行方
Side シルク
アーシアちゃん...一体どこに行ってしまったのかしら...。もうずっと胸の高まりと言うか、押しつぶされるような感覚がずっとしていて、冷静な判断も出来なくなりそうね...。
ライトさんとウィアちゃんに関しては予定日を超えてついさっきに帰って来た。けれど、二人の身体はかなり闇に飲まれし者に染まりつつあって、なんとか自我を保ている状態。今はシャイン君が見つけてきた闇に飲まれし者に対する対抗薬品を改良した物を二時間おきに飲ませている。かなり強力な代わりに、何故か起きた副作用に二人を苦しませてしまっている...。
その対処と言うか介護をフィリアさんと戻ってきたギラファさんに任せつつ、私とレイエルにモルク君、そしてリーフさんでチームを作って特別許可でワープをして、虱潰しに調べて行った。本当ならミウちゃんやシードさんに協力を要請したかったけれど、何故だか関与出来ない等と二人すら焦っている状況だった。そもそもにアーシアちゃんがこの世界に留まり続ける事が出来る法則が不可解な事も言っていた。
法則...私がココに要られるのはシードさんの時渡りがあってこそで、未来に訪れているだけ。対してアーシアちゃんは私達ポケモンという存在がゲームやアニメだけの仮想生物で、アーシアちゃんはこの世界にイーブイと言うポケモンという姿で存在をしている。それを初めて聞いた時は驚きを隠せなかったのを覚えているわ...。
何故なら私みたいなら時間軸を変えたならまだ分かるけれど、世界軸を超えてアーシアちゃん達、導かれし者達と言う人間達は導かれて、ポケモンに変身してこの世界の危機を救った。ミウさんはタイムパラドックスや干渉と言うレベルを結に超えてるって話していた。確かにそれは頷ける事だったわ。
「...シルクさん」
「あっ、ごめんなさい。先を急ぎましょ」
ふとリーフさんに声を掛けられて、私の意識は現実に引き戻された。今は付近のダンジョンを虱潰しに攻略して、調べ回っているところ。多分だけど、いま攻略しているダンジョンを含めると今日で三つか四つ程を攻略しているはず...中々に身体への負担が大きい。攻略後は一回休憩したほうが良いかもしれないわね...。
「は、はい。けど、その...急ぐには変わりないのですけど、シルクさん...自分に対して大きな後悔をしていませんか?」
「後悔...そうね、してないってなったら嘘になるわ。私が用意に関してもっと早く終えてればアーシアちゃんが襲われて、連れて行かれる事なんか無かった筈なんじゃないかって...」
「それを言ったら、私だって落ち度があります...。ちょっとだけギアの管理をするモニターから離れた、ほんの数秒の間にバイタル異常とギア破損警告を確認が出来ていればって。だからシルクさん、決してシルクさんのせいじゃないんです。悪いのは問題無いと高を括っていた私のせいだから.........いえ、こんなところで立ち止まっている訳にはいきませんね。この身に変えてもアーシアさんを見つけて、無事に連れて帰らなきゃ」
「リーフ...そうね、わたしも同じ気持ちよ。起こってしまった運命は変えられない、なら最悪なケースになる前に事を解決するまで...よね。こうしているうちにアーシアちゃんが苦しんでるかもしれないから」
「はい、行きましょう」
「ええ」
止めていた足をまた動かして、私とリーフさんはダンジョンの最深部へと歩みを進めていく。周りに警戒を尖らせて、何か起きた時に備えて冷静に対処が出来るように余裕も持たせておく...こんな事は、私たちの時代じゃほぼ養われる事は無かったと思う。それにこの時代は高度な技術を持っているのにも関わらず、人間が居る世界のように工業地域でも環境汚染の原因となるガス等は排出されてなくて、ほぼ自然エネルギーで全てを賄っている...。
それに良い人も多いし、闇に飲まれし者を除けば口論や喧嘩は自然界の掟にあった戦闘で白黒を付けてる。ドリームメイカーズのようなカンパニーはあったけど、私はこの時代が第二の家って思ってる。そして...アーシアちゃんが過去を投げ捨てて、自分を捨ててまでも守りたいと思った場所.........。
アーシアちゃん...どこに居るの.........?