ポケットモンスターズファンタジー 彼女の願いと一つの宝石











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Chapter 00
変わった事、変わらない事 - 前編
Side ???


「タイホノキョウリョクカンシャシマス。サスガ、ワズカナキカンデプラチナクラスマデノボリツメタダケアル」
「気が付いたらこうなっていただけですし...ランクなんてただの飾りですよ」
「ソレハソレハタクマシイカギリデス。トコロデホウシュウノケンデスガ、イツモドオリゼンガクギルドニワタシテモヨロシイノデスカ?」
「あー...はい、いつも通りに全額渡してください。では次があるので、私はもう行きます」

 報酬...今回は少しだけ受け取ろうかなと思ったけれど、やはりいつも通り受け取らないことにした。因みに報酬というのはポケという、この世界では共通のお金のこと。元の世界、実言うと私はこの世界の生まれではないのだけれど、私の世界では国ごとにお金の単位や種類があって、この世界のように共通で一種類だけではなかった。
 もっと言うと国ごとに衣食住や言葉、価値観までもが全て違っていたけれど、この世界...ポケモンの世界ではそのような境界線など存在しなかった。だからこそなのかな...この世界を救いたい、元の何事もなかった世界に直したいと願って、この世界に留まることを望んだのは...。

「ア...マッテクダサイ、サイゴニヒトコトダケイイデスカ?」
「ふぇ? あ...うん? えーと、どうしました?」
「ソノ、アナタホドナラモンダイナイカトオモイマスガ...サイキンキカクガイノトラワレシモノヲカクニンシテイマス。データガスクナクキケンナノデ、キオツケテクダサイマセ」
「...場所は?」
「モウシワケアリマセンガ...イマノランクデハテイジフカノウコウモクデス。ダイアモンドランクカラトキツクイワレテオリマシテ...」
「...そうですか」

 今のランクでは提示が不可能で規格外な"闇に捕らわれし者"か...やっぱりもっと大きな影響力がある捕らわれし者の情報を得るためには、まだまだランクが足りない。私は何としてでも、この世界に蔓延っている危険な存在を全部討伐しなければならない。
 いや、しなければならないというより、絶対に成し遂げると決めた私自身の大きな目標。だから叶えなければならない絶対事項として、日々ダンジョンや依頼をこなしながら討伐を私は行っている...。
 正直、どのくらい時間が掛かるかなんて分からない。かれこれ...あれ、多分二年か三年くらい活動を続けても減る様子は全くない。

「ジバコイルさん」
「ン、ナンデショウカ?」
「えーと、私が今までに討伐した"闇に囚われし者"やお尋ね者って総計って分かります?」
「ソウケイ...デスカ。オタズネモノハ...ブショニモドラナイトワカラナイデスネ。トラワレシモノナラバ...シツレイ、フムフムフム.........ケイソクカイシビガフメイニナッテイマスガ、ソウケイデ百七十五デス。...百七十五!? ア、アーシアサマ...アナタサマハ...ホントウニアノユメヲカナエルオツモリデ...」
「...おい、いつまで待たせやがる」
「あ、ごめんなさいもう行きますので。では、後はお願いしました」

 175体の討伐...まだまだそんなにしか倒せてないのね...。倒しても倒しても、やっぱり一人だけの討伐数じゃ目標達成は難しいかもしれない。そんな事を考えているとジバコイルさんに繋がれたお尋ね者、現に私が先程に捕まえた窃盗容疑になっていたザングースさんがやじを飛ばしてきた。
 確かに少し立ち話をし過ぎましたかね...私はそう思いつつ、足早にその場を立ち去るためにジバコイルさんと捕まえたザングースさんにも一応、待たせてごめんなさいの意味をこめて少し会釈してから次の依頼へと向かった.........

ーーーーー
Side ザングース

「では、後はお願いしました」
「カ、カシコマリマシタ。ナガクマタセタナ、イクゾ」

 ...なんなんだ、あのブラッキーは。捕まえてきた俺に対して会釈だと?
 それにアイツと戦っていて、今まで俺を捕まえようと挑んできたやつで一番の変わり者だ。今まで戦ってきた奴らは全員、血の気の多いというか、自分の欲望を丸出しに挑んで来たやつばかりだった。俺を捕まえればランクが上がるだの、特別報酬が出るだとか、クソみたいな考えしか持ってねぇ。
 けどアイツは...あのブラッキーだけはそんな考えなんか持ってなかった。純粋な強者に対して戦いを交えられるという、混じりけの無い闘争心。そして闘争心に見え隠れする礼儀の正しさ...最初こそ俺はただ単にねじ伏せるだけを考えていた。けど終わりの頃は、俺の心では戦闘を楽しんでいた...なぜだか分からないがコイツの言う事なら信じられると思っちまった。
 だから俺は...負けを認めた。言い包められたと言われたらそうだが、なぜだか悪い気は全くしなかった。寧ろスッキリとした気持ちが勝っている。

「...オイ、ドウシタ? ハナシハモウオワッタゾ?」
「あ、ああ…。なあ、一つだけ質問いいか?」
「ニガシノソウダンナラウケツケナイゾ」
「そんなのとっくに諦めてるつーの。これ以上罪を重くしたくない、アイツの言葉を信じてみたくてな」
「コトバデスカ?」
「あぁ。あいつ、お前が来る少し前にもう一度戦いたいと言いやがったんだ。最初は喧嘩売っているのかと思ったが、目が本気だった。それにあのブラッキーと戦っていて、なんだかな...俺は何していたのだろうなと思うようになった。なあ...ジバコイル、あのブラッキーは何もんだ?」
「アノカタノコトデスカ。ヒトコトデイウナラ...DMジケンノカイケツシャデアル、アーシアサマデス」


■筆者メッセージ
2020/08/12 - 誤字脱字の修正と文字数の増加
ティア ( 2020/08/12(水) 08:33 )