再開 - 後編
ー前書きー
うん、やらかしたよ。
レイエル「いつもの事じゃない。で、どうしたの?」
えーとですね、前の方で無線は『』でウィアは〈〉と決めていた筈なのに、いつの間にかウィアのセリフが『』になってなーっと(汗
レイエル「へぇ、またやらかしたんだ。で、どうするの?」
また宣言します。それと全部後で直しときます...っと言うか、なんか当たり強くない?
レイエル「そう? 至ってコレが平常よ」
ミミアン「あの、私も一つ言いたい事あるのだけど...良いです?」
あら、ミミアンちゃんがココに居るのは珍しい。どうしたの?
ミミアン「えーと、私のセリフなのですが...私、いつの間に強い口調になっている気が?」←台本見ながら
んー、気のせいではないかも。ほら、いつも大人しい子や控えめな子が緊急時になると、何故か頼りになる子ってたまに居るじゃない?
私はその感じをイメージして強めの口調の台本を用意したのですよ?
ミミアン「成る程。ですがそれ、今言わなかったら閲覧者さんには気が付かないじゃ?」
レイエル「...いや、案外分かるかもしれないわよ。なんとなくミミちゃんは男勝りな一面あったりするし」
ミミアン「...それって、もしかして戦闘の事を言ってます?」
レイエル「それ以外に何があるって言うのよ。大体ね...おっと、そろそろ時間ね」
そうですよ、早く二人用意して下さいね。
そうそう、ウィアじゃなくてミュウが〈〉になるので、そこのところ宜しくです。それでは後編スタートです。
ーーーーー
Side ミュウ
「さてと...なんか随分色々あったみたいだね。まさか急に帰ってくるとも思ってなかったし、ウィアのコアシステムが急に崩壊して駄目になっちゃったしで。今は全力で復旧を試みてはいるけどね」
「それもそうだけど、声がして来てみればミュウさんはミミちゃんを襲ってるし...何なのよ全くアンタ達は......」
〈申し訳ありませんでした...モコモコに顔を埋めたい衝動が押さえきれず......〉
「あのねぇ...確かに三人を連れ帰ってきた事に関しては大いに感謝するわよ? けど、まさか...ねぇ?」
〈うぅ.........〉
しょうがないじゃないですかぁ...押さえられなかったのですからぁ......。あんなモフモフをモフモフしない方が可笑しいですよ全く...それにしても、気持ち良かったぁ///
「...ねえ、アタシが心を読めると知っててそれ言ってる? いい加減、貴方が伝説相手だろうが殴るわよ?」
〈あっ...すみませんでしたもう何も考えません言いません......〉
忘れてた...レイエルさんはゴーストタイプでも、人の心を読めるのでしたね......迂闊でした...。
「...はぁ、今回は多めに勘弁するけれど。次に変な事をしたら本気で殴るわよ。分かった?」
〈はい、申し訳なかったです...〉
...うん、怖い!
負ける気は全く無かったけれど、レイエルさん相手なら怪我じゃ済まない気がする。初めてですね...何百年生きていてこんな気持ちは...。
「さてと...次は三人よ。アンタ達、帰ってきたなら真っ先に来なさいよ!! アタシや全員がどれだけ心配したのか分かってんのっ!!?」
「ご、ごめんレイエル...。 戻れた事とミュウとミミアンのやり取り見てて完全に忘れちゃってたよ......」
「私も唖然と言うか...どうして良いのか分からず立ち尽くしてました......」
「確かに私も同じ立場に遭遇したのなら、立ち尽くしていたかもしれませんね...」
「リーフさんの意見は聞いてない。 で、これから全員に連絡を入れるわけだけど、もし何かあっても私達は目的地にはもう向かえないらしいわよ」
「え...どうしてですか?」
「それは僕から言うよ。 どうやらね、僕達が何処に居るのか嗅ぎ回ってるらしいんだよ。それに僕達の情報がどうやら漏れちゃったのか、調べ上げたのか、それとも僕のサーバーに何かしたのか、いずれにせよメンバーの情報が露出しているらしいんだ。心当たり...あるんじゃない?」
「...うん。からくり屋敷で出会った敵だけど、なんとなく僕達の事を知ってるようだったし、バーチャルスペースでは僕達のコピーと戦ったりしたね」
〈中々に苦労をしてるようですね...手伝えるなら手伝いたいのですが、何故かパルキア様からは手出し不要と言われてるのです〉
「え、なら僕達をテレポートした理由は?」
〈えーっと、独断判断です。まぁ、後で私はお説教だと...〉
何かと最近怖いのですよね、パルキア様。時空の歪みがどーのこーので寝ていないようですし...。たぶん、事が終わった時に導かれし者達を元の世界に返す為に、呼んだ事による時空の歪みを相殺しているのではと思うのですが。
それにしても、導かれし者達は知らないと言いながらやっているあたりツンツンですね。いや、デレた姿は見たくないし似合わないか。あんな、どキツい人なんかが...
〈...いたっ!?〉
「えっ? どうしましたミュウさん?」
〈あー、いや...何でもないですよヨーテルさん〉
「? まあいいや。それじゃ、回線を繋げるから帰還報告宜しくね」
...パルキア様、私の心を読みましたね。それで空間切断とは中々酷い事を。まあ、私が悪いのですけれど......。
あ、お話し出したみたい。変なこと考えずに聞いた方が良さそうかな。
「...あ、ごめん。両チームとも少しだけ大丈夫?」
『大丈夫ですよ。どうしたのですかライトさん』
『こちらも問題無しよ』
あ、コノ声はアーシアさんとシルクさんですね。アーシアさんは最初の時は色々あって不安定で、何かと自我を失い掛けた行動をしてたけど、今となっては皆のリーダー的な存在で、みんなを導いたり、色んな案を出したり、危機察知能力がリファルさんやフィリアさんの次に高いのですよね。戦闘の実力もリファルさんやフィリアさんには敵わないし、当然私にも敵わないだろうけど、そこそこの実力者とも聞いている。
シルクさんの場合は物理技が無理だったり回復が自己回復だったり、噂ではエスパータイプなのにテレパシーが使えるとか。その他に、戦闘に関してはリファルさんやフィリアさんに匹敵する実力者の持ち主。連れのウォルタさんなんてウォーグルとミズゴロウに身体を変えられる。更に言うと導かれし者達は技数の制限が無く、覚える為の前提条件が全く無しに覚える事が可能...ホントに、普通なら考えられない人達ね。
「えーっとね、三人とも無事に帰ってきたよ。ミュウさんがテレポートで連れ戻してくれたんだ」
『ホントですか!?』
『よ、良かった...。 ん、ミュウさんってグレースタウンの北部にある氷山に行った時に出会った人だったわよね?』
「そうだよ。あ、ミュウさん話す?」
〈え、私は特に無いので...〉
「そっか。じゃあそろそろ三人に通話を変わ『...けて!!』...へ? シルク!? 応答してシルク!!?」
え、いきなりバタバタとシルクさんの通信からのノイズというか物音と何かを叫ぶ声が...しかも応答が帰ってこない応答...シルクさん達に一体何が!?
『シルクさん! 駄目、こちらからでも応答が...』
「一体何が...アーシア! おおよその場所は特定出来たからその場所に向かって!!」
『は、はい! ...あ、ご免なさいこっちも切ります!』
「え!? アーシア! アーシア!!」
「...ダメです、二人とも通信が途絶えました! 電波強度を上げても、何かのノイズで強制遮断が......って、ライトさんシステムに侵入者が!!」
「えっ!!? リーフ!今すぐにパケットオールカット!! フィリアはシステムを防御モードに切り替えて!! ココミはGギアのシステムを保護!! ギラファは回線は生きてる!?」
「は、はい!」「いったい何なのよっ!!」「もう始めてる!」
「ああ! こっちは何も問題無しだ!」
「流石ココミ! じゃあリファルは僕と敵へ仕掛けるよ!! パケットブリッジをシグナルキャッチに接続して、パターンを計測して!!」
「了解だ! 動いてくれ...よっ!!」
急に真ん中のスクリーンに警告の文字と何かマップのような表示、それとサイレンのような 音が部屋に鳴り響く...。ライトの指示で四人は何かをして、ライトさん自身も何かをやり始めた。けれど私達は何をしているのかチンプンカンプンで、私を含めてレイエルさん、モルクさん、ミミアンさん、ヨーテルさんは棒立ちするしかなかった。
でも、コレだけは分かる。今この瞬間... 私達五人には見えなく、何も手助け出来ない攻撃を受けているのだと。
「...ライトさんオールカット終わりました!!」
「こっちも防御モード切り替えたわ!」
「了解! リーフはそのままシステム進入率と抜かれた情報を!! フィリアは」
「ライトさん、それは今ちょうど調べました! ...シ、システム進入率は六割オーバー!! ダミーデータを活用しても二割ほど情報を引き抜かれました!!」
「ナイス! 引かれた情報は!?」
「辛うじてロケーションは引き抜かれなかったようですが、私達が集めたドリームメイカーズの悪事を八割も抜き取られた用です...」
「いや、それはコッチのUSBに全て入っているから大丈夫! 問題はGギアのシステムコアファイルとウィアのコアファイルだよ。アレが盗まれると、特にGギアのシステムコアファイルは通信履歴やら全てカプセル化して作っちゃったから...」
「だからアレほど分離しとけばって言ったのに!! 取りあえず保護は完了。損害は0よ」
「助かったよ...ん、ギラファ! パターンは!?」
「ちょいと待ってくれ.........よし! 渡すぞ!!」
「おっけ! ...うん、やっぱりこのシグナルパターンは僕が作ったアタックモジュールだ!! この戦い...勝てる!! リファル!シュミレーション通りに行くよ!!」
「おうっ! ひっさびさに暴れてやる!!」
〈えっとー...私達はどうすれば宜しいでしょうか? 邪魔そうなら出て行きますが...〉
聞くのはどうかと思ったけど、思い切って聞いてみた。だって何も出来ないのなら居てもしょうがないと思ったから。 でも、その問いに帰ってきた少し驚いた返答だったけれど、
テレポートはパルキア様のお陰で使用する事が出来る。ちなみにテレポートの仕組みだけれど、例えば一枚に書かれた二つの点、 その場所に最短距離で到着するにはどうすれば良いか。普通ならその点と点を真っ直ぐ結べば正解...では無い。それも確かに正解ではあるけれど、最短では無い。
じゃあ何なのか。それは紙を折り曲げて点と点を重ねる事...こうすれば最短距離で目的の場所へと移動出来る。が、それを世界規模でやるとかなり話は違う事になる。 一つ間違えれば世界の均衡が崩れ、世界を裏側から支える反転世界まで影響が現れ、最悪世界崩壊...生物絶滅レベルまで匹敵する。しかも繋ぐところを間違えてみたらどうなるか、可能性は0じゃない。
だから急のテレポートは命懸けとなる。だからもしその事を起こさないようにするには、パルキア様の力で仲介して貰うことで何も起きない。ただし私が三人を連れてきた時に使ったのは、パルキア様の仲介を使わず私の力を使ってテレポートをした。しかも勝手にテレポートした場合はテレポート元と先が見えないけれどくっ付いたまま。そのままにしていれば歪みが発生し、最終的に...問題になっていた"時空の狭間"が発生する最大要因になる。
因みに、 伝説以外にテレポートするポケモンは確かに居るけれど、そんな大きな距離は移動出来ない。どんなに遠くても300mが限界の待ち時間ありで、理由は作り出した側は知ってるけれど、作り出された側は私達の事を分からないし、 もし子供が産まれてその子がテレポート使えた場合、考えずに使うから。 それに、そのくらいなら歪みが発生がしないらしく、パルキア様は何もなさらない。
「んー.........あの、申し訳ないけれどミュウさん、レイエルだけを連れて助けに行ける? ほかの三人にも行って貰いたいと思ったけれど、君達はちょっとやって貰いたい事が出来たからね」
〈レイエルさんだけを連れて...ですか?〉
「うん。レイエルは...行ける?」
「...ええ、行けるわ。ちょっとビックリしたけれど」
「まあ、行けない理由とか話して矛盾してるからね。それにね、一番動けると思うのはレイエルだと思うんだ。当然、三人も動けるだろうけど...さっきも言った通り、やって貰いたいことがあるから」
「あの...そのやってほしい内容とは何なのでしょうか...?」
「それは後でと言うことで。さあ二人とも、行ってくれるね?」
〈...はい、助けに行きます〉
「なーんか腑に落ちないけど、まあいいわ。仲間の為ならば、どこだって行くわ!」
「おっけー...じゃあ、ミュウさん頼みましたよ!」
〈ええ.........テレポート!〉
私はレイエルさんに近づいて身体を触れると、途端に辺りがぐにゃと曲がり、その違和感が薄れる前にまずシルクの気配を感じ取る。すると気力なようなものがかなり上下しているシルクの存在を感じ取った。その感じ取った存在感と違和感をどうにか繋ぎ合わせ、その場所を強く念じる。そして段々違和感が薄れ、完全に無くなった時には......
「か、回避できな...えっ!?」
〈...ふぅ、シルクさん大丈夫ですかっ!?〉
私とレイエルさんはシルクさんの真横にテレポートして、まさに敵の攻撃を食らいそうだったのを、ピカチュウに変身して強引にアイアンテールで打ち返した。いきなりの乱入者...敵の目が丸くなって固まっていて、驚くと本当にこうなるのだと片隅で私は思った。
「おかげでね...まさか貴方、ミュウさん?」
〈詳しい話は後でします。レイエルさん、アーシアさんの方は任せましたっ!!〉
「ええ、分かったわ! でも、どこに行け...きゃあっ!?」
聞くよりも早く、私は直ぐにアーシアの存在感を感じ取り、左手で念じていたテレポートをレイエルさんに押し当てた。途端にレイエルさんの姿が消えて...ちゃんとアーシアさん達のところへ行けた事を確認した。立て続けに起こる出来事に、完全に思考が停止したようで、相手は見事に棒立ち。流石に私も同じ立場ならそうなっていたかもしれない。
...って、あの容姿...もしかして女の人? でもまさか...この種族に女の人ってあり得るものなの? いや、今はそんな事よりも目の前の敵...ルカリオを倒さなければ。
ーーーーー
「ク、クイックインパクトっ!!」
そう叫びながら、黒い影が敵へと突進交じりに突っ込みながら攻撃を加える。誰がと言わずとも、この攻撃が得意で主力であるアーシア以外ありえない。他の者もやろうとしてみたが、何故か十分な火力が出せないのと、電光石火とアイアンテールが使える事が前提条件の上に、更に素早さとテクニシャンな動きが出来なければならなかったからである。
しかも導かれし者達は技数の上限が何故か無く、必然的に導かれし者達以外は半分もその攻撃をする為に技数を取られるため、どちらか一つを諦める必要があったのもある。結果的に原住民は使えなく、導かれし者達の中でもそもそも覚えられない者や、近接戦闘不向きの者やらその他色々あって結局使えるのはアーシアだけとなっている。
「ちぃ、ちょこまかと動きやがって! リーフブレード!!」
ガキーンッと金属音が突如と響き、若干の衝撃波がアーシアの耳を少しおかしくする。ちなみに今の場面はアーシアが通信を切った直後で、シルク達が奇襲された同時タイミングくらいで接触したのである。けれどコッチは一つだけ危機が迫っていた。それは...
「ぐ...あっ...あ...ああ......」
「マコト! マコトしっかりして!!」
マコトが敵の攻撃により負傷してしまったことである。シルクの通信が途絶えた後、爆発音を聞き取ったマコトがダッシュしたところ、壁待ちされていた敵...アブソルの巨大な鎌によって切られたのである。直ぐにスイレンが治療をしたが、十分と言えるような治療は出来なかったため、マコトの意識は朦朧としていた。
「...行動が遅い。噂ではかなり強いと聞いていたが」
「うるせぇ...仲間に怪我させやがって、てめぇ許さねぇ」
「...ほー。そういう割にはかなり押さえつけているブレードが細かに揺れてるぞ? これでも俺は全力で押してないんだがっ!」
「なっ...ぐぁあぁ!?」
「リ、リファルさんっ! シャドーボール!!」
リファルのリーフブレードがアブソルの鎌に押し負け、飛ばされたところにアブソルの鎌がリファルの前腕を捉え、鮮血を飛ばしながらリファルが倒れた。アーシアは直ぐにでも駆け寄りたい気持ちを我慢し、シャドーボールを一発、二発、三発と連続で放つ。
けれど二発は簡単に避けられ、三発目に至っては鎌の一振りで簡単に消滅させられてしまう。それを無表情で、何か飛んできたのと逆に質問したさそうな顔をされ、アーシアは本能的に危険を感じ取り、後ずさりをする。
「...あらあら、俺の力にビビッたか? そりゃそうだよな、リファルでも敵わねぇ俺に、お前なんかが敵うはずねぇもんな」
「うぅ...」
「...図星ってやつか。 ...ふ、最初こそリファルをぶっ倒してからからやろうと思ったが、弱いやつから抵抗できずに倒すのも中々良いかもなぁ? ったく、こんな考え元の世界じゃまず考えなかっただろうが、今となってはリストラした上位層の思惑が何となく分かる気がする」
「...元の世界?」
「あ...つい口に出しちまった。 まぁいい...殺せば何もなかったことに出来るんだからなっ!!」
「っ! ま、守るっ!!」
アブソルの突進攻撃にバリアを展開して守るが一気にヒビが入り、もう一度攻撃をされたら砕け散りそうなほどに耐久を削られる。そもそもアーシアのバリアは物理技耐性が皆無で、代わりに特殊に対して凄まじい防御力を発揮する特徴がある。簡易的に言えば2対8ほど、特殊耐性が圧倒的に高い。
「はぁ...はぁ...はぁ......」
「息切れはえーな。こんなに柔らかいんじゃ、痛みぶる気もあんまり起きねぇ。ホントにコイツが......なんだ、何か来る!」
「? ...えっ!?」
ふとアブソルの言葉を詰まらせ、ちょうどアーシアの上の天井を睨みつける。すると少しして、一瞬だけ空間の歪みが発生後に見覚えのある人物が飛び出してきた。それはアーシアをこの世界に引き留めてくれ、様々な事を教わり、行動をしてきた一番付き合った時間が長い人物...
「......ん、アーシアちゃん! 大丈夫なの!?」
「レ、レイエルさん!? どうしてここに...」
そう、ミュウに飛ばされたムウマの女性...レイエルであった。