再び
ー前書きー
どうもです、久しぶりの前書きとなります。
ホノン「確かにだけど...私達、ココ初めて」
エルン「お噂は聞いてましたが...なんとも殺風景な場所ですね」
メルカ「一応は作者の部屋なんでしょ? 流石にシンプル過ぎない?」
あんまりごちゃごちゃと物を置きたくないだけ。そんなことより、三人を呼び出した事に関して読者も含めてご報告。暫くの間は貴方達にメインストーリーが割り当てられます。
ホノン「えっ? どうして...?」
メルカ「確かに嬉しいことだけど、そんな事して続くのコレ」
はい、敢えてこうしました。それと単刀直入に言いますと、今回からの主人公は貴方達です。
三人「えっ、えぇ!!?」
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Side ホノン
「あの子、大丈夫かなぁ...一応呼びかけには応えたけど...」
「きっと大丈夫よ。最初こそ気が付かなかったけど、あの子の右手...見たでしょ?」
「うん...だけど、弱ってたし...何でか分からないけど」
「その事の以前に、なぜあの場に倒れていたか...です。後はなぜ居るのかですね...ギルドの情報ではホノンさんとアーシアさん以外の導かれし者達は元の世界に帰った筈ですよね?」
「そうだよね...。私はともかく、アーシアさんにあった事はないけど噂話はかなり聴くよね...」
私はアーシアさんについての噂話を思い出す。勿論アーシアさん、もとい私もだった筈の導かれし者達はドリームメイカーズという大企業の招待を暴き、壊滅させた。それから暫くして、導かれし者達は現実世界に帰り、アーシアさんだけは何か理由があってこの世界に留まった。
その後は他の人では到底不可能な速度でギルドランクをソロで登りあげ、活躍をし続けている。私達のランクはシルバーだけど、アーシアさんに至ってはプラチナランク。因みににランクは下からノーマル、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイアモンド、ギルドマスター、そして最後に免許皆伝となる。ただでさえ上り詰めるのが大変なのを、アーシアさんはギルド協会から警告の出ているソロで上り詰めた。そんな人が居れば噂話になるのは当然の事だった。
もっと言うとソロの救助隊か探検隊はアーシアさんを入れやっと二桁程しか居なくて、最高でもアーシアさんが居るプラチナまで...たぶん、プラチナからダイアモンドに上がる為の試練に引っ掛かってるんだと思う。プラチナか、昇格するには、緊急招集のレイド討伐に参加して、見事に結果を残す事。そもそもにコレは頻繁に起こる事じゃないし、起きてたらこの世界は終わっちゃう...そして、レイドを組まないと対処が出来ない程の脅威度で...
「ホノンったら聞いてる?」
「えっ...ご、ごめん。聞いてなかった」
「いつも通りですね...どうやら、治療が終わったみたいです。今呼び出しが来たので」
「そう...なんか、ごめん」
「いいわよ、別にいつも通りのホノンだから。さーと、カウンターに行くわよ。既に病室に移されて、その場所を教えてくれる感じでしょうねこの感じは」
「私も多分そんな感じかと...すいません。先程に放送にあったシキジカの女の子に会いたいのですが」
少し歩いてカウンターに着くと、エルンちゃんはそう問いかけた。すると少々お待ち下さいと言いながら、パソコンの画面を覗き込んで、私達を見た後に、またパソコンを覗き込んだ。そのままもうちょっと待ってると、
「お待たせしました。誠に申し訳ないですが...今あの方に案内する事は出来ません。日を改めましてお願いします」
「ちょっと! 案内が出来無いってどういう事よ!」
「それも言えません。申し訳ございませんが今回はお引き取り願います」
「...お姉さん、つまりあの子はコレだから...ライトさんに確認を取らないといけないから駄目ってコトだよね?」
「...えっ、ちょ、ちょっと確認させて下さいね。成る程、貴方がお噂のホノンさんでしたか。ライトさんからお話は伺っています。申し訳ございません、コチラがお部屋番号になります」
「ありがとうお姉さん」
私はその人から場所が書かれた一枚の紙を貰いながらお礼を一言。にしてもコレで分かった通りにあの子は、恐らくあの時の関係者...けど、どうしてまたココに?
でも、それは本人の口から話してくれるかな...
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Side スイレン
「ん、誰か来た? ハーイ、どうぞ?」
「...失礼します。えっと、初めまして.. かな?」
「うん、初めてナノ。でも何だろう...初めましてな気もしないというか...。いや、そんな事より助けてくれてありがとうナノ。 あの時は全く体が動かせなかったけど...っと、今はこの通りに動ける。やっぱりこの感覚は少し久しぶりだけどすぐに慣れると思う」
「良かったわ。ところで質問なんだけど貴方は...あーもう、面倒なの無し! 単刀直入に聞くけど、貴方って導かれし者よね?」
「...やっぱり、分かるんだね」
「はい、ギルドではまずこの事は知らない程の有名人ですから。っと言いましても、今はシルクさんと言う人が書いて出版した本のお陰で知ってる人は多いです。けれど、詳しい種族までは記載して無かったですが、ギルドに属していて、尚且つその時に属してた救助隊や探検隊は全員知ってます。知らないのは事件後に所属した部隊達と、先程言いました本だけの知識の方ですね」
「シルクさんの本、やっぱりスゴイんだね。それと、やっぱり...救助隊とか増えた?」
「それはもう、ね。けどもっと大変だったのはギルド協会の方らしいけど」
「申請は全部そこに行くからしょうがない気もする。それで...スイレンさんだっけ、なんでまたこの世界に? 記録が正しければ元の世界に帰ったはずじゃ?」
「あー、えっと。アタシの事を知ってるならアーちゃ...じゃ無かった、アーシアちゃんの事は知ってる...よね?」
「ええ、知ってるわよ。けど、今ね...」
「えっ!? アーちゃんに何かあったいててっ...」
「ま、まだ無理しちゃ駄目だよ...一応は怪我人として入院してるんだから」
「あはは...そうだよね。ありがと...えーと?」
「あっ、そう思えば名前を言って無かった。私の名前はロコンのホノンで、シルバーランクの救助隊だよ。んで、コッチのピカチュウがエルン、ツタージャがメルカ」
「改めてよろしくお願いしますねスイレンさん」
「私からも宜しくよスイレンさん」
「うん、宜しくナノ。 ...あっそうだ、私の他にもう一人倒れてなかった? マリルで、私と同い年くらいの男の子なんだけど」
「マリル...って、まさかマコトさん!? 二人で来てたの!?」
「メルカさん、ココ病院ですって...」
「あ...そうだった。えーと、ともかく...マコトさんとも来てたのね? あの場にはスイレンさんしか居なかったけど...」
「そうですか...また、バラバラに飛ばされちゃったのかな...取りあえず、ありがとナノ.........」
...マコト、大丈夫かな。ちゃんとこの世界に来られてるかな...すごく心配。それか今どこかで動けてなくて、私と同じようになっちゃってたりしないかな...。
それに、アーちゃんも何かあったみたいだし...幸運にも、ギアは持ってた。これを使ってライトさんかウィアちゃん、そしてマコト、アーちゃんの場所を特定できれば...。
「その、スイレンちゃん大丈夫?」
「うん、大丈夫ナノ。それで...ちょっと言い難いお願いしたい事があるんだけど、良いかな?」
「良いわよ、私達に出来ることなら」
「...えっとね、暫くの間だけ...一人にしてもらっても、良い? ちょっと整理したいから」
「...わかった、それじゃあ明日にでも出直すわ。まだ私達、一個だけやる事が残ってるから」
「ごめんなさいナノ。その、わざわざココまで運んでくれたのに...」
「良いのよ。それじゃホノン、エルン、行くわよ」
「は、はい。スイレンさん、お大事にね?」
「お大事にです」
「ありがとナノ」
アタシは上半身だけを起き上がらせたままの体勢で、三人を見送った。そして三人の声が聞こえなくなって、もう少し経ってから、私は久しぶりにギアに触れた。そうすると、懐かしい起動画面を見れた。
それはロード中の文字と、時々に左右へ震えるピカチュウの尻尾が描かれてるところ。最初こそはマコトと色々試して、やっとの事で起動が出来たけど、今はもう違う。このギアに関しては、約一年くらいの身に付けて、大体の操作は覚えてる。もし記憶が合ってればこのアイコンの...居た、後は掛けるだけ。
にしても...なんて言われるかな、やっぱり怒られるかな...。急に来て、この世界がおかしくなっちゃうかも知れない。だけどそれに関しては、すぐに連れて変えれば大丈夫って思ってた。何があったかは聞けなかったけれど、確実にアーちゃんは何かを無茶して何かに巻き込まれてる。
それにマコトも居ない...もしかして私達はとんでもない過ちをしちゃったのかもしれない.........
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Side ライト
「にしても参ったね...押さえ込んで居たにしても、ここまで侵食が早いなんて。けど、今回の調査でかなりの収穫もあったから結果オーライかな」
「なーにが結果オーライよバカ。未だに後遺症で満足に走り回れなく、なってるって言うのに?」
「すみませんでした...」
「でも、ライトさんとウィアちゃんはこうして返ってくることが出来たじゃないですか。私はそれだけでも良かったと、思ってます。流石に二回目はやめて頂きたいですけど...」
「甘いわよリーフ。そんな事を言ったらまたやるに違いないわこの研究者は。けど...悲観的になりすぎちゃうのもどうかと思うわ...ウィアちゃん、もう分かったからいいのよ?」
「いえ、私達があんな事をしなければアーシアさんの行方が分からなくなる事は無かったですし、結局看病という形で今も困らせてしまっているわけで...本当にごめんなさ...い? ごめんなさい、このタイミングで誰かから通話が...」
ウィアの身に着けるギアに着信?
思えば前にも着信があったけど、結局は誰だったんだろ。あの時ははぐらかされちゃったけど、それは後で聞けばいいね。
っで、今の通信は誰なんだろ。ちょっとウィアの画面を...って、嘘だよねコレ...どうして、ありえない。だってこの子はあの時に絶対...。
「...もしかして本当に、貴方なの?」
『...えーっと、お久しぶり...ナノ。た、たぶんだけど...ウィアちゃん以外も聞いてる...よね?』
「ええ、しっかりと聞こえてるわよ。それで、なんで通話が出来てるのかしらね?」
『えっと...アタシは今、ナルトシティの中央病院に要るの。そこでホノンって言う、私と同じ導かれし者も居て、簡単にお話してた』
「ホノン...なるほどね、ロコンの女の子か」
「ホ、ホノン...? し、しかも導かれし者って...」
「ライト? またあんた隠し事してたわけ? もう毎度だから今更驚かないけど」
「あはは...とにかく、話を戻すとして。スイレン、なんで君はまたここに来ちゃったの? そっちからココへ来る為の手段なんか無かった筈だよ」
『確かに最初は無かったけど...アタシ達宛にメールが届いたの。内容は一つのURLが書き込まれただけで、送り主が分からなかった。だけど、そのアドレスは私達をこの世界に来る事になったURLと一緒だったナノ』
「メール? メールなんて送った記憶は無いよ。それに届く筈も無いし。それに同じアドレスは壊れちゃった転送装置にレスポンスを投げるから不可能だし、修復されたと考えるのも無理だね。何故なら設計書は僕が破棄してるし、データに関しては暗号化して持ち歩いてるからね」
「っと言っても、間違いなくスイレンさんはこの世界に来たわけですよね? 少し話を戻しますが...何故に要らしたのです?」
「私も気になります。けど、何となく私は分かるような気も...多分ですがアーシアさんの事、ですよね?」
『うん、リーフさんの言う通りアーちゃんの事。私達が現実世界に戻った後、そこそこ時間は掛かったけど皆でもう一度集まる事が出来た。だけど一人だけ連絡が取れない人、アーちゃんだけどうしても連絡が取れなかった。それてちょっとしたルートでアーちゃんが運ばれてた病院を突き止めて、会ったらまだ意識が戻ってなかった...。しかも、最近になって衰弱が進んで、このままじゃ危なくなってくるかもって.........』
「...つまり、アーシアちゃんを連れ戻せば回復すると思ったわけね。それで一人でここに来ちゃったと」
『ううん、一人じゃなかった。本当はマコトも居るはずナノ...。だけど、目覚めてみれば居なかったみたいだし、ギアで通話を掛けても番号が存在しないって怒られちゃう...アーシアちゃんだってそう。ずっと呼び出し音のままで繋がらない』
「...マコトに関しては考えられるのは一つある。一言で言うなら転送失敗で何処かの空間を彷徨ってる可能性がある。だけど、この事に関しては二神に伝えれば対処出来るかもしれない。そして二神に出会う事ができる人物、つまり同じく神と呼ばれる人物からコンタクトを取ってもらえばいい。そしてその神達は僕達に関しては身近に居る。ミュウさんとラティさん達だよ。それにシルクの友人にセレビィだって居る」
「簡単に言うけど、凄い事よね」
「確かにね...」
確かに凄い事だとはフィリアに言われると改めて思う。だって普通に生活していれば、伝説や神と呼ばれる人に出会うなんて出来ない。逆に言うと、僕達自体が普通の人にとってはありえない人達になるのかな。
それは置いておくとして、まずは何故スイレンが来れたのか。間違いなく僕は設計図は消し去ってるし、完成したあれに関しても情報遮断した場所に保管してる。あの制作に関わったのはウィアだけど、ウィアが外に漏らしたなんて考えられないし考えたくも無い。でも、僕とウィアが人口的な次元の狭間を生成する装置に飛び込む数日前に、誰かに連絡と隠れて出会ってた節がある。
それに、急遽明日にある神や伝説が集まるな会議にウィアは呼ばれているみたいで、僕は呼ばれなかったしそんな事があることも知らなかった。内容も教えてくれないけれど、何となくは分かる。多分は最近になって急増し始めている異変について会合するんだと思う。
「...んー、取りあえず私が迎えに行くわ。ギルド側のエントランスで11時に待ち合わせしましょ。それで良いわよね?」
『うん、大丈夫ナノ。それと...ごめん、なさい.........』
「別に良いわよ。なんだかんだで、また出会えて嬉しいって思ってる私も居るから。リーフもでしょ?」
「はい!」
「私もですよ。マスターが言う通り何故来られてたか気になるところですが、来れちゃったのなら、しかもそれがマスターのミスである場合が少なからずあるので、責任を取らなきゃですから」
「.........あのさウィア、泣いていい?」