闇の向こう
ー前書きー
超会話回です。しかもIT系の言葉が若干入ってるけど、そこまで難しいのは使ってないし...大丈夫なはず!
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Side ウィア
マスターを止めてから数日、リミット的にもう限界で最後の巡り合わせが来てしまった。寝る間も惜しんで、マスターに隠れて調整して来たけれど、成功確率は五分五分まで上がった。最初よりは遥かに確立は上がっているけれど、今度は巡り合わせという線なようなものの先っぽのようなところだから、数日前よりも反応が弱くなって難易度が上がっている。
これが数日前に調整が終わっているとしたら八割の成功率を出せていたとなると、もっと早く、もっと時間を取らなかった私のせいですね...。どちらにせよ、マスターが確率をうっかり口走ったのも前日でしたし、無理ですしたけど...。
「ウィア、そろそろ最終調整行くよ」
「了解ですマスター。 では、エネルギー注入開始。現在出力は10...20...30...40...50...60...70...80...85...90...94...98...99。グリーンライン、エネルギー効率99.99999%へ到達」
「フライホイールをメインへ直結してエネルギーの加圧を開始。対象物と巡り合わせとのリンクを開始」
「了解。対象物パルスの出力増大、巡り合わせとのリンク強度をレンジアップ。調整が終わり次第にポータルオープンし、通り抜けるまではオートコントロールに委ねます」
「了解、後はズレを極限まで手動調整を開始。現在ポイントは5...3...1...-2...1...0.3.........許容範囲突入。オートコントロールのレジストリへオーバーライド」
「オーバーライド確認しました。ポータルオープンまで残り8秒前...5...4...3...2...1...ポータル開通。コントロールをオートパイロットへシフトします」
「シフト確認...ふぅ、ここまでは何とかなったね。あとはこのポータル、人口の次元の狭間へと飛込むだけ。数値も嵐の前の静けさのように驚く程安定地を叩き出してる」
「確かに機能の最終確認で50ポイント近くで、今では70ポイント強まで上がっている...最高数値、ですね」
「だね、あの時ウィアが止めてくれてよかったよ。本当にありがとね。でもまぁ...抱き付かれた事にはびっくりしたし、ちょっとドキドキしたけどね」
「あわわマスター!? その、思い出させないでください!!///」
「あはは、ごめんごめん。けど、こうやって出来る時が来るなんてね。実言うと、ウィアがこっちの世界に来て僕と一緒に居るってどうなんだろう、どんな気持ちなんだろうというのがあったけど、なんと言うか妹みたいな感じなんだなって」
「妹...じゃあマスターは、マスターであり私のお兄ちゃんなんですね?」
「そこは照れないんだ...。それと、流石にお兄ちゃんはやめてくれる? 色々と社会的に問題あると思うから」
「社会的に...例えばですと?」
「...自分で考えて。そんな事より、そろそろ出発するからこっち来て。ボクが良いよって言うまで離れちゃ駄目だからね。それと、僕達の目標は闇に飲まれし者になる前に調査を終えて、次元の狭間の世界から抜け出す事。時間制限はだいたい丸3日で、進行具合によって日時は変更する...とにかくロスや、一番に生半可な意識で行かない事。いいね?」
「はい、向かう心の準備はとうに済んでます。マスターが行くところならどこまでも、そしてお守りしますから」
マスターは電気技が未だ後遺症で使えない...私はそれを補う為に、マスターが寝静まった頃を狙って自主練習をしていた。その自主練習で一部の例外はあるけれど、電気タイプに属する全ての技を扱えるように...なったは良いですが、使うごとに自分まで若干のダメージと、蓄積されると麻痺になってしまう。
一応通常技としてアイアンテール、電光石火、守る...マスターと被ってるけれど、被ってるからこそ良いことだってあるはず。
「ウィア、聞こえてる? 行くよ?」
「はい、マスター」
出された左手に私は強めに握り返して、マスターの横に並んで装置の前に立つ。暫く間を開けて、マスターが深呼吸をした後にカチッと乾いた音が部屋に響き渡る。
その後に進むよとマスターの声に頷きながら一歩、一歩と歩を進めて装置の中へ片足を入れる。途端にゾワゾワと蝕まれていくような感覚がして引っ込めそうになるけれど、耐えて装置の中に両足を入れ、脳まで蝕まれる感...覚と.........。