ポケットモンスターズファンタジー〜導かれし者達の軌跡〜

















小説トップ
[3]Final Story
最終調整 - 前編
 ここは中庭で、時間は大体午前十時頃を回った辺り。朝ごはんを食べ終え、少し休憩している時にリファルからの提案で最終調整を行う事になった。理由として今から行う作戦...敵の本陣の突撃となる為、一瞬の気の緩みや焦りが大きなミスへと繋がる可能性があると...ライト自身に抗議していたからである。
 理由は簡単、やはり「浅くて馬鹿ばかりな奴らだから確認したい」などと、どちらかと言えば皮肉のよつな馬鹿にしているような感じだったらしいが、フィリアに聞くと「絶対に、誰一人も失いたくない。全員生きて事を終えるんだ」という、表に見えないリファルの優しさだという事を知り、その事を知っていた全員は提案を快く受け止めたからだった。

 因みに最終調整のお題はそこそこ簡単で...いや、今だから簡単と思えるのかもしれない。何故なら、内容はアルトマーレに行く前、リファルが教官を務めた一ヶ月の自己強化のカリキュラムにあった最終項目...リファルを分けたチームで捕まえるという鬼ごっこ。
 作戦会議が三十秒間、作戦開始は一分間という短さの中で行わなければならなく、最初はその時間でどのチームも捕まえることは出来なかった。けれど、カリキュラムをしっかりと終えた後には全チームが時間内に捕まえる事が出来るようになっていた。
 ちなみに技の使用は許可されているが、宿泊している中庭だという事で最初は制限していた。が、まさかの女将が物品破損しないなら全面OKの許しが出ていて、しかも見学までするという。


「...さて、これから最終調整を兼ねた鬼ごっこをやってもらう。ルールは長期自己強化カリキュラムの最終科目と一緒だ。が、いくら技の許可を得ているとはいえ、例えば穴を掘るやビーム型の発射は控える事。 前は楽々と弾くなりガードするなり出来たが...流石にフィリアとの連携を使わないと押しこまれるからな、それと、作戦前だという事を忘れてはめ外し過ぎた動きはしない事。だからコチラは手を抜いてやるが、簡単には捕まる気は無い。 ...では、どのチームから行く?」

「...アタシらから行くわよ。皆んな良いわね?」

「ほう、お前達からか。最初の頃は全く駄目だったが...嬉しいものだ」


 リファルが以外と思いながらそのチームの事を見る。そのチームとはレイエルをリーダーとした、モルク、ミミアン、ヨーテルのチームである。このチームの特徴として、遠距離が得意な子と近距離が得意な子が綺麗に分かれている事が特徴なチームだった。
 レイエルはサイコキネシスと笛の呪縛からの開放による技の増加によって遠距離型で、ヨーテルは炎を起用に操る遠距離支援型。
 モルクは近距離技を主とするが、どちらかと言えば遠距離も出来る為に中距離に近い立ち回り。最後にミミアンは炎や雷、そして冷凍パンチを主体として戦闘をする超至近距離型である。
 つまり、このチームは個性が強い構成となっている為、自分の得意な間合いに持ち込まないと、しっかりと回ないというちょっとしたデメリットがある。が、そこはヨーテルによる、敵自身も気が付けない巧みな炎の誘導による誘導で、自分達の得意な間合いなテリトリーに引き込む術を持っていた。


「ふっ、少々楽しみだ。 ではルールを説明するが、作戦会議は三十秒間でフィールドはこの中庭だけだ。そして変わらず作戦時間は一分間。待機チームは...そうだな、建物を背にして座りなり立つなりして待っててくれ。ただし、会議は許さん。した場合は制限時間を違反ごとに全工程を五秒ずつ減らすペナルティだ。 それでは、準備は良いな?時間管理はウィアに任せた」

〈了解です! リファルさんとフィリアさん、そしてチームレイエルさん達のタイマー機能を開始、同期を開始...調整完了しました!〉

「ああ。では...開始だ」


 そう言うと直ぐにリファルはレイエル達の声が聞こえない辺りまで離れ、それを確認すると直ぐに四人は輪になって作戦会議を始めた。因みに何故こんなに短いのかと言うと、実践では敵は時間など作るはずもなく、どれほど早く相手の逆手を取れるかが重要だからだそうだ。
 やはりリファル、そしてフィリアは戦闘経験が豊富な為、どの意見に対して反抗をする理由など全く見つからない。そして、その二人はレイエルチームがどのような事をするのか楽しみそうに話していた。それもそんなに笑顔を魅せることのないリファルがである。そのやり取りを見ていて、やっぱりリファルとフィリアは最高のパートナー同士なんだと改めて実感したアーシアだった。


〈制限時間あと五...四...三...二...一...終了です! 次のタイマーをスタートする為にシンクリスタート...完了しました。皆さん頑張って下さい!〉

「ええ、そのつもりよ。全員、頼んだわよ!」

「はいっ! 任せて下さい!」

「私の機動力...魅せ付けてあげる!」

「おっけー、全力で行くよ!」


 レイエルの喝に、ヨーテル、ミミアン、モルクと返事をしていく。その声に頷きながらリファルは四人の前まで歩み寄り、だいたい距離で三メートルほど取る。そして、


「審判は変わりなく私よ。 それじゃ...最終調整試験。チームレイエル...スタートッ!!」


 フィリアの合図と共に一斉に動き出した五人だった...。

ティア ( 2016/05/28(土) 14:19 )