貴方となら
「うーん、結局最案は無しね...まぁ、声だけでも聞けて良かったけど」
「ここまで調べると改めて、私がここまで来れたのも奇跡に匹敵する程の確率だったのですね...。 成功確率1.92%って...四捨五入で2%として、50回やったら一度だけ成功出来るという低確率...」
「条件が一致ならね。あとそれに色々な要因が入って全体成功率が変動するわ。 もしかしたらあの時はたまたま警備が薄くて、ウィアちゃんも居たから突破できたんだと思うわ。けれどあのコト以来、警備はかなり強化され、通路にはカメラが増設され、外にも住民になりすました警備の人達が歩き回っている。そして、最初に考えたエネルギーラインは封鎖...完全に打つ手は無しね」
ココは引き続きライリアの部屋。色々とあって私は部屋に居続け、ライトさん達にライリアさんと共に内部から情報を流し続けていた。最初こそ全員から怒られたけど...今では、私らしいで落ち着いてしまった。
けれど、最近は...
「...あ、そろそろ会議の時間では?」
「え? そうね、行きましょ」
「今回は何を作るのでしょうかねー、楽しみです!」
毎日出される新しい案や計画、既存の改良、どれもワクワクするようなものばかりで、黒さなんかひとつも見当たらなかった。どうやら本島の方、ナルトシティーにある本部、他支部は色々とギクシャクというか、硬いというか、とにかく色々あるらしい。
けれど、比較的アルトマーレの支部は優しい人が多く、距離が離れた一人小島なのもあって、殆ど原住民で構成されている。しかも幹部に、他の姿に変身していたけど、ラティオスさんが居ることに凄く驚かされた。それに、私のことも、ラティアスさんの大事な物を見つけてくれた事も知っていた。その事もあってか、私が本部に引き渡されるのを全力で拒否してくれ、ここに置いておくことに付いて契約書を交わしたとか。
そんな事があって、ココへ訪れて既に一週間。ライリアさんの念願だったヨーテルさんとの接触も叶い、次いでにライトさんが私達がココへ来た意味、願い、そして本部の事に今までにやって来た事を全て、幹部のラティオスさんに全部話した。
すると、もともと持っていたラティ達の独自情報網をフル活用し、同じく潜入、または各支部の知り合いとの連携と情報交換を極秘裏にしてくれる事となった。
そうそう。ちなみに私は、ライリアさんが一週間の間にどう手を回したのか分からないけれど、正式メンバー入りをしている事をつい昨日に知らされた。それも会議中に、ライリアさんに抱き着いていた私をサイコキネシスで会議真っ最中の真ん中へ引き剥がして...本当に驚きと緊張、息苦しさに震えが止まらなかった......。
でも、そうしてくれたから今、私はライリアさんと一緒なら自由に歩けるし、ずっと暗い顔をする必要も、血のりが付いた包帯に眼帯などを付ける必要性も無くなった。特別な事が無い限り、変わらずに外には行けないけれど、ライリアさんもヨーテルさんも毎日お話をしていて、凄く楽しそうで、私も一緒に混じって楽しかった。
私はふと思った。ココからが出発点なんだと。今までのことは全て前準備だと。みんなとラティオスさんと、そして...
「...ん、どうしたの? 私の顔に何か付いてる?」
「いえ、何も付いてないですよ。 ...でも」
「でも...?」
『貴方となら、何があっても付いて行きたい...そう思っただけですっ』
ライリアが居るならば、どんな困難でも色々乗り越えられそうな気がするから...
fin
ー後書きー
パラレルワールド編完結! いやー、執筆出来ちゃいましたね...。
取り敢えずこの時間軸である場合の終焉フローは、支部が全部、本部の敵になり、黒幕とされた上層部が全員逮捕。そして居なくなった代わりを務める幹部や上部層は、ライリアさんを幹部としてライト、ココミ、フィリア、ギラファ、そしてラティオスとラティアスが各支部や上層部に割り振られる構成へと、社名や運営方針が根本的に改変、追記される事となります。
暫くして、アーシア達はこれ以上居続けて空間亀裂を増やすことは出来ないと判断し、皆に見送られながらもとの世界に戻り、シルク達も長い研究を終えて、元居た世界に戻って...終わりですね。
今書いた事に関して執筆しようとも思ったのですが、あくまでこっちは失敗作で生まれたパラレルストーリーなので、メインストーリーに支障は起こしたくないので辞めました。でも、完結したら書こうかな?