ポケットモンスターズファンタジー〜導かれし者達の軌跡〜

















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[3]Final Story
デジャブ - 後編
ー前書きー

 やっぱり戦闘シーンは課題だね...。ホントに、戦闘シーンがどうにかなれば......

ライト「うるさいよ...そうなりたいなら日々練習すればいいじゃないか」

 ...えと、仰っていることは分かりますが、どうしろと?(

ライト「...しらない」

 えぇぇ...

ーーーーー

『...ぎゃぁあ!?』

 え...なんで痛みが!?ココは仮想世界...そもそも痛みを感じるアルゴリズムなんて私には組み込まれていないはずなのに!?
 も、もしかして私はとんでもない見落としをした!?

「ウ、ウィアさんっ!?」
『こ、来ないで! てっ!?』

 てっきりヨーテルさんが心配して駆け込んで来たのかと思ったけど、飛び込んできたのはリーフブレードを発動状態で突っ込んできたジュプトル...。私はすぐに反応できずに、腕にリーフブレードが掠めた。ヒリヒリと痛む、切られた左腕を右手で押さえながらヨーテルの立っている場所まで飛び帰る。直ぐに心配されるけど、その声を静止して電気を纏う。
 コレが痛みと、息苦しさ...新たに感情や感覚に気が付けて嬉しい私が要るけれど、同時にその事が持続すると上位思考プログラムが危険とアラートしてくる。でも、だからと言って行動を停止して回復に移ろうとしても、今度は危機察知の思考パターンがアラートされて回避や、ヨーテルさんを庇いながらターゲットを倒す思考も加わる...。こんなに合わさったら処理がオーバーフローして、フリーズするのも時間の問題。
 どちらにせよ、ココのバーチャルスペースには無理やりの方法で侵入しているし、時間は掛けられない。しかもその後に三人を誘導もしないといけない...。

『くっ...ヨーテルさん! 私が攻撃を加えたと同時くらいに、自分で考えて攻撃してください! ...クイックインパクトっ!!』
「えっ...は、はい! フレアドライブっ!!」

 そう指示を飛ばした後、直ぐに私は5メートル以上の間合いを一気に詰めて、相手の膝裏にアイアンテールを加えると、後ろに飛びのいてヨーテルさんへと合図する。その後、ジャストタイミングでヨーテルさんのフレアドライブがターゲット、ジュプトルに大ダメージを与えた。
 それにしても...サポートに関しては言う事は無しの動きをしてくれる。背中を預けるという言葉はこんな事なのかな...。

「ぐっ...あぁ...。 ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ひっ!?」
『うぐぅ!? ...がはっ!』

 攻撃を受けてふらふらと立ち上がると、大きな雄たけびを上げられて、私は一瞬だけ怯む。その一瞬の怯みを見逃さず、ジュプトルは同じように距離を詰めてタックル...私は10メートル以上吹っ飛ばされて、意識が飛び掛かった。
 立ち上がらなきゃ...そう思って腕に力を入れた瞬間...ヨーテルさんの叫び声とひどく鈍い音、立て続けに声が大声と悲鳴が二つ。まさかと思いながら、痛みに絶えて顔を上げると......。

『ヨーテ...さん......。ミミアン...さ......。モルク...さん......』

 自分と同じように傷だらけで床に横たわる三人の姿...その姿を見て、思考が空回りし始めたのを、これが焦りと恐怖という感情なんだと理解したのは早かった。
 ヨーテルさんへとゆっくりと歩を進めるジュプトル。口から炎を漏らして近づくゴウカザル。鎌どうしをぶつけて火花を散らしながら近づくストライク。そして力が入らず、何度も地面に倒れこむ私...一言で言い表すならば絶望が正しい。そもそもこんなせいになったのは、私が敵を甘く見て、私は負けないと高を括っていたのが問題...。
 私は自立志向型ネットワークピクシー...戦闘は得意ではなく、情報操作や収集を主な目的としたプログラム。だから新しい感情や感覚に対し、もっと調べたい、知りたい、そんな感情が上位のシステムに関連付けされている。戦いの事を調べようと思えばいくらでも機会はあった、時間もあった。けれど...それは私がすることではないと、片隅に思っていた。その結果...3人を救えなく、足手まといになってしまった......。

『...認めない。こんな結果は...認めない!』
 認めることなんかできない。それに約束もしている。3人を必ず連れて帰ってくるのが私のミッションで、誰も欠けさせないと!
『...かみなりっ!!』

 システムに認知され、消されたって良い。でも必ず3人は連れて帰らないといけない。でないと許されないし、悲しませることになる。私は無理に起き上がって電光石火で敵に近づくと、まずストライクの鎌が振り下ろされる前に今まで以上の大出力の電力を落とす。そして、しびれて動けないうちにアイアンテールでお腹を叩き付けた後に着地し、確認する暇もなく次の脅威であるジュプトルへと駆け寄る。

『オクタボルトっ!』

 放出された電気を走りながら貯めて、走りこんだまま身体から8つの電気をまるでミサイルのように打ち出してジュプトルへと攻撃する。4つは早めで敵の退路を断つように背中へ着弾させ、そのあと残った4つが左右の退路を断つ。最後に私が捨て身で突っ込んで抱きつくと、余った電気を放出させて更にダメージを与える...。
 そのままジュプトルと私は空中に投げ飛ばされる形になり、そのあと重力で下から強い衝撃が加わる。頭が割れるような痛さがするまま、今度はゴウカザルの方へと足を向けた。でも...

『...!?』

 急に力が抜けて、私は思うように身体が動かせなくなる。でも、ダメージによる移動デメリットではない...無茶したせいで私の何らかのプログラムに破損が生じたらしい。視界もぼんやりで、たった15メートルほどしか離れていないのにゴウカザルの姿が2人にぼやけてしまう。システムにオーバーライトと実行してみるものの、最上位であるルートにアクセス違反で弾かれてしまう。

『ぐぅ......』

 両手足の間隔がどんどん掠れ、冷たくなるような感覚が流れ込む。動いてと命じても、それに反復するように自由が奪われ、一歩、また一歩とゴウカザルが近寄って...あれ、この感じ......どこかであったような...。身体が動けなくて...目の前に助けたい人がいるのに...助けられなくて...ボロボロにされて......。
 ...まさかコレは...前世の...記憶......?

ティア ( 2016/08/24(水) 00:57 )