ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石
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Chapter 02
思いの力
Side ???


 ...なぜかしら、何だかとても胸騒ぎがする。明らかに木々達が怯えてるし空気がなんだかピリピリする。この感覚、前にもあったような...でも、そんな事はおかしい。たしかに直近で何かあったと言えばあった。その事に関して全く干渉が出来なかったのが記憶に新しいけど...そんな時にはこんな感覚は無かった。これは人を集めて会議をする必要があるかもしれない、何かが起きる前に。

 一番連絡が取りやすい人物となると、やっぱりラティ族ね。ちょっと遠いけど...アルトマーレまで行かなくちゃ。何故だがテレポート用のポータルが使えなくなってるし、空間の歪みが増大してる...まさか、誰かが無理やりコッチの世界に干渉をしようとしてる?

 いや、それはありえない。この世界はあのお方かと、お二人が守っている。二、三年前はおかしくなってしまわれたけど、今は油断や隙が無い程に神経を尖らせて居られる筈。もし不法に干渉するならばお二人が、或いはあのお方が守って下さる筈だし、それに導かれし者達の干渉に至ってはあの方が必要としたから通しただけの事。
 それに、その時の干渉は私達の世界軸と導かれし者達の世界軸がぶつかる感じ、言うならばボールとボールが押し当たってる感じだったみたい。だけど今回はその球体、私達の世界軸というボールに見立てたのを、全方向から押し潰そうとする感覚。言うならば空気入りのボールを水の中に無理やり沈めて圧迫させているような状況...そのせいで、とは言っても昔みたいな地震は起きない代わりに歪みによる時空の狭間が増えやすくて、ギルドでは捜索願いの依頼が増えてる...

 いったい、何が起きようとしてるのこの世界に。今回ばかりはあのお方すら動く緊急事態、まさかあの子達が干渉してきたなんか考えにくいし、戻ってきたライトに聞いても再接触は不可能だって演算で弾き出してた。それはウィアも同様に弾きだした結果だけど、可能性は全くゼロじゃないとでも言ってた。もし、もしもあの子達がこの世界に来る事を願い、そして私達からでは無くてあの子達から私達の世界を思うならば、干渉は可能だと。その言葉に関してライトは否定を述べてたけど、私は否定はしなかった。

 何故なら、思いの力で一つの方式を捻じ曲げた人物が一人だけ存在するから。まっすぐな気持ちで、純粋な強い思いの力...そんな力をあの子達は持ってる。だけどもし...もしその思いの力が弱くてこの世界に干渉が出来ないのなら、私達が手を繋いで引いて、道標をしてあげないと。
 だからこその会議、この世界にあの子達がまた必要なのか、それ以前にこの干渉はあの子達からなのか。それを決める為に、確かめる為に、集まって会議をする為に。



ーーーーー
Location Error


「はぁ...はぁ.........ダメだ、何処にも居ない。一緒に来た筈なのに、何処にも居ない。もしかして...僕達は失敗した?」

 確かに僕達は二度と干渉は不可能と言われていたけど、正体不明な人物から送信されてきたURL、しかも僕達なら忘れもしないアドレス名に驚いた。忘れもしない、僕達があの世界に『導かれた』きっかけになったアドレス...そのアドレスが貼られていたサイト自体はもう無くて、代わりに導かれた仲間が開いていた小説の運営としていた掲示板に、また出会った時の合言葉として決めていた合言葉を入れる場所があった。その合言葉は『ドリメ事件』で、その小説内では『ドリム事件』として名前が変わってた。

 それは今は良いとして僕は今、何もない真っ暗な空間に放り出させれて、どこかを彷徨い走ってる。だけど、本当に走っているのかも不安になってくる。だって、走ってるなら地面の感覚があるけれど、全くそれは感じないから。もしかしたら僕は真っ暗な空間でバタ足をしているだけなのかもしれない。一番にいま自分の身体がどうなっているのかも確認ができない。
 真っ暗というより、この場所は真っ黒。上も下も、右も左も、前も後ろも全部真っ黒。ある筈の手を顔に持っていこうとしても、感覚が無い。動かしている感覚はある、けど何も感じ取れない。それに一番の気掛かりなのはスイレン、サクラちゃんの安否がわからない事...。
 僕がこんな提案したばっかりに危険に巻き込んで、或いはサクラちゃんは辿り着く事が出来たかも分からない。ああ、こんな事をしなければ...あんな事を提案しなければ...こんな事には.........。



ーーーーー

Location ???


 .........あれ...ココは...ドコ?

 四足に全く...力が...入らない.........。

 確か私は.........あれ、何をしてたんだっけ。覚えてない...。

 ...覚えてるのは、私の種族、そしてこの空気と言うか草木の香り。なんだかとても懐かしい気がする...。

 前に嗅いだのは...いつだったけな.........近いようで遠い、そんな感覚。ダメ、思い出せない...出掛かってるのに...。



...た! ...じ...ぶ!?



 あ...れ? いま何か聞こえた気がする...いや、気のせいじゃない。何度も聞こえるし、私の身体を揺さぶってる...起こそうとしてる?



 ...ノ...っ! ...を......つれ.........きてっ!!



 誰かを...呼んでる...?
 分からないけど、そんなような...気がする...



 ...聞..る? ...えた.........動ご...て?



 ...聞える? 動かして...って言ってる?
 なら...伝えなくちゃ...意識が...あるうちに.........動いて、動いて私の手足!!



 ...っ!? ...てる! ...き.........るわ!



 良かった...気が付いて貰えた.........。
 にしても、ぎこち無いけど動かせるようになってきた。あとは耳が聞こえれば.........。



 ...とに!? ...たら......やく...病院...ちゃ!



 流石に連続とまでは...無理だよね......。
 ...あぁ、なんだか落ち着いたら急に意識が...もた...な.........

ティア ( 2017/09/01(金) 11:43 )