寝て起きて
「えっ、レミさん一緒に行かないんですか?」
「はい、私は私で情報収集したいので。 それに、一緒に行動するって言うのが慣れて無くて」
「まあ、それなら仕方ないわね。 こっちはこっちで合流するから、何かあったら連絡飛ばして」
コレは少し前の事。本当だったら私はアーシアさんとレイエルさんと共にある人と接触する予定だった。けれど、そのアル人の名前を聞いて行かないことにした。会いたくも、顔も見たくないアノ人...
「きっ...」
「ど、どうしました?」
それにしても、よく酷い事されたのか言われたのか分からないけど、どうしてアーシアさんは会おうという気になれるのかしら...矛盾してる。
それに、レイエルさんの話が本当なら『言い間違い』ってどういうこと?わざと?それとも反応を見て遊んだ?だとしたらもっとイメージダウン。声も聞きたくない。
「あっ、いいえ。なんでもありません。 じゃあ、私行くので...レイエルさん、ちょっと耳を」
「...え、な、なに? あ、内緒話ね」
「はい。 えーと、{男ならしっかりとアーシアちゃんを守りなさい}...って、モルクに伝えて下さい」
「...わかった。しっかりと伝えるわ」
「?」
「じゃあね、アーシアさん。 ...ふふ、また何処かで」
「っ...///」
遊び半分でアーシアの軽く頬にキスし、逃げるように私はナルトタウンのギルドの大階段を駆け下りて、隣町の『エルドタウン』という小さな町に向かうために町の中心部を目指した。そこからバスに乗ってナルトタウンの西地区に向かって、そこからは歩き。
駅はあるけど、絶賛制作中のはずだから、まだ使えない。だから、ココからだと多分三時間と見積もれば問題なく着いているはず。
「...あっ、バス来ちゃってる! すいませーん!!私も乗りまーーーす!!!」
そう言って、ぎりぎりに駆け込んでバスに乗って一安心。間隔は1時間に三本が平均であることが多く、しかも20分毎に来るんじゃなくて、連続で来たりすることがある。そのせいで40分ほど待たされる場合もあって...ホント、もうちょっと間隔考えて欲しいわね...。
ひとまず私は空いてる席に座って、荒れた息を整える。まさか20m短距離ダッシュで荒れるとは思ってなかったから、内心凄くびっくりしてる...ふう、ココからは暇なバス旅。約1時間くらい何もすること無く、ぼーっとしてるしかやることがない。ギルド事して来ているならレポートを書いたり、やることはあるけれども、生憎それ今やる気力も無い。
...寝る、コレが最善の手かもしれない。終点まで着けば起こして...くれるはず。その為に運転手から良く見える位置に座ってるわけだし。
そう心に決めて、目を瞑り、身体の力を全部抜き、バスの揺れに身を任せて意識...を......
「...お......さ!」
「......んっ...あれ、もう目的...地...? こ、ココ何処...」
目が覚めると見たこともない場所。そしてさっき運転していたミミロップではなくてゴウカザル...そして、この凄いスッキリ感......コレから何が起きているかを察するのは簡単だった。
「ま、まさか私...車庫まで......」
「は、はい...そのまさかです...。 まさか一番後ろの窓側に寝ていたとは知らず...」
「ま、窓側? わたし、最初真ん中に座っていたはずなんですけど...」
「えっ? でも実際ココに座っているわけですし...えーと、元々何処に行く予定でご利用しました?」
「ナルトタウンの西地区、エルドタウンに行くために」
「西地区...あのココ、東地区の車庫なんです...反対方向のを......」
「ひ、東地区!? 東地区って何も無いところじゃない!?」
「はい...気が付けなかった私のミスです...。 お詫びにセントラルパークまでお送りします...このたびは気が付けなくてホントにスイマセン......」
「い、いえ!寝過ごしてしまったのは私のせいなのでお気になさらず! コレから歩いて向かいますから!」
確かに気持ちは嬉しいけど、その言葉に甘えることは出来ない。迷惑掛かるし、最近燃料が値上がりしたとニュースでもやっていたから。でも、そんな事よりも気になったのが、私がそう言った瞬間に軽く驚いて、迷うような顔をしたことだった。
「...あ、あの。なんか変なこと私、言いました?」
「い、いえ。この時間から...か、と」
「...え、今何時ですか?」
「20時過ぎです...。 最近この時間あたりから『人じゃない何か』が出現して襲ってくるので...」
「人じゃない何かって、お化けか何か?どうせゴーストタイプか何かでしょ?」
「い、いえ...まるでアレはおとぎ話に出てくるガーディアン見たいな、魔道士のような姿でした...体長は3mはあったかと...」
「ま、魔道士って...夢か何か見てたんじゃないの? そんな非現実的な事が起こるわけ...が......いや、あり得るの...かも.........」
「えっ...?」
無くはなない、実際私は非現実的な人と会ってるんだから。それに、今さっき?分かれたばかり...
「いえ、こっちの話し。 その話し、信じるわ。そして『探検隊として』調べさせて」
「た、探検隊!?お嬢さん探検隊なのかい!? あっ、だから西地区に...」
「けれど、今はその事で来てるわけじゃないから大丈夫です。 早速特徴を聞き...たいんだけど、メモ用具を持ってなく...ん?ココに貴方の他に誰か居るの?」
「え? あー、迎えに来た仲間です。さっき言ってた通り危な...あ、やばい。怒られる...」
怒られる、たぶん私がここに居るって言うことよね。隠れられるわけでもなさそうだし、ココは1つ...
「おい、スレイ。いつまで待たせ...この人は?」
「あ、いゃ、この人は...」
「初めまして。エルドタウンの探検隊に所属しているレミと言います。最近この地区で得体の知り得ない何かが出没するって噂があったのと、最近かなり不安定なのことが多いので、もしかしてそれが関係しているのではないかと思い、参りました。
「お、おう。まさか噂がギルドまで届くとは...まあ、こんな狭いバスの中じゃアレだ、ちょいと俺らの宿で話そう。それと、時間も遅いから泊まってきな。部屋は最近辞めた奴の部屋を綺麗にしていつでも使えるようにしてあっから。あと、野郎の宿だから風呂が無いのは勘弁してくれ。 おっと、俺の名前はアルダ、こっちがリューアだ」
「皆さん宜しくです」
まさかの風呂無し...温かいバスで寝たから軽く汗かいてるから入りたかったけど、贅沢は言えない。にしても『得体の知り得ない何か』ね...何かの糸口になれば良いけど......。
それと、スレイさんと言う人ががゴウカザルで、チャーレムがリューアさ...ってあれ、リューアさんは良い匂いが...しかも胸ある...。
 「あのー、リューアさんって女性の方?」
「そうだ。こんな性格特徴だが、女同士として宜しくな。 ...それと野郎しか居ないと言ったアルダ、後で覚えときな」
「おーこわいこわい。けど、どう見ても完全に男じゃぐはぁ!?」
「次言ったら鼻の骨、へし折るぞ。 ...すまんな。ところで貴方の名前をもう一度教えて貰っても良いか?」
「あっ、はい。 私の名前はレミ・エナフール。レミって呼んでください」
「レミ、だな。今日一日宜しく頼む」
「はい。こちらこそ」
久しぶりにインパクト強い人に会った...にしても、男って言われたら納得しそうなくらいサバサバした?性格ね、そして強い......。
チャーレムだからって言うのもあるかもしれないけど、振りかぶりもせずの裏拳一発で鼻血出す威力...この人が居れば得体の知り得ない者も退治しそう。そして、
「ほーら、早くしないともう11時になるぞ。だからさっさと鼻血を止めろ」
「無茶言うなよ!?」
「はぁ...ほら、すまんかった」
しっかりと優しい人だって言うことも分かった。殴ってる時点で優しいかどうか疑問になるけれど。
それから、二人が言う民宿に向かう途中。よーく耳と目を凝らしながら向かったけれど、コレと言って気になることは見つけることは出来ず、何事もなくたどり着くことが出来た。
「ここ、ですか?」
「おう、そうだ。俺たちの他に後三人居る。 まあ、たぶん寝てるだろうがな」
「だな。あの人らは長距離&長時間運転をしてるから、帰ってきたらヘトヘトなのさ。 暗いうちに起こさせると地獄を見るぞ」
「気を付けます...」
「さて、そんな話しは置いておくとして中に入るぞ。ずっと外に居ては危ない」
そうリューアさんは足早にルームキーを取り出し、中に招き入れた。中は話していた通り清掃されていて、芳香剤の良い匂いが私の鼻の奥を突っついていた。
〜〜〜〜〜☆〜〜〜〜〜
後書き
ティアです。はい、やらかしました。
レミ「私を忘れるなんて酷いですね...。
で、でもレミさんだけシナリオ分岐で登場回数増えるんですよ!?
そそそ、それに!レミさんのことが好きって言う読者さんも居ましたし!!
レミ「ふーん(バチバチ...
い、いやほんとですからね!?嘘なんかつきませんからね!!?
レミ「言い訳より謝りなさいよ、馬鹿作者ぁぁぁぁあ!!!(ピッシャーン
ひきゃぁぁぁぁぁあ!!?
レミ「ふんっ
ぐはぁ...(ピクピク...
レミ「っと、失礼しました。メタ発言になりますが予定をしていたイベントを実行せず、恨んで会わないと言う設定に変更させていただきました。
本当だったら、会うっていうことを言わず、会ってから亀裂が入るイベントが起きるはずだったんですけど...うん、言うのはココまでにしときますね。
では、次回作も宜しくお願い致します←直角お辞儀