ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石











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Chapter 03
光と影は闇
Location Unknown


「...だいぶ面倒な事をしてくれたな。しかも変わりの居ない、とても貴重な研究材料を、だぞ。どうしてくれる」
「申し訳ございません...。ま、まさか手を出すとは思っておらず、しかもあそこまで変貌するとは...」
「まあそうだろう。同種族でもならなかったから問題が無いだろうと、さっき言ってたな? だがあいつは規格外だ。何故それを知っていて渡し...それは今に言ったか。まあ良い、過ぎてしまった事はもうどうにもならん。問題は...それをどう対処するかだ。薬の効き目は約三日か四日だった筈だが、様子見で一週間まで待つとしよう。その後は破棄する。それはまでお前は進行中の他任務について貰うが、良いな?」
「い、異論は御座いません」
「良し、なら明日に向かってくれ。因みに俺はあの人のように失敗した奴を消しはしない。それをしても意味も無いし、貴重な人材が減るだけだからな。流石に同じ地位にする事は出来ないが、そこで同じく活躍をしてくれ。話しは私が通しておく」
「そ、そこは私が...」
「.........成る程、そこまでわざわざ手を煩わせたくないと。別に構わん事だ。ちょうど士気上げに行こうとしていたしな、そのついでだ。それとお前は助手という変わらずの形で現地までだ。着いたらそこの責任者に内容を詳しく聞いた後、当たってくれ。階級下からの命令と更に階級下との行動となるが、それは堪えてもらうぞ。別にそこで新たな輪を作ってくれて大いに構わん」
「あ、ありがとう御座います。ですが一つ質問が...何故ここまでして下さるのですか?」
「理由か? 簡単なことだ。さっきも行った通り俺は殺したり、痛めつけたり、追い込んだりはしない。だったら他に回した方が良いという考えだからだ。それにここの人達は何かしら差別を受け、職に付けずに路頭に迷ってた人たちの集まりだ。お前だって貧困地域の出だろう? 実は俺も、お前と同じ場所の出だ」
「...えっ?」
「まあ驚くのも訳無いか。ともかく俺もそんなとこで育ってたから、いつかは見返したいと思ってたわけだ。それで表向きは建設という会社であり、裏向きは見返してやる為に作った研究会社だ。研究会社に関してはあの事件の一件でバレないように一旦解体して、再出発させたけどな。あの一件のせいでだいぶ動きにくくなったのと、大きなガードが無くなったのが痛いが、それでも裏マーケットは何事も無く回ってるのが驚きだ。あの檻だって横流し品であり、購入した事すら周りに気が付けさせず、配送に来た時も普通と全く変わらんかったからな。おっと、少し長く話しすぎたな。取り敢えず、明日に行くから今日は頭の整理でもするがいい。休んでいいぞ」
「で、ですが...」
「お前の言いたいことは分かる。だが、自分的にまだ休むが早いとなれば...そうだな、あいつの様子を見に行くとしようか。お前の口から聞いただけで、実物は狂う前しか見てないからな。確か退化したと言ってたな?」
「は、はい。イーブイに戻りました」
「そうか。上手く出来れば、禁断の若返りの薬品が作れたりしてな? ...冗談だ。行くぞ」



ーーーーー
Side ???


 ...ダメだ、まだ頭が割れるように痛い.........。

 まさか、ここまで作用が強いなんて...しかも身体が.........はは...この姿じゃ、まるで...。

「...だ......居たな。ん、なんか少し話が違いそうだ」
「しょ、少々お待ちを.........っん? バイタル値やその他の値も落ち着き始めてる?」
「貸してくれ。ほう、つまり薬の効果が切れて正常になりつつあると。しかもこの姿はまさにあの通りだが...目が優しくと言うか、出会った時の目に戻ってるな」
「目...確かに、コレは怯えてた時の目だ」
『...やめ...て.........』
「なっ、意識まで...。つい昨日までは暴れ狂ってた奴が...」
「やはり、薬が切れたのか。となればさっきの話しは無しで経過観察をしてもらう」

 ...この...人は......そうだ、私に薬瓶を...。それに対して、私は...楽になれば...と...。

 そして、隣の...人は.........。

「経過観察...か、分かりました。レポートはどのように?」
「好きなようにで良いが、口頭で一言でも良いぞ。それにしても...だいぶ衰退が激しい。なんかあるか?」
「少々お待ちを.........ありました。一本だけエナチャイザーが」
「それか...確かにそれは効果テキメンだが、成分がな...。すまないがオボンとオレンをベースにナチュラルな回復薬作ってきてくれ。その間に俺はココに居る」
「ナチュラルですか...ならサニャか。だがアイツ...言う事を聞くでしょうか?」
「コイツの名を出せば渋々作るだろう。対価に地位を戻すと条件付きにすれば、子供は食い付く。コレがマスターキーだ。任せるぞ」
「分かりました。予測ですが、説得を含めるとニ十分の前後で作れるかと」
「頼んだぞ」
「はい」

 ...良く分からない...けど、私に対して何かを...作ってくる。それにしてもサニャさん...やっぱりあの後に何かあったんだ。

「...さて、久しいな。大体に一週間以上は経った訳だが、未だにお前の仲間達は行方を掴めてないらしい。しかも最近に、同じくDM事件に関わっていたシルク、そしてスイレンまで来たようだな。トコトンお前は好かれてるようだ」
『スイ...ちゃん...? そんな...なんで.........』
「おおよそお前を連れ戻しに来たんだろう。だがそれは俺にとっては好都合。何故なら研究する為の材料が増えたわけだ。しかも電子的な存在だったウィアまで身体を持って動いてるようじゃないか。調べて驚いたぞ」
『...何を、言いたい...のですか?』
「簡単な事さ。そいつらを、お前自ら連れてこい。因みに逃げるという選択肢もあるが、その場合はサニャの身の回りが危ないと言ったところか」
『そんなの...卑怯...。私がっ、断れないって知ってて!! げほっ!? ...それに、こんな身体じゃ.........』
「まぁ襲われるだろうな。しかも種族が退化し、特徴のマークも消えている。味方となった人達が敵対するかもなぁ?」
『くっ...』

 この人、私の反応見て遊んでる...。明らかに初対面より腹黒い事が改めて良くわかる。

「ふふっ。姿は違うが、その顔は連れて来られた時の顔そのまんまだ。同じ立場なら彼女にしてたかもな。まあ、それは置いておくとして.........」
『な、なに...えっ? どうして...檻を.........』
「出てこい、その檻は俺は入れん。アイツが来るまで色々と見てやる。早くしないと無理矢理に振り落とすぞ」
『.........うがっ...痛み...が...』

 私は言われた通り、全身に走る痛みに涙しながら立ちあがって、檻の外に出る。出来るものならこのまま走って逃げたいけど、そんな事が出来る身体の状態なんかじゃ無い。それに空腹で目が回りそうで、渇きで干乾びているような...そんな感覚がする...。

「それで良い。では、その後は床に寝転がれ」
『...何故ですか』
「立ち上がったままで要られるならいいぞ。そんな震えた足で耐えられるのか?」
『...そう、させて頂きうぐっ! いった!』

 私は言われた通りに檻から出た後、その人の前まで出た後に寝転がった。そうする為、足を折り曲げた時に再びの激痛で打ち付けたみたいになっちゃったけど...。

「だいぶ来てるようだな。それなら反撃は...いや、するんじゃねぇぞ」
『したところで...何か変わる訳じゃない...』
「その通りだ。それはさて置き、まずは採血させてもらうぞ。貴重なデータになるかも.........しれないからな。お?」
『な、に...?』
「いや、予測以上に血の色が綺麗だなと。水分不足や塩分、その他諸々でダメージがあるかと思ったが。お前まさか、それ全て演技じゃねぇよな?」
『はははっ、演技なら...私をどうしてるのですか? いっその事、このまま殺してくがはっ!?』
「...このまま殺してくれだ? そんなこと、今の俺なら簡単に出来る。だが殺すと使えるコマが消え、他に物事が出来なくなるからなぁ? 俺が用済みとならない限り、お前は鎖で拘束してまで活かし続けてやる」

 私が殺してと言った途端、急に首が締まる直前の強さで押さえ込んで、開いている手は私のお腹あたりを強く押し込まれた。途端に私は戻しそうになったけど、胃が空のせいか感覚だけが残った。

「それにな、お前には連れてくる役目がある。その時に何かしら対策やら漏らしたりしてみろ。同じくサニャに何が起きるか分からんぞ? それとも、お前が連れてきた眼の前で全員葬ってもいいのだぞ? お前だけ活かし、他は意識が飛ぶ直前まで痛ぶり、裏切ったと気が付かせてからトドメを刺す。どんな気分だろうなぁ?」
『最...低...』
「最低で大いに結構。それと、身体が動かせないということは、どれだけ危険なのか分かっているのか? このまま押さえ込んで、お前を弄ぶ事だって出来る訳だ...」
『い、一体何を...んひっ!?』
「まあ、そんな趣味は無いからしないがな。だが、飢えた奴らにこんなの姿で見つかったら、明らかに今のことが起こる。そうなると面倒だし、さっきも言ったお前はコマだ。今作ってるであろう回復薬で少しは元気になって、外に出て貰わんと困る」
『言ってる事がチグハグ...です』
「そうなるだろうな。一言で言うなら生き殺しってか?」
『...それを言うなら生殺しでがはっ!?』
「殺しはしないと言ったが、一言も傷付けないとは言ってない。そこのところは気を付けた方が良いぞ?」
『げほっ! げほっ! ...なら、そうして。そっちのほうが楽、だから...』
「楽になるなら出来ない相談だな。だが...屈辱に悶える顔を見てみたいのはあるなぁ?」
『な、なにを...って!? いやっ! や、やめっぁぁぁぁぁぁあ!!!??』

ティア ( 2017/09/27(水) 13:40 )