ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石
Chapter 04±01
Unknown07B
Side ???


「.........う...っん? ...なんだかとても長く眠っていたような.........あれ、なんでこんなとこで寝てるのかしら?」

 椅子に座りながら机に突っ伏して寝てた身体を起こしながら、昨日の夜は何をしていたか思い出そうとする。けど、どう考えたり思い出そうとしても昨日は何をしていたか思い出す事は出来なかった。
 昨日は酔うような物も食べてないし、飲んでもないのにどうして...

「いたた...まさか椅子で寝るだなんて、相当に私は研究に疲れて寝ちゃったみたいね...」

 座っていた前の机の上には、いつもは仕舞っている実験器具がそのままになっていた。って事はお風呂も何もしてないのね...はぁ、やっちゃった感じが凄いする。こんなのをフィリアやウォルタ君に見られたら怒られちゃうわね...。
 にしても、うーん...ダメね、シャワーでも浴びて目を覚まさなきゃ。そしたら取り敢えずこの白衣は洗濯に出さないと.........ん?

「な、何これ.........血の付いた包帯? え、なにこれ...?」

 洗面台に向かった私は白衣を脱いで洗濯カゴに入れた時、視界の右側で赤い物が見えたような気がしてそっちに視線を向けた。するとそこには洗い途中の血の付いた包帯が放置...え、ちょっと待って本当に昨日の私は何してた?
 分からない事が多すぎて、自分自身が凄く怖い...コレは一端シャワー浴びてすっきりしたら部屋の中を全部調べた方が良さそうね。後は...気が進まないけどギアでフィリアに連絡取ってみましょ。

「はぁ...取り敢えず、私自身に傷や怪我は見られないわね」

 お風呂場に入った私は扉を閉めて、少し大きめの鏡の前に二本足で立ち上がって身体を確認してみる。だけど私の身体に古傷以外の傷は無く、身体の痛みも無かった。
 となると、あの血の付いた包帯は私の以外...い、いやそもそもにコレが血である確証は無いけれど.........うん、考えるのは一端やめた方が良いわね。取りあえずスッキリしてから紙に書いて状況整理でもしましょっと。
 それにしても毎回思うけど...やっぱりスカーフ邪魔ね。外して数分はどうにかなるけれど、外した事による自立神経系の異常や倦怠感、そして意識が稀薄になる感覚...。何度か症状の克服か、または緩和が出来ないか薬を作成したりして試したけれど解決までは至らなかった。

「...もっと効果のアプローチを変えた方が良かったりするのかしら? 直接作用するようにじゃなくて、何かを経由するような...」

 両手で熱湯と水の蛇口を捻って温度を調整しつつ、自分自身の頭の中では考えを捻りながら考える。だけど考えても考えても正解や妥協点が思い付かない...やっぱり、このスカーフが特殊すぎてどうしようも出来ないのは確定なのね...。

「あつつ.........ふぅー...やっぱりお風呂って良いわね。なんだか生き返るというか、気分が満たされるというか...」

 少し暑くて少し焦りながらお湯の蛇口を絞めて、ちょうど良い温度が確認してから私は浴び始める。いつもだとシャワーを引っ掛けに掛けたまま、自分が動いて前進に浴びてたけれど、今日はサイコキネシスでシャワーを浮かべて動かして浴びていた。
 特に決まりなどを決めてはないけれど、何となく毎日の気分次第でどうするか決めてる感じ。正直なところ、アーシアチャンのように二本足で安定して動くのはまだ出来ないから、それが出来ればサイコキネシスで浮かべる必要もないのだけれど...

「.........ぷはぁ...にしても、こんな生活をしてると元の時代に戻った時にかなり色々と不便を感じそうね...」

 軽く息を止めて顔にシャワーを当てながら空いてる両手で顔を洗って一段落。その後に顔を拭った私は見渡しながら呟いた。
 この時代はニンゲンが居ないから全てがポケモンサイズで、家の基本構造はそのまま身体にあった大きさの家を建てたり住む事が出来る。乗り物だって私が嫌いなバス、そしてよく使うフェリーも身体の大きさにあった物がある。食べ物や飲み物に至っても全部木の実メインで、元の世界であったポケモンフーズとは段違い。けど、アレもアレで癖があっておいしいのよね...。
 けどもし元の時代に戻った時、違いに慣れなかったら...ユウキに木の実を少しおねだり、しちゃおうかしら?

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Side ???


「...成る程、じゃがその事をワシに伝えても良かったのか? 最悪はタイムパラドックスを起きかねん事は言わなくても分かるじゃろう?」
「はい、分かっています。ですが既に干渉してしまい、それが未来のあるべき姿として書き換わってしまっています」
「...そうか、ならばその流れに従わなければいかんの。では、この娘の事...いや、アーシアとシルクに関しては確かに受け取ったわい」
「お手を煩わしまい、大変申し訳御座いません空間様」
「なんの、こんな事は手間じゃ無いわい。それにそんなに硬くならくてもええぞ? ワシは刻限のようにうるさくする気は微塵も思ってないからの」
「い、いえ...しかし.........」
「...まあ、いつか崩してくれる事を気長に待つとするかのシードよ?」
「あはは...なるべく崩せるように致しますね.........では、私はコレで失礼します。 ...時渡りっ!!」

 刻限様には頭が上がらないけど、やはり空間様にも同じだなぁ...そんな事を思いながら僕は身体の力を抜いて、時渡りに使う時空の流れを感じ取ろうとする。いつもだと掴むまで最大で三秒近くは掛かっちゃうけれど、流石に承伝の回廊だと掴むのに時間が掛からなかった。

 さて...今はあの事件から二年半くらい。調整は苦手だけど上手く半年後に時渡りが出来れば良いのだけど.........

「ココかな? .........ふぅ、出れたけどお昼かぁ...何日なのか確認するのにライトさん達が居る職場の外にあるデジタル掲示板に頼ってるんだよなぁ...。流石にその方法は止めたいけど、かと言ってギアを貰うのも...もっと過去に行く時に影響が出るし」

 時渡りの回廊から出た僕に直射日光が当たって、眩しくなった僕は薄めで木陰に入った。暖かいけど寒い、この感じだと時渡りで予定していた半年後には来られたのは分かった。
 けど細かな情報は分からないし...そうだ、アルトマーレの秘密の庭にテレポートしよう。そこならラティオスとラティアスしか居ないから、影響は必要最低限のはず。そこでいろんな情報を仕入れれば...よし、そうと決まれば!

「ふぅ.........テレポート!」

 僕は目を閉じてアルトマーレの秘密の庭を頭の中でイメージする。濃く強く、そしてしっかりイメージが出来たら技を発動して僕はテレポートをした...

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Side ウィア


『グガァァッァァッァアアアッ!?』

 フタチマルに対して私とミウで戦ってた時、真後ろで悲鳴が聞こえてビックリしながら振り返った。するとフランさんが一人でテルーナに対して痛手を与えていた...凄い、フランちゃんが会った時とは別人と思える程に強くなってる。

「...中々やるわねフランちゃん、ならコッチも負けてられ無いじゃない」
「そう、ですね。にしてもこのフタチマル...元救助隊か探検隊な気がします。動き方が堅実と言いますか、戦い慣れしてるような...」

 今までの敵ならば間合いや相手の戦い方を感じ取らず、一言で言うならばがむしゃらな単純攻撃しかしてこなかった。だけどこのフタチマルはしっかり間合いを取って、私達の出方を伺っているような動きをする。
 実際に行方不明になっている救助隊や探検隊はこの諸島だけでも30人近く、提携しているギルドの報告や諸島を合わせると100人近くも居る。そして毎年に今だと二人か三人か近くが行方不明になっている...そのうち別所で狂った状態で確認出来たのは15人ほど。
 だけどこのダンジョンでは確定じゃないけど、今戦っているフタチマルとテルーナ。そしてアーシアちゃんの知人だった救助隊兼探検隊のソウルズの二人...このダンジョンはそれ程に危険で、硬く閉ざされてた理由が付く。

「だとしてもコッチは二人。過信は禁物だけれど、コッチも堅実に倒すわよ。 ...マジカルリーフ!」
「は、はい! ...エレキネット!」

 ミウさんのマジカルリーフがテルーナの動きを遮るように放ったのを見て、私は移動先を先読みしてエレキネットを放つ。当たるかと思ったけれど、当たる直前にヘッドスライディングで回避されてしまった。
 にしてもこのフタチマル...さっきも思ったけど相当戦闘に慣れてる。この動きになってくるとゴールドかプラチナランクじゃない...ダイアモンドか、もしかするとギルドマスターランクに片足が付いてるかもしれない。
 そうなるとこの二人のチーム名は.........

「逃したっ...ウィア援護してっ! ...気合い玉っ! くぅっ...サイコ、キネシスゥ!!」
「あっ、はい! ...エレキボール連射っ!!」
『ギッ.........グガアッア!?』

 記憶からチーム名などを思い出そうとしたところにミウさんの声で現実に戻された私は、雰囲気で察して直ぐに援護でエレキボールを乱れ放ちをした。だけどフタチマルは身体をバネのようにして弾幕の隙間を縫って回避...だけどそこにレイエルさんのように放った気合い玉をサイコキネシスで操って直撃させていた。

「くぅ...やっぱり技の切れ目無く直ぐっ!? ま、守るっ!! きゃあっ!?」
「ひゃっあ!? ...で、電光石火ッ! ぐっ...アイアンテールッ!!」

 一瞬のこと過ぎて私は全く反応出来なかったけれど、どうやらダメージ覚悟の捨て身タックルで私達に突っ込んできたみたいだった。とっさにミウさんが守るを使ってシールドを張ってくれたけれど、込めた力が弱くて砕け散ってしまった...。
 だけど砕けた反動で空中に投げ出されたのを見た私は、咄嗟にアーシアさんが得意とする電光石火とアイアンテールの連携技を参考に繰り出した。連携技と言うよりは連結技に近い感じだけれど...。

『ッ!? グハァァアアッ!!』
「コレなら当たる! エレキ...ネットッ!!」

 次の攻撃に繋げる為にアイアンテールの攻撃で突き上げていた無防備な敵に対して、少し溜めたエレキネットを放った。もちろん相手は空中で身動きが出来ない状態だったから、私が放った技は外れる事は無く当たってくれた。
 そして技を受けた敵は受け身がな出来ないで地面に叩き付けられ、更に麻痺による行動不能で身動きを完全に止めることが出来た。けどまだ動こうとしている辺り、私は流石と思わざるえなかった。いや、それよりも一番驚いたのは.........。

「いてて...ナイスよウィア! ...ソーラービームッ!!」

 守るのバリアが砕けて混乱が少し残っているにも関わらず、長い溜め時間も無しに放ったミウさんのソーラービームを敵に対して放った事...。もちろん敵は避けられる筈も無く直撃し、叫び声と反動で壁に叩き付けられて動かなくなった.........。

ティア ( 2020/03/06(金) 09:23 )