干渉
Side ???
マジか...コイツ、本当に使いやがった...。どうする、こんな状態じゃまともに連れて行くどころか、怪我じゃすまないことになる。こんな事になるなら、あんな事をするじゃなかった...だが何故だ、他の実験体ではこんな事には成らなかった筈だ。上は効果なし、下はギリギリ自我を保っていられているラインだったにも関わらずコイツは...コイツの身体の中で何が起きている?
「がぐぅぅぅるるるるるる.........」
一つ良かったことと言えば、何故か退化して小さくなった事で迫力が無くなっている事くらいだが...ホントかコレは。っと言うか何故退化した、この薬品には退化を促すような成分は何一つ有る筈が無い。この俺様が作ったんだ、ちゃんとモノは確認していた、量は目分量っと言うのがあるが...そんな事でこうなるとは思えん。そうなると媒体が必要となるが...行けるのか?
場合によってはあらぬ方向に特性ベクトルが上がってる可能性だってある。それに俺が使ったのは強心剤みたいなものだ。っとは言っても、心臓強化の他に血管や血圧を調整するものも含めて、心臓の機能不全を回復させる薬剤の総称だ。普通は中枢神経および心臓に作用するカンフル、カフェイン、コラミン類や冠状動脈に働く心臓ホルモン。後は心臓の働きを良くして末梢血管を拡張するイソプロテレノール、アドレナリン、下垂体後葉ホルモン。後は心筋と迷走神経に特殊な働きを示すジギタリス類、に分けられる。その中でも俺はカンフルやカフェインに、ココで作られた汎用性の有る薬品を混ぜ込んである。
一言で言うと、物自体は毒じゃない筈なのに種族によっては毒らしく、自我が保てるギリギリの所まで苦しみ落ちる奴が出る。今回だって全く調合を間違えていないし、前に同じ種族系統に試した時もこんな事には成らなかった。そうなると...やはり、コイツの身体に覆す何かを持っている可能性がある。が...
「...未知数なんだよな。ちょっと何か長い棒か何かは...お、掃除用モップがあるか。ちょっとコイツで.........ひっ」
辺りを俺は見まわすと、少し離れた場所に清掃用のロッカーを見つけて扉を開ける。すると色々あったが、目に付いたのは太くて長いモップ...俺はそれを握りしめ、恐る恐る先端をそれに近づけた。するとコイツは、近づけた棒をまるでお菓子のように齧り付いて噛み砕き、俺は後ずさり...いやいや、おかしいだろ!?
齧り付くならまだしも、もうスペースの余裕が無い口で噛み砕くってどんだけのパワーだ!?
「がぐぅぅぅるるるるるる.........」
「あはは、これは手に負えねぇ...。しかもよく見れば鉄柵も結構に齧られてるな.........隔離しないと駄目だなこりゃ」
ーーーーー
Location ???
...ここなら、大丈夫かな?
うん、大丈夫。誰も居な...いや、誰か来る!
ええっ!? は、早く中に!
...バレて、無いよね?
...うん、通り過ぎてった。それにしてもこの感じは久しぶりナノ。
だね...あの時はダークライの近くに居ないのに、側に居るような殺気があって、生きた心地しなかったけどね.........。
私はそれより周りの音に耳を立てるのと、倒れたアーちゃんリトちゃんを落とさないようにしたから、あんまりそんな感覚は無かったかな?
そっか...
うん。あっ、えっと...そろそろ行こ? 時間掛けすぎると心配掛けちゃうから。
そうだね。それじゃあ...準備は、いいね?
うん、いつでも行ける。頼んだよ。
じゃあ、行こうか.….....
また、ポケモンの世界に!