時には息抜きを
ー前書きー
執筆フォーマットを別執筆中の『神隠し事件』と同じように変更してみた。ギチギチに詰まるわけじゃないから少し可読性が向上した感じ...?
見にくく、いつも通りでいいと思うやこれで良いとかあれば突っ込んでくれれば幸いですん。
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「ふぅ...一時はどうなるかと思ったけど、なんとか全員無事に戻ってきてるみたいだね」
「確かにそうですが、ここに完全に戻るまではまだ分からないのですからしっかりモニターしとかないと」
「さすがリーフ...真面目だね...。分かったよちゃんとモニターしとくよ。 レミ、ココミ、そっちはどう?」
「今のところ無問題よ。レイエルさん達は特に問題無しに探索できたようですよ?」
「なるほどね。ココミは特定出来た?」
「コチラは皆さんが寄せられたデータとウィアさんがキャッチしたドリームメイカーのアジトの範囲圏内と合わせると...全体的にデータが分布して完全な根拠は無いのですがやはり、アーシアチームから言われた南西方向、言うならば西側が怪しいですね。 ...が、私はそれよりもウォルタさんのギアの熱暴走に関してが気になりました」
「気になる? 何がでしょうか?」
「...ありえない筈なのです。そんな初歩的なミスなど。 確かに連続使用でバッテリーの消費が多くて発熱するのは知ってて目を瞑ってたけど、暴走するのは不可能。理由として正常な動作に危険と判断される温度、水圧、衝撃、破損になったら自動的に全データを保存領域に追いやりシャットダウンするように組まれている。 けれど、起動後にシステムログを確認するもそんな処理がそもそも実行されていないで」
「保存領域...ねえ、それってー.........こんな感じの、中開けてディスプレイの裏側に張り付いてるシールの事...?」
ライトが工具ケースから両面真っ黒で片面が粘着質のシールのようなものを見せる。
「そうです。ただのシールに見えるけど非接触薄型のICチップです。二枚合わせになってるシールを剥がすと中に小さなチップが三枚入ってる。 一枚目と二枚目はシステムとアプリケーションのログデータ。三枚目が本題の退避データ保存領域です」
「そ、そうなんだ...。 ところで、退避処理プロセスはどこに入ってるの...?」
「それも退避データの領域に入れてる。処理は全て本体システムからのアラートがトリガーになってて、そして受け取ったアラートに従って退避データの種類を分けてる。 今回の場合ハードの異常だからアプリケーションデータ全てね。もし大きい場合は電話帳リストが最優先でされるようになってるのです」
「お、同じ姿だけどココミさんは私と比べ物にならないくらい凄いですね...」
「ん、そう言うレミちゃんもPギアの開発版バージョン使っていて、尚且つレポート何度も送ってくれてたじゃないですか。 そのレポートは開発に大いに助かってましたよ?」
「へぇー、レミはPギアにベータビルド入れてたんだ。 しかもレポート送ってくれるとかホントに助かるよ開発者としては。中には入れるだけで何もしない人とか居るからね。 言うなら新しいモノ好き、自慢する為とか、コレは結果的には有り難いことになるけど...見つけたバグをネットに書き込む人は提供して損したってやつだよ。ところで、ギラファとフィリアは今どこに?」
「えーと......あ、すぐそこですね」
リーフはマウスを操作して画面を切り替え、どこから取ったのかアルトマーレの上空写真を表示する。そして少し待つと大きな点と複数の小さな点が表示される。四つのものが三つ、二つの物が一つ...多分これがギラファとフィリアと思われ、これは大きな一つの点に近かった。
「そっか。それにしても...ノートパソコン四台なんて良く用意できたねリーフ......。 僕なんかデスクトップパソコンとノートパソコン一台ずつなのに...」
「二台はサーバー型で動かしてた物で、一つはメイン、もう一つは予備に持ってた物を持ってきてただけですよ。 サーバーを置ければこんなにノートパソコンが増えることなかったのですけど、暮らしてるのがマンションですから...」
「なるほ...あ、帰ってきた。おつかれフィリア、ギラファ」
相槌を打とうとしたところにフィリアに続いてギラファが中に入ってくる。けれど、何故かフィリアは少しムスッとした表情をしていて、それに対しギラファは少し苦笑いしているような雰囲気だった。
「おかえりーじゃないわよっ! 焦らせて行かせといて戻ってこいなんて...コレじゃただの行き損じゃない!!」
「まあまあそんな起こるなよフィリア...退屈だったんだろ? 良い時間潰しになったじゃねぇか?」
「むぅ...た、確かにそうだけど...ホントに何かやることって無いの? 暇すぎて眠いし、シルクが渡してきた調合の薬出来上がっちゃったし」
「確かに作ってたね。何作ってたの?」
「えっ? ...えーと、資料によると一時的な仮死薬と抑制薬みたいよ。仮死は飲むとホントに死んだように思わせられて、例えばで話すなら冬眠状態みたいなものじゃないかしら。そして抑制薬はその名の通り仮死薬の働きを抑制する薬よ。言わなくても分かると思うけど劇薬だから気を付けたほうがいいわね」
「あ、あのー...何故そんなのを頼まれて作ったのですか...?」
「良い質問ねレミちゃん。何故かって潜入に使えるからよ。 いい?仮死薬は確かに死んだように見せかけることができるけど、耳や目は脳は活動しているの。そして、心臓も凄くゆっくり動いて、体温を下げ、無駄なエネルギーを作らないようにして生死を保っている。つまり死んだように見せかければ場合によっては重要な情報を聞き出せると考えたわけよ。 あと時間経過で仮死は解けちゃうから注意が必要ね。最高でも30分が限界よ。もしそれが過ぎれば呼吸数、心拍数が戻って、元通りになってしまうわ」
「...何というかコワイね、みんな」
「そう言うライトさん本人も怖いですって...」
ライトの事を見ながらレミはため息混じりにそう答える。そして、そのことに関しては全員が首を縦に振って静まり返った。
しばらくの沈黙...その間聞こえるのはパソコンの駆動音とピッピッと断続な機械音、そしてみんなの呼吸...。けれどそれを溶いてくれたのは、
〈ふう、ただいまですマスター。そして皆さん〉
「あ、おかえりウィア。どうだった?」
ライトの補佐を務める人工知能AIであるウィアだった。その娘はライトが持ってきたパソコンのディスプレイにピチュー姿で何かを持って居た。
〈見ての通りそこそこって感じですね。ほぼ情報の無かったアルトマーレの地下区画の地図データですが。 では、プリントアウト開始します〉
ピーと短い電子音の後にプリンターが動き出し、ウィアが言うレポートを紙にプリントアウトして行く。それと同時に『DataBase Update Now...』と一斉にPCのディスプレイドライがブラックアウトし、その文字列と進行具合のパーセントゲージが表示された。
「さてと、暫くこのままだろうし女将さんのお手伝いにでもしに行こっか? こんなに電気使わせてもらっちゃってるしね」
「そうですね。向かうとしましょう」
「だな...それにちょうど容易終えるくらいには全員帰ってくるだろ」
リーフが答えその後にギラファと続く。どうやら全員その事に同意なようで、声は出さないが首で相槌は返していた。
ー後書きー
どうも、今回は会話ベースです。やっぱりこんな感じのやつならすぐに執筆出来る。もしかしたら学園モノとか、日常的な物の方が合ってるのかなアタシ...。
さて、今回の執筆方法変更の方はどうだったでしょうか?
前書きに書いた通り、どちらが良いか一言くれると幸いです。あと宜しければ作品に関して感想を...。
それでは次回話の『旅館にて』をお楽しみにー(?)。