ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石
Prologue
仲間って
Side アーシア


「...にしても本当に久しぶりねアーシアちゃん。まる二年程全く連絡が不可能だったし、何してたのよ?」
「あっ、えっとー...」
「...レイ、別にいいんじゃないそんな事。こうしてまた出逢えたんだから」
「まぁ、それもそうね。けど話したくなったら話してよね。 ...さてと、アーシアちゃんこのあと時間ある?」
「ありますよ。今日はコレで依頼は全て終わりましたし」

 今日の私が行う依頼は、さっきの方を捕まえる事の他に二軒あったけれど、この緊急依頼を受ける為に他の人に回しているから平気。にしても二年間連絡不可能って...そんなに経ってたの?
 わたし的にはほんの数日前のような記憶だし...でもなんだろ、確実に何かはしていた気がする。でも思い出せない...なんだったっけ......。

「アーシア?」
「あっ、なんです?」
「考え事してたからどうしたのかなって」
「特に深い意味は無いですよ、たぶん。ところで時間があるかと聞いたって事は、これから何処かに行くのです?」
「ええそうよ。久しぶりにシチューでも食べに行こうと思ってね。予約は二人分にしちゃってたから向かいながら連絡するわ」
「エレナさんのところですね? 暫く会っていなかったので、少しお話しできるの楽しみです。当然、シチューもですけどっ」
「美味しいからねー。レイとは結構色んな場所で食べたりする事が多いんだけど、結局はエレナさんのシチューが一番おいしいと感じるよ」
「アタシもそう感じるわ。じゃあ電話するから少しだけ静かにしててね...もしもし?」
『あら、レイちゃんじゃない。どうしたの?』
「えーと、いきなりなんだけど一人追加って行ける?」
『ちょ、ちょっと待って...うん、ぎり行けるわ。それで追加の人は誰?』
「アーシアちゃんよ」
『...アーちゃん!? ホントに!?』
「嘘言ってどうするのよ...それに、いまお店の中なんじゃないの?」
『そうだけど、特に無問題よ。それじゃあ来るのを楽しみにしてるわね』
「ええ、コチラこそ...お待たせ。変更出来たわよ」
「あれ、案外あっさりだったね。ところでなんか言ってた?」
「アーシアちゃんを追加って言ったら喜んでたわよ。確かしばらく厄介になってたんだっけ?」
「はいです。カフェの手伝いをミミアンさんやリッカさんとしたり、お家の中で過ごしたりしてました」

 それに関しては懐かしいですね...そう思えば、転送装置を使う前にミミちゃんに対して、私はアッチの世界で逢おうねと言ったけど帰らなかった。しかもウィアちゃんが言うには、私がこの世界に留まる事を誓ったせいで、人間ではなくてポケモン世界の住人になっちゃったらしい。
 でも私は悲しむ事も、悔しがる事も、起こる事も全く無くて、それで良かったと思ってる。元の世界では一応友達も居たけれど、深い関係は持て無かったし、毎日退屈だったし、趣味のネットサーフィンやポケボードで同じポケモン好きとチャットで話すだけだった。父も母も私に対してあんまり興味が無いようで、会えるのは一ヶ月に一回あるか無いか。身の回りの事は勿論の事、ご飯、洗濯、掃除、全て自分一人でやってきた。当然出来たからって誰も褒めてくれない、それが当たり前だとずっと思ってた。
 けどこの世界に来てからは、特にエレナさんの家で暮らしていた時は出来る事に褒めてくれたり、自分が作った料理に対して美味しいとか、ちょっと塩っぱいよとか、リアクションがあって嬉しかったし、話しながら食べるのかこんなに楽しいだなんて改めて実感する事も出来た。
 でも一番良かったと思ったのは、苦楽を一緒に乗り超えてくれる仲間が居たって事。楽しい時間を共有して、辛い事があったら気が付いて相談乗ってくれたり、戦闘に関してそれも言えた事。だから私は色んな事を教わったコノ世界に、仲間に、恩返しみたいな事をしたかったのかもしれない。

「...ん? どうしたの立ち止まって」
「...レイエルさん、モルクさん。改めましてだけど、私の友達...ううん、親友になってくれてありがとっ」
「え、急に改まってどうしたのアーシアちゃん」
「えへへ、なんでもないですよっ。ただ、その、言いたかったから、かな?」

ティア ( 2017/03/16(木) 12:59 )