研究員
前書き
少しややこしくなってきたと思うので、ここで補足説明をしようと思います。
マコト×スイレン・リト×ヨーテルのストーリー進行時間は
アーシアが海岸で倒れていた夜の時間帯よりもっと前早い時間でリファル×フィリアはダンジョンで四苦八苦する1時間から2時間前に辺りになります。
簡単な説明ですが、あまりにも分かりにくい意見が多発すれば、アーシア達のメインストーリーから外し、派生小説として別に投稿します。
では、本編をどうぞ。
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パシューー・・・
「・・・行っちゃったわね。さてと・・・まずは電源を入れなきゃならないけど、コレって何処なのかしら? なんか何時もハックしてるコンピューターと感じが違う気がするし・・・・・・楽勝みたいな言い方したけど、かなり苦戦しそうね、コレ」
リファルが出た後、早速電源と思わしきスイッチを探す。だが、フィリアが動かそうとしているのは、縦が床から3mは越え、横幅は8mを超える巨大装置・・・フィリアが何時も動かしているのは家庭の何処でも普及しているデスクトップパソコンとは比べ物にならないほど大きいものだった。
「うぅーん・・・・・・・・・ダメね全く分からない。USBスロットはあったけど、肝心な電源が・・・しょうがない、コードスパークでなんとかしてみようかしら。下手したら感電するけど、コレしか方法無いわね・・・時間的にも。 っとなると・・・ホコリだらけの機械盤の裏に入らないといけないわけだから・・・懐中電灯のバッテリー大丈夫だったかしら・・・・・・」
背負っていたバックを下ろし、紐を緩め、中身をあさり始める。数秒すると、シルバーボディーの筒型を取り出した。そしてフィリアは黒い出っ張りを押し、少し乱暴に振ると、
「あっ、付いた付いた。にしても、今時こんな古いモデルなんか使ってるの私たちくらいよね、たぶ・・・・・・うぅんっ、ひょ、ひょっときひゅいわねー・・・。 うぅ・・・ほひょりもひゅごい・・・・・・」
口で咥えるのは少し無理がある太さのライトを咥えながら、大小様々のコードを掻き分け、粉っぽい埃に文句を言いながら少しずつ奥へと進んで行く。隙間は一人ギリギリ入れるか入れないくらいの狭い隙間だったが、幸い上は空いている為、無理をすれば方向転換くらいは出来るスペースだった。
コードの絡みに格闘すること約5分、ようやく、いかにもにも電源コードと思わしきコードを見つけ、処理を施す。セット後、直ぐにコードから這い出て何やらスイッチを取り出し、スイッチオン・・・その途端に先ほどの場所から一瞬強いスパークがし、それと同時に今まで動いていなかった巨大な装置が稼働し始める。それを見てフィリアは長く息を吐くと、身体にまとわりついた埃やら砂やらを叩き落としながら、
「良かった、これで何とかなったわね。後はこのウィルスUSBをインストールすれば、この基地全てのネットワークに侵入出来るはず。 その間に・・・この子達、助けなきゃ」
バックをまた探り、水色のUSBを取り出すと、それをスロットに差し込んでインストール確認画面にOKをする。 途端に状況進行バーが現れ、残り時間も一緒に表示される。時間は五分と示していた。
その間にフィリアは捕らえられてるカプセル装置の周りをくるりと見渡し、それっぽいところのネジをドライバーで外して行く・・・その行動に、カプセルの中の者は助けてくれるのでは無いかと、未だ電気を放電されながらも片目でフィリアの事をずっと見ていた。それをずっと続けて5分を経った時、抑揚の無い機械音声で「スキャン開始」の言葉に手に持っていたドライバーが床に落っこちる。が、直ぐに拾って再び分解を開始する・・・
「うーん・・・案外見つからないわねー・・・・・・ん?」
正面、カプセルに備え付け端末の側面に、何も記号やマークも無い四角いボタンがフィリアの目に入った。まさかと思い、恐る恐る押してみると・・・・・・
「・・・・・・きゃっ!!? ・・・ひ、開いた!!?しかも装置も止まった!!?何よこの引っ掛けみたいな装置は!!?」
「・・・えーと、一応目では訴えていたのですがね。 と、ともかく、あなたは誰ですか?見たところ施設の人ではなさそうですが・・・・・・」
「え、ええ。確かに・・・よし、確かにココの者では無いわよ。 ここに乗り込んだ時に・・・見えたから助けた・・・って感じね」
最初に助けたピチューの最終進化系
、ライチュウに話し掛けられながらもフィリアはボタンを押して行き、解放させて行く。人数は総数7人で、ライチュウ・ピカチュウ・ピチュー・エモンガ・デンリュウ・エレキッド・パチリスであった。だが、ピチューは元々電気を上手に扱えないので、青い顔をして、ヨロヨロとピカチュウに連れられていた。それを見て、すかさずフィリアはバックからオレンの実を取り出し、ピチューに差し出しながら、
「えーと、他に調子が悪い人は居ませんね? 私の名前はフィリア。エシュゼタウンギルド所属の第28期、チーム『リライト』よ。今回は別件で侵入しましたが、貴方たちの脱出を最優先順位として救助しました。まさかこんなことになってるとは・・・救出まで時間が掛かってしまい申し訳ありません・・・・・・。 あの、質問なのですが、貴方方は行方不明になっていた方々で宜しいですよね?」
全員を見渡しながら左手に装着してあるポケギアをチラチラ確認しながら見る。どうやら、今フィリアが見ているポケギアには行方不明者のプロフィールが記載されているらしく、画面にはプロフィールと顔写真が写っていた。
「はい、合ってます」
「良かったわ。では、コレから貴方達を誘導します・・・っと言いたいところですが、ちょっと待ってて下さい」
そう言うとフィリアは最初に裏へ入って起動した装着に手を掛け、意味不明の文字列をタイピングし始める。助けられた者達は、首を傾げながら理解出来ない文字が表示されて行くのを見ていたのだった・・・・・・
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一方、フィリアがカプセルに悪戦苦闘している頃のリファルは、今だに電源室が見つからずに歩き回っているのだが、その間不安でしょうがなかった。何故なら、監視カメラが一個も見当たらない事。普通の工場なら絶対一個はあるはずなのにも関わらず、最初に侵入した天井裏、電ポケが捕らわれていた場所、そして今歩いている通路・・・その間に一個も見ていないのである。
「ココもか・・・これだけ歩いてカメラが一つも見てないのは変すぎる。人も見て居ない。 ここ本当に動いてる『ドリームメーカーズ』の工場か?幾ら何でも管理が問題過ぎだろコレ・・・」
そう愚痴を言いながらも足音や気配を確認しながら突き当たりの角から覗き込んで確認してから出る。どんなにセキュリティが低くても、警戒を忘れていけないことは体が覚えているからで、2度と起こさないと誓っていたからである。
「・・・・・・ん?足音がする? ココだとちょっとやばいな、身を隠す凹みすらない・・・こうなったら出てきた瞬間に打つしかねぇな」
出てくる通路の手前に忍び足で近づいて張り付く。張り付き、耳を澄ますせて改めて気が付いたが、足音がかなりゆっくりで、溜息も時々聞こえる。何か嫌なことでもあったのだろうか・・・と考えながらもリーフブレードの用意。
そして、足音が一番大きくなった瞬間に・・・
「動くな、妙な真似をしなければ危害を加えない。 もっとも、動いたらコノ刃が喉に突き刺さるけど、な・・・」
リファルはリーフブレードを首筋あたりに、刺さるか刺さらないかのギリギリまで持っていき、そこで始めて自由を奪った者を見た。身体全体が緑色で、頭に大きな葉っぱを持った、そして白衣を着たチコリータだった。が、なんだかヨロヨロとしており、軽く締め付けていた手にも違和感を感じて緩めながら、
「・・・はぁ、流石に弱ってるのを痛め付ける趣味はねぇから離すがー・・・何があった?明らかに栄養失調に見える。 ココはドリームメーカーズの工場なんだろ?飯くらいは出るんじゃ無いのか?」
っと、一応逃げ出さないようにリーフブレードを出したままでチコリータを一周しながら質問する。だが、俯いたままで一向に口を開こうとする素振りも出さない。ただただ、ヨロヨロと立っているだけだった。
「はぁ、答えたく無いなら別に良い。でも、これだけは答えて欲しい。 俺は配電室を探しているんだが、何処にある?本当にこれだけで良い。教えてくれれば絶対解放する。生憎ウソは嫌いでな」
「・・・そ、その言葉信じますね。 は、配電室はここから左に曲がって突き当りを右に曲がって3つ目のドアです。そこには電気ポケモン達がつ、捕まっているのでその奥のドアになります」
「で、電気ポケモン?もしかして電力源にされている奴らの事か?」
リファルの受け答えに対し、驚いた様子で逆にチコリータがリファルに問う。
「そうです、な、なぜそれを・・・?」
「俺の仲間が今そこにいて助けようとしているからだ。アレはいくらなんでも酷すぎるし、許せない行為だ。 それと、」
リファルは言葉を一度切った。そしてリファルはリーフブレードをしまいながらチコリータに向き直し、
「お前は悪い奴には見えない。少し付いてきてくれないか?」
と、目を見ながら言った。最初は戸惑った様子だったが、真っ直ぐな瞳にチコリータは真面目だと察し、
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
と、答えるのであった・・・・・・