ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石











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Chapter 04±01
Unknown01
Side ミウ
Location ナルトセントラルパーク 屋上


「...やっぱり、何か違う」

 屋上の柵に寄り掛って、私とウィアさんは景色を見ながら、私はそう呟く。眼科に見える世界は私がいつも知っている街で、人もそうだった。だから私達が創造様にテレポートして貰っただけなような、そんな感覚がしていた。
 でも、向かう前は寒かったのに対して今はポカポカとして温かく、本当なら11月だから、少し羽織らないと寒かった。そう思うと本当に半年前に来た事に実感が出来る。

「...どうやら本当に、私達は半年程前に飛んできたみたいですね」
「私はまだ実感が出来ない、かな。だけど温かいと言うか、桜が咲いているとなると、やっぱり半年程前に来れたって事になるのかも」
「...そうですね。あっ、そう思えば先程はありがとうでした。おかけで不安が和らげました」
「それは良かった。でも、そう言ってた私自身も同じように不安や恐怖はあったり...けど、"創造"様が私達に託して、私達も助けたいと願ってる。ごめんなさい、ちゃんと言葉になってないかもしれないけど、私の思いはそんなところ」
「...うん、大丈夫です伝わりました。それとミウさん...お、お願いがあるのですが良いですか!?」
「は、はい大丈夫です! えっと、なんです?」

 ウィアさんは少し照れたような顔で私を見た後、力強い声で私に訪ねてくる。その声に私はびっくりして、同じ声の大きさで大丈夫と返してしまった。
 それが悪かったのか良かったのか、ウィアさんは口ごもってしまって、途中何度か言おうという素振りはしながら中々に言えなくなっていた。だから私は、申し訳ないと思いながらもそっと心を覗いてみると...どうやら私をさんじゃなくてちゃんと呼びたいけど、果たして良いものなのかと葛藤していたみたい。別に私はどう呼ばれてもイライラしたり怒ったりはしないし、今の名前だってミュウやミウと呼ばれたりバラバラ。だから私の事だって気が付けば良い...少なくとも導かれし者達と山小屋で出会うまではそう思ってた。だけど今は名前がある事、名前で呼ばれる事は嬉しい事なんだって思うようになって、私はちゃんと存在してるんだって、大袈裟だけどそう思える。
 こんな事は、エムリット達を生み出す前はちゃんと有り難みを噛み締めていた筈なのに、途中からそんな気持ちは無くなって、生み出す事だけを考えて、それが途中で嫌になって三人に当たった事も...

「あ、あの...ミウ、さん?」
「...へっ? あ、ごめんなさいちょっと考え事を...」
「.........やはり、ちゃん呼びは...駄目ですよね? 深く考え込んじゃうくらいなら...」
「ううん、大丈夫。ちゃん呼びで良いけど、私もウィアちゃんって呼んでも良い?」
「...は、はい! では、暫くの間はお願いしますミウちゃん!」
「ふふ、宜しくねウィアちゃん! な、何かくすぐったい気もするけど、悪くは思わないかな」

 そう呼ばれて、私は少し目線をそらす。たぶん、今私の顔は分かる程に赤くなってるかもしれない...

「えっと、早速ですがミウちゃん。これからどうしましょうか?」
「う、うーん。一先ずは今の私達が何をしていたのかを思い出したい。バッタリ合うのが怖いのと、行方不明になる前のアーシアちゃんや、活動中だと思うホノンちゃんに.........あれ、なんか大変なことを忘れてる気がする」
「た、大変な事...ですか?」
「...曖昧だけど、確か何かの用事でココの屋上に来たような気がして...」
「用事.........あっ! ギアの混信で、たまたま聞いていたミウちゃんが確認してくれるって!」
「そ、それ! あっ、えっとー...そこに隠れてる!」

 辺りを見て、近場にあった空気口ダクトの物陰に私は飛び込んで息を整える。その後に少しすると...

『...よっと。あれ、ウィアさん...ですよね? あれ...え?』
「...えーと、これには海より深い理由がありまして...その、今の事は無かった事にしてもらわないと困ると言うか...」
『...どういう事ですか? ウィアさんに言われて見に来てみれば、コッチにもウィアさんが居るなんて...まさか、何かしらの手法で二人になったのですか?』
「その、えっと.........ゴメンナサイ! 何も見てなかった、今の出来事は帰って話さないで、特に何も無かったと誤魔化してください! ...ミウちゃん!」
『ミ、ミウちゃん!? って、ウィアさ.........』

 急に呼ばれて何事かと思えば、ウィアちゃんは急に走り込んで、なんと柵を飛び越した。私は驚くより速く、ピジョットに身体を変えた私は空中でウィアちゃんを背中で受け止めて、その場所から町外れの方向に飛んで行った。



 後ろで呆然と立ち尽くす自分自身と、こんな記憶は無かったと思いながら.........

ティア ( 2017/10/18(水) 09:01 )