ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石











小説トップ
Chapter 04±01
Unknown07E
Side フラン


 ...暗闇に光る一つの光、私はそれを教えてミウはかなりの早さでその方向に飛んでる。コレがもしミウ達が探してる物だったら...お別れになっちゃう。さっきは強がって大丈夫と言ったけど、やっぱり本当は寂しい...離れたくない!
 ...でも、そんな事を言ったらミウとウィアを困らせちゃう。もしかしたら、あの光を教えなければもう少し...一緒に居られる時間が増えたのかな。ううん、私が気が付かなくてもミウかウィアのどちらかは気が付いてたと...思う。だからそれが少しだけ短くなっただけ...そう、少しだけ短くなっただけ.........。

「...あっ! なんか見えてきました!」
「そうね! あれがそうならば、未来のアーシアちゃんとマコト君を助けられる...お願い、そうであって!」

 ミウは嬉しそうな声で更に飛ぶスピードを早く...お願い、そんなに早くしないで...。まだ、まだ私は二人と離れたくない...まだ一杯色んなとこ行ったり、話したり、過ごしたいのにっ.........。
 ...それにしてもいつからかな、最初こそはミウとウィアの手助けが出来てとても嬉しいと思ってたのに、下の階層に落ちるたびに胸が締め付けられるような気持ちになってた。そんな時にこの暗闇で二人の顔が見なくなって、私は気持ちを抑えられなくなって泣いちゃ...

「...っ!? 行っちゃダメですっ!!」
「へっ...? ぐぅっ!? や、やば...こ、これって!!」
「えっ...きゃあ!?」

 一瞬何があったか何も分からなかった。急にミウとウィアの叫び声でびっくりして前を向いたら、向かってた方向にあった黄色い光が青色の渦に変わってて、吸い込まれ始めたとこだった。
 その事にとっさに気が付けなかった私は吸い込まれそうになるけれど、ミウとウィアが私の手をしっかりと握ってくれて、引っ張ってくれた。でも吸い込む力が強くて、私の身体がどんどん引き込まれていく...。

「フ、フランちゃんっ!!」
「くっ...ま、まさかこのタイミングでっ...ウィア! ポーチから"爆発の種"を!!」
「わ、分かっぐえっ!? あっ...ちょ、ちょっと待って!?」

 ミウは何かを探してとウィアにお願いしていたけれど、その後の直ぐにウィアから変な声が聞こえて私はビクっとした。何があったか見てみればウィアの首後ろを掴んでいる姿...。なんか、がっつり掴んでるように見えるけど...痛くないのかな?
 けどその心配は関係無く、ウィアは肩から掛けているバックの中を探し始めた。けれど片手じゃ探しにくいらしくて、稀に他の物がバックから漏れて青い渦に吸い込まれてた。それを見た私はウィアの手を振り解いて、怖いけれどミウと繋いでる手に繋ぎ直そうとした。

「ウィアはやくってフランちゃん!? 危ないでしょっ!!」

 少し手を繋ぎ替えるのに手間取ったけれど、ミウが気が付いて私の手を引き寄せてくれた。ただその顔は怒ってる顔というか怖い顔をしてた...。でも両手が使って探してるウィアを見て、その顔はウィアに向いてた。
 けどそんな顔で見られている事に気が付かないウィアは、明かりが欲しかったのか小さな雷を手に作ってまた片手でバックの中を漁ってた。それからしばらくすると...

「...見つけた! ...十万、ボルトッ!!」
「あれ...あっ!? ま、待ってそれはっ!!?」

 ウィアはなんか赤黒い種をバックから取り出して、私達を吸い込もうとする青い渦に放り投げた。何度か投げ付けられたり、拾わされたから"爆発の種"は見たことがあるけど...あんな色してたっけ?
 なんかとても危ない色をしているような...そんな事を思ってるとミウが凄く驚いた顔で急に姿を変えて、青い渦がミウの背中になるように向きを変えた。しかも私とウィアを守るみたいに強く抱き込んで...。
 どうしてと思っていたら耳がキーンとなるほどの大きな爆発音、そしてとっても熱い風と火が辺りを包み込んでいた。私はそのあまりにも大きな音と、火の熱さで意識が保てなく...なって.........。

ーーーーー
Side ミウ


「息が...苦しい.........」

 ウィアちゃんが爆発させた"恐爆の種"の爆発圏内に巻き込まれ、辺り一面は真っ赤な炎だらけ。爆発直後は爆音と爆熱に意識が跳び掛けたけれど、なんとか保った私は守る"を発動させて耐えていた。
 けど流石に三十秒も経過してくるとバリア内の酸素が薄くなってきて、自分自身の意識を保つのも難しくなってくる。けど未だに爆発の火球から抜ける様子は見られない...と言うより、まさか周りの酸素を消費して燃え続けてる...?

「くっ...亀裂が.........」

 張り続けてるバリアも、流石に集中が切れてきてだんだんと亀裂が大きくなり始めている。ココで壊れればまた二人に熱風と火球に曝すことになる...しかも二人は気絶、体力的にも弱って腕に当たる呼吸が細くなってきてるのも分かる。
 私の姿はリザードンに変身したから火や熱さに関して耐性があるから、体力が削られる心配は問題ない。けど二人には暑さに耐性が無いから、時間が経てば経つほどに体力を奪われていく。しかも今は羽ばたいてバリアの中で風を起こしていて、だから少しはマシかもしれないけれど...たぶん無かったら相当に辛いはず。可能ならば氷タイプになって冷やしてあげたいところだけど...それは私がかなり辛くなって、最悪ケースは体力が取られて落下する可能性だってある。

「...ごめん、もう少しだけ耐えて.........」

 どんどんと弱っていく二人に焦りつつ、私はヒビの入ったバリアを直すために力を込め直す。それによって細かな亀裂は修復されて、大きな亀裂も少しは小さくなった。けど込める力を戻せば瞬く間に亀裂が広がっていく...やっぱり長引かせるのではなく、この場を回避しないと事は好転しない。

「...やっぱり、移動するしかない.........」

 代わらないこの状態を待つより、私は意識が少しクラクラしつつも動く事を決心した。肝心な移動方向だけど...普通の火球ならば上に行くより下ならば爆発の火球から出られる可能性が高い。いや、この火球は普通の考えは通じない可能性も...ならば、上に行けば出られる...?

「...イチかバチか、神頼みってところね...」

 神頼み...っと言うより自分の勘を信じると言うところ。この場に及んでまだ冗談を言える辺り、少しは余裕が残ってるのは分かっただけでも良かったと思う。
 私はそんな事を思いながら守るを使ったまま飛ぼうとしたけれど、それだとあまり動けないことに気が付いた。だからどうしようかと少し悩んだけれど、両腕で抱え込める程の守るバリアに二人を入れて、抱え込んだ状態で飛ぶ事を思い付いた。
 コレならばどんなに翼を動かしても阻まれる事は無いけど、問題は外がどれだけの熱さかが不安なところ。熱さが大丈夫と言いつつも幾らこの身体でも限度という物はある。流石に鉄を溶かすほどの高温にはなってないはず...だとしたらシルクさんは相当な物を作ってることにもなるけど。

「...あまり時間は無い、悩むくらいならばやるしかない」

 私は考えを捨て、行動に移る事にした。まずは二人を囲うようにもう一個の守るバリアを作りあげる。途端に亀裂が増えたけれど、何とか押さえ込んで二人を包み込んだ。その状態で保険として大きく息を吸い込んでから外側、二人を守るために張った方じゃない守るバリアを解いたけれど...

「うっ!? い、息が...できな...」

 暑さは全く無かったけれど、呼吸が全くできなかった。コレはかなりヤバい...私は急いで羽を広げて真上に加速する。まさか空間の酸素を燃やし尽くしてるなんて...そんなの想定外すぎる!
 私は苦しくなる息に焦りつつ、どんどんと加速して爆発した方向から遠ざかるように、真上方向に飛んでいく。けれど火球の赤い司会は何時まで経っても晴れる気配がない...寧ろ暑さも感じるような気がしてきた。まさか、上の方が暑くて余計に空気が無い...やばい、息がもう.........

「...ごめ...ふたり...とも.........」

 もうだめ、そう思った私は二人の姿が見えるように顔を守るバリアに押し当てて、最後の力を振り絞ってテレポートを発動させた。そのテレポートによって二人の姿が目の前から消えた事を確認して、堪えていた息を吐き出した。
 その途端に肺の中に暑い空気が進入して、身体の中が焼かれる激痛に悶え苦しんだ。痛みで涙が出ても、直ぐに暑さで枯れ、そして恐れていた変身解けが起きる。そのせいで私の身体は中と外から焼かれることになった。



あついあついあつい...


いたいいたいたい...


たすけてたすけてたすけて...



 火傷で苦しみ、呼吸で苦しみ、けど続く痛覚...拷問でしかない。気を失おうとしても痛みで意識を戻される、絶え間ない、つらい時間.........



 ...そうか...考えてみれば私は...死ねないんだった.........あはははははははははは...



 ぶっちゃけ私の身体がどうなってるなんか分からない。けど手先を動かせている感覚ある...なら、やることはたった一つ。目的見つけ、二人に渡せれば使命終わり。簡単なこと...目的、光、探す。


ティア ( 2020/07/20(月) 20:24 )