ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石











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Chapter 00
招かれざる巨躯
Side アーシア


「...さてと、そろそろ抜けられるかしら。けど、気を抜かずにもう一回層行くわよ」
「あれ? ココって三回層じゃなかったでしたっけ?」
「そうなんだけど、ちょうど半年前かな...なんか階層が増えてたんだよね。コレと同じよう事が何処のダンジョンでも起きているようで、その原因追求の為にギルドが人員募集を掛けたんだ。僕とレイはそれを見たのもあったけど、やっぱり見逃せないと思って入団したわけ」
「とは言ったものの、ランクは下から三番目のシルバーだから深く調べられないのよね。ところでアーシアちゃんはランクどこ?」
「わ、私はプラチナランクです...」
「プ、プラチナ!? プラチナって...僕達より二つ上だよね!? あれ、ちょっと待って仲間は...?」
「あっ、えっと...そのぉ.........さ、最初から私だけです...」
「...ちょっとアーシアちゃん? 何でそんな事になっているか、しっかり説明してくれるわよね?」
「ひぃっ!?」

 ちょ、ちょっと待ってレイエルさん顔が笑ってない!?

「レ、レイ! 怒りたいのは分かるけど気を沈めてっ!!」
「いや、今日という今日は二度と無茶をしないように身体で覚えさせてやるわ。覚悟は良いわよねぇ?」
「レ、レイエルさ...ぐ...ぁ......」
「ちょっ!? 電気ショック!!」
「ひゃっ! ...痛た、助かりましたモルクさん......」

 ...前に受けた時はそこまで苦しくも、痛くも無かったのに、やっぱり闇タイプになっちゃったせいかな...凄く痛い...。けど、そんな事よりもレイエルさんが怒るのも当然かもですね...。
 ソロだと複数相手の場合の危険性と、何かあった時に何も対処が出来なくて、しかもギルド側は危険信号を出している。一時期ソロに対して強制的な受注不可能や、組み直しの場合は最初からのランクのところを、組んだ人の中で一番下のランクで合わせる等の事があって急激に減ったらしくて、確かソロは私と数えるくらいしか居ないのだとか。

「...はぁ、そう思えばアーシアちゃんはそういう人だったわね。でも、なんでソロでやってるのよ? ギルド側から何度も通達があった筈よ?」
「...怒られ覚悟で全部お話します。私はあの事件が終わってから装置を動かすまでの間、エレナさんのカフェを手伝いながら、休日は独自調査してたんです。侵入レベル問わずのダンジョンの状態観察と潜入、闇に飲まれし者の状況と観察、アルトマーレの地下探索とシルクさんのチームで起こった霧の再現、ドリームメイカーズの工場だった場所...あらゆる場所を調べてました」
「えっ、そんなに調べてて時間は...」
「その時はミュウさんと、セレビィのシードさんと言うお方と共に行動していたのです。ミュウさんは変身で状況対応と移動、シードさんは時間操作で歪みが出ない程度でタイムスリップをしてくれました。多分、今ならお呼び出来るかと.........」

 私はいつも通りに前足を蹴って立ち上がりながら目を瞑り、ミュウさんとシードさんを思い浮かべて、空いた両前の手を胸に当て、心の中で二人の名前を呼んだ。その数秒後に緑色の眩しい光と、白色の眩しい光が目を瞑っていても感じ取れて、収まった辺りで目を開けた。
 すると、そこにはいつもの様にミュウさんとシードさんが中に浮かんで、私の事を見ていた。けれど、いつもとはちょっと違うのはシードさんがレイエルさんとモルグさんを見て、一瞬だけ驚いた顔をした事。そう思えばちゃんと説明をしてなかったですね...。

「...ふぅ、久しぶりレイエルさんにモルクさん。この様子だとアーシアさん、レイエルさんに問い詰められてバラしちゃった感じですか?」
「うっ、ストレートに言わないで下さいよ...」
「まぁいつかはバレるというか、言わなきゃとは思ってましたけど。取り敢えずは、君達がレイエルさんとモルク君だね? 話はアーシアさんから聞いてるよ」
「まさかセレビィとミュウとチームを組んでたとわね...えっと、シードさんでしたっけ? 初めまして、僕の名前はモルクで、コッチはレイエル」
「初めましてよ。簡単にアーシアちゃんの口から聞いたけど、調べてたってホント?」
「はい、調べてました。でもその話を持ち掛けたのは私達からなんです」
「実言うとアーシアさんは本当に世界へと影響が無いのかの観察を兼ねて...だったのですが、いつの間にかにそんな事を忘れて、色々なところを見たり、観察したり、時には闇に飲まれし者を捉えて行動、思考、直せるかどうかとか、そしてダークアイテムと言われるレイエルさんが所持していたオカリナや様々なアイテム、及び異国の技と分類された物との関連性など、シルクさんが纏めた以上に僕達は調べてたんだ」
「ん? シルクって...あのシルクよね?」
「あれ、シルクさんの事を知ってるの? ...あぁ、なるほどね。確かシルクさんもDM事件の解決者なんだっけね。一応僕の事を詳しく言うとしたら、シルクと同じ時代である二千年代のから出身だよ」
「二千年代って...今からか計算するに五千年前? けど、そんな人が何でこの世界に居るのよ?」
「なんでって...さっきも話した通り、観察だよ。他に言うならば、他のセレビィ経由で僕に伝言が回ってきた感じかな。まったく、直接言ってくれれば良かったのに」
「あの、それってどんだけ骨が折れるかって知っていて言ってますよね? 他のセレビィを探すだけで一週間も探し回ったのですからね? 貴方達は時の回廊を開いたら直ぐに閉じて遠くに行ってしまうし、開いたのを感じ取っても...って、なにか来る」
「へっ? な、なにかって?」
「...分からない。でも、確実にコッチへ向かってくる」

 分からない何か...そう言われて辺りを見渡したり、気配を感じ取ってみても、何も感じ取れない。けれど、ミュウさんがそう言うなら何処かに居るって事ですよね?
 私はそうだとして、スピードスターを身体の周りに停滞させ、いつでも発射できる体勢で構えた。それを見て、レイエルさんとモルクさんも構えて、シードさんもリーフストームを使える様に構えていた。因みに立ち方としたら、背中は任せるような感じで五方向を見てる感じ。
 それから数秒後くらいだった頃、近くの草むらがガサガサと音を立てて揺れ、ミュウさんが感じ取った強い気配の正体が明らかになった。それは色味が黒いバンギラス...って、あれ?

「ま、まさか...あの時の.........」
「あの時の...って、まさか!? 三年前のこの場所、四苦八苦して戦ったアイツって言いたいの!? でもアイツは...フィリアとリファルに...」
「えっ? えっ? あの、一体どういう事ですか?」
「...ミュウさん。私達は前にも、このバンギラスと対峙した事があったんです。忘れもしない、凶悪さと化け物じみた耐久力...でも、今の私達なら戦える筈!」
「ほ、本気で言ってるの!? このバンギラス、明らかにパターンが違う!」
「確かに...同じ闇に飲まれし者と考えていたら、命がいくつあっても足りない。けれど、今やらないと私達以外の誰かが危険な目に合っちゃいます」

 前は全く動けなくて、第一に怖くて何もする事が出来なかった。でも今なら違う、あの時と比べてかなり強くなったし、気を抜かない限りは大丈夫...かな?

「シードさんにミュウさん。このバンギラスは、今まで戦っていた闇に飲まれし者とは違う。技は一つ一つ狂気的だけど、大振りで隙もあるので、そこを狙えば大丈夫な筈」
「僕とレイは、色んな所で暴れている闇に飲まれし者を止める為にギルドに入ったんだ! ココでやらなきゃ何の為に今まで頑張ってたのか分かんなくなるよ!」
「確かに、そうね! あの時は何にも出来なかったけど、強靱な敵に対する戦い方は、しっかりとリファルに教え込まれてるわ!」
「これだけの気迫、あの時以外に全力は出してませんでしたし、久々に本気出させてもらいます。もちろん、危ない時は全員を安全にテレポートさせる事も考えて戦いますが」
「...はぁ、分かったよ。皆みたいに特別な力は無いけれど、全力で戦いますよ!」

 ちょっと最初は不安だったけど、皆の意思は固まった!
 後の時の最大な原因は、そもそもに力が無かった事もあったけれど、意思がバラバラで、恐怖に押し潰されていた事が原因だった...でも、今なら違う!

「もう...あの時のような私達じゃない! 行きますよっ!!」

ティア ( 2017/02/07(火) 17:40 )