危険へと晒す狂気人だ」
『狂気...人.........』

ーーーーー
Side ホノン


「...さてと、ココが居なくなった場所か。全員付いてきてるか?」
「うん、大丈夫だよししょー」
「私達もよ」
「こっちも行けるで」
「よし、なら最初は周りをぐるっと見てから侵入だ。情報だと裏口の扉が空いているらしい」
「ダンジョン...ではないのですよね?」
「普通の施設だからその筈だ。だが、そこから闇に飲まれし者が現れて襲われたものが居る。幸い、大きな怪我も無かったらしい」
「師匠はん、ココってあの研究者のライトが持ってたところなんやろ? なんでこんな場所に、ポツリと研究施設を作ったんやろか」
「そんなの俺に聞くな。こっちが知りたい程だ。 ...さてと、ココが裏口のようだが...なんだコレは」

 少し早歩きでライトさんの研究施設をくるりと一周する手前で、何故か真ん中から折れ曲がった扉が落ちていた。そして、その前にはドアが無いことによって侵入可能になっている裏口...だけど、その入り口は異様な光景だった。
 今の時間はお昼からまだ遠い朝の九時近くで、角度的には中も多少は見える筈名のにも関わらず、施設の中は真っ黒が支配していた。

「うわぁ...真っ黒ね。まさか施設内がダンジョン化してる...?」
「ちょ、そんな事ってあるわけ? アタイは初めて聞いた」
「僕もですよ...。なんか、踏み入れよう者を拒んでるような...」
「流石にコレは情報外だ。だとしたら...繋げるか。すまんがちょっと待っててくれ」
「リファルさん、親方にお電話ですか?」
「いや、他の人だ」
「えっ、他に連絡可能な人が居るの? 身元を隠してるからライトさんに聞く事は出来ない筈じゃ?」
「一人な、詳しくて頼れる奴が居てな.........もしもし、今は大丈夫か?」
『はい、聞こえてますよリファルさん。急に通話とは急用ですか?』
「あれ...メルカ、エルン。確かこの声...何処かで聞かなかったっけ?」
「そう言われると...何かそんな気がするわね。何処かは忘れたけど...」
「私も何処かで...」

 ししょーのギアから漏れてくる声に、私は聞き覚えがあったけど思い出せなかったから二人に聞いてみる。カリダリウスの二人、ヒノアラシのソウマ君とリオルのニチェちゃんは何の事だろうと首を傾げていた。

「あぁ、そうだ。いまアーシアが居なくなった研究所の裏口前に居るのだが、日が当たってるのに真っ黒でな...理由、分かるか?」
『少々お待ちを.........予測ですが、ダンジョンに飲み込まれた可能性が。しかも建物となると、もちろん食べ物なんかある筈も無く凶暴性が高く、場所によっては施設の床や壁がそのままダンジョンの土台として使われたり、天井すらある可能性が...』
「突入は避けた方が良いと言うことだな? ちなみに推奨ランクはどのあたりだ」
『現状ですとデータ無しなので、ほぼマックスレベルを要求します。ですが今申した通り、ダンジョン登録がされてないので侵入は可能です。が...皆さんがお持ちしているギア、コチラはギルド活動用なので、導かし者が持つ"Zギア"とかなり性能が異なる為、私の全力サポートは期待しないで下さい』
「...ギルドマスター版でも、駄目か?」
『へっ? もしそうならサポートは出来ますが...って、リファルさんが持ってるのは...』
「ああそうだ。つまり、行けるんだな?」

 ...なんか難しそうな話ししてるけど、もしかして行ける感じっぽい。けど、行こうとしているのは未踏破の、しかも状況も不明な場所...。しかも私達のチームはゴールドで、カルダリウスの二人はシルバー...ししょー、流石に危険度が高すぎるのでは...。

『...はい、ですが行かせたくないのが本音です。不思議玉系統やバッチによる脱出、及び危機が迫った時に発動する緊急脱出ワープも機能する保証がありませんから』
「だよな...しょうが無い、ココは撤退する。ありがとうな」
『いえいえ、お力に慣れたのなら幸いです。コチラもアーシアさんやマコトさんの行方が掴め次第、連絡をお入れしますね』
「ああ、頼んだ...さて、話は聞いていたな? ここに潜入する事を断念し、コチラは情報捜索組と合流するとする。異論は無いな?」
「ないね。危険な掛けはアタイはゴメンやで」
「僕もかな...それに足手まといになりそうで...」
「私達も同じ意見かな。ココならアーシアさんの情報が見つかるかもとは思ったけど、流石に自分の身も考慮しないと...ししょーが教えてくれた"自分の身が守れない者は他の身も護れない"の通りだから」
「ホノン...なんなだか、お前が言うような台詞じゃないな」
「し、ししょー!?」
「あはははっ! 私も全く同じ事を思っていたわ!」
「ホノンさんは考えより行動ですからねっ?」
「考えるって文字はホノンにあったら理が壊れてまうで!」
「わ、私ってそんなに突っ走ってないってば!!」

ティア ( 2017/10/05(木) 15:51 )