ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石











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Chapter 02
迷い者
Side ???


「...例の者。捕まえられたのか?」
「は、はいゼロ様! 間違い無く、あの事件の首謀者とされた人物です!」
「確かに首謀者とされているが、本命の首謀者はあの科学者だ、そこは間違えるな。そんな事も分からないで探していたのかお前らは...呆れを通り越して馬鹿にしているとでも取れる」
「そ、そんな事は...」
「分かってる、ちょっとからかっただけだ。それはともかく、お前たちには凄く俺は感謝しているのだ。弱ってる私の足となり、色々な情報を集めて来てくれる。それにこの情報の事もお前たちが拾ってきた事だ。この憎き奴らの中に、その世界に戻らなかった奴が居ると。それがいま、私の目の前にある。 ...しかもだ、コイツとは交えたことは一度も無いが、新しい身体に一番に適応していたと聞いている」
「ゼロ様の言う通り一番に適応し、扱える技も一番多かったと聞きます。しかし何故そんな事が出来るのかと...」
「それを今から調べるのだろう? 結果の方を楽しみにしているぞ。さてと、ちょっと確認したいことがあるから席を外してくれるか? 済んだら呼び出す」
「は、はい! わかりました!」
「.........はぁ、状況把握力も流石と言ったところか。おい、とっくに意識を覚醒して居るのは知ってるぞ?」

 私はゆっくりと立ち上がり、鉄檻の中に横たわる奴へ聞こえるか聞こえないかギリギリの声量でそう問い掛けた。すると身体をビクッとさせ、ゆっくりと起き上がると俺の目を見据えた。真っすぐと見つめて何か吹っ切れたような感じだが、身体はたまに震え、尻尾は身体に巻き付いている。確かに、コイツを見ても生まれはココだったと思わされる。
 さて、観察はこれくらいに質問に入るとしよう。あんまり長く話し込んでいると、普通にあの馬鹿どもは返ってくるからな...。

「...あ、あの。なぜ私はこんなところに...」
「そんなの簡単だ。新しい身体に一番対応して、尚且つお前だけ帰らなかった。目的は何故かは知らんが、正義感のあるお前は根本的な問題が解決出来てないから帰らないとでもしたのだろう。苦楽をともにした仲間を見捨ててな」
「み、見捨てた訳じゃ...」
「じゃあ何故ココに居る。拉致される事を予測は出来無かったのか? こんな貴重な研究材料を捕まえる奴が現れるとは思わなかったのか?」
「そ、それは.........」

 ...なるほど、返す言葉が見つからないというところか。だがある程度は予測はしていたらしい。けど本当に拉致されるとは思っていなかったと...ほう。

「まぁいい。それでお前はどうしたい」
「えっ? えっとー...その.........」
「まぁ答えは逃げたいだろうな。だがそれはお前の行動次第で変わる。コチラが出した要件を全て、迷いも偽りも無く実行してくれるならば...そうだな、おまえの仲間にも手出しはしないでおく。どうだ、お前も助かり仲間も助かるいい案だが?」
「...ぜ」
「なんだ? 聞き取れなかったからもう一度だ」
「...な、何故そのような条件を出して下さるの...ですか?」
「そんなの簡単だ。俺はただ単にお前を調べたいだけに拉致した。それ以上でもそれ以下でもない」
「えっ、でも今...仲間にも手を出さないって.........」
「研究中にその材料を連れ去る可能性があると踏んで出した事だ。さて、お喋りしすぎた。それでお前はこちらの要件を飲むのか? それとも.........」
「そ、それは? ...きゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!??」

 俺は懐からリモコンを取り出し、捕まえている檻に向けてボタンを押しこむ。最初は何も起こらずにコイツは疑問の顔をしたが、その数秒後には悲痛の顔。ふふ、なかなか良い顔と悲鳴をするじゃねぇか。

「...こんなもんか。まぁ、どちらにせよお前には選択肢はない。痛めつけながら調べを受けるか、それを無しに素直で受けるかだ」
「う...がぁ.........」
「あぁ、因みに今やった事は檻に対してリモコンで電撃を流すスイッチを入れただけだ。元々この檻は獰猛な暴れ者を捉えておくやつでな...今だと闇に飲まれし者を誘き寄せて捉える為に使われる電撃搭載付き拘束用鉄檻だ。全くこんなを作ったやつの顔が知りたいものだ。こんな個人に対しても売るあたりただもんじゃねぇ」
「あっ...あぁ.........」
「おっと、少しばかり強すぎたか。だが連れて行くのには手間無くて良いか...ん、やっぱり来たな。入っていいぞ」

 ノックの音に気が付き、俺は中へ入るように促す。入ってきた奴は紛れもなく先程に部屋から退席させた部下だ。

「ゼロ様...も、もしかしてスイッチを押したのですか?」
「ああそうだ。後ろを向いた途端に攻撃をしてこようとしていたのでな...止む得なかった。だが死んではいないから安心しろ。取り敢えず、コイツの調査を早く終わらさてくれ。俺はしばらく寝る事にする」
「は、はい分かりました! あ、檻の放電はやってありますでしょうか?」
「あ、やってない。すまぬがやっといてくれ」
「かしこまりました。では結果が分かりましたら起こしに参ります。では、失礼致します」
「おう」

 そう言うとゴム手袋を嵌めて、檻を押して部屋を出て行った。それを見送り、部屋を出たのを確認したあとに、俺の今いる部屋から続く隣の部屋に入り、中にあるベットへ腰を下ろした。そこから背中から倒れて...俺は.........

ティア ( 2017/07/07(金) 13:58 )