封印された都市
ー前書きー
最近前書き書くこと多いわねー。
さて今回は前回の後書き通り、シルクチームのお話です。
今回は一日でかけた!
ーーーーー
「みんな、用意は出来た?」
ココは宿屋の一部屋で、バックに必要な物を詰めて探索の準備をしていた。丈夫そうな水筒に、懐中電灯に、各種状態異常を直す木の実、包帯、そしてシルクが作った特殊な種...想定外を考慮して少々多めに用意をしていた。
因みに丈夫そうな水筒にはコレまたシルクが作った液体が入っていて、オレンの実やオボンの実の絞り汁を主体とした回復薬が入っている。コレは飲んでも美味しく飲みやすいという、市販じゃあり得ない美味しさと効果の高さを兼ね備えている。因みに市販の回復薬の味は...お察しの通り大変不味く、あったら助かるかな程度である。いや、その前にあんまり飲むのには向いていなく、どちらかと言うと傷口に垂らして使うのがベストかもしれない...あまり効果は無いが。
それと、シルクが作った回復薬はアーシアチームとレイエルチーム(レイエル・モルク・ミミアン・ヨーテルの四人)に人数分作って渡していて、作成はアルトマーレに向かう途中の船の中で作っていた。
「コッチはばっちりだよ〜」
「ボクもだいじょうぶ!」
「私も大丈夫です」
「じゃ、簡単に今日行くところを話すわよ。私たちが担当するのは西エリアで、軽く調べるにこのエリアは町工場が多いエリアみたいで、ゴンドラとかよく作ってるみたいね。 ...それじゃ出発よ」
そう言いながら部屋の鍵を持ち、全員が出てからシルクも部屋を出て鍵を閉めて、宿屋の外に出る。すると、先に居た誰かと話していた。その人物は、
「あれ、アーシアちゃん。 何でここに居るの?」
「あ、シルクさん。ちょっと行く前に頭を整理というか、いろいろ振り返ってたんです。 今に至るまで」
「整理は良い事ね。そう思えば、貴方たちは凄いわよ。 ここに来たはずの時は右も左も分からなくて、技の扱い方も分からなかったのに、今はこうして逞しく生きてる。 ...人間からポケモンへの変化。戸惑いもあると思うけど、アーシアちゃんとマートル君、頑張るのよ」
「はい!」
「うん!」
「よしっ。 じゃあ私たち先に行くから、リファルさん達に宜しくたのむわね」
「分かりました。 皆さん気を付けて下さいね?」
「そちらこそ。特にアーシアちゃんは無茶しちゃダメよ?」
そう言って四人はアーシアに見送られて西エリアへと向かった。ココはシルクが説明していた通り町工場が多いエリアで、水路の多いアルトマーレでは必需品であるゴンドラを初め、温暖な気候を利用とした果樹園、畑、畜産業、そして生活に必要な電気を生産する波力発電施設に、万が一足りないときに近くにある諸島から電気を引っ張る懐中電線にインターネット用のケーブル等の、日々の生活に必要な施設が密集して揃っているエリアでもある。
そして現在時刻は正午ちょっと過ぎ。四人は西エリアへと辿り着いた。宿のあった南エリアに比べて人は少なく、その代わりあっちこっちで色んな音が響いていたり、たまに男の野太い声が聞こえたり、油やグリスのような工業独特の匂いが漂っていた。
「ココが西エリアかー」
「なんでしょ。この油のような匂い、私ちょっと好きかも」
「んー、私はちょっと苦手ね。 分からないけど、もしかしてリトちゃんは炎タイプだからじゃないかしら?」
「...あ、そう思えば確かタイプによっては好むような匂いがあるって読んだことがあるよ〜。 確かその中には炎タイプは燃焼系の匂いを好む傾向にあるって書いてあったかな?」
「へぇー、そんなマニアックな本なんてあるのね。今度覚えてる限り教えて? ユウキに教えたいから」
「いいよ〜」
「...ユウキってどなたですか?」
「あ、そう思えば話してなかったわね。 ユウキって言うのは私のご主人で、絆の賢者と言う能力...で良いのかしら?ともかく人間からピカチュウに変身出来るのよ」
「えっ、人間って...でも、この世界には人間は......シルクさんとウォルタさんって一体...」
「私はね、この時代の人達じゃないの。ウォルタ君はここの時代の人だけどね。 続きだけど、私は親友のセレビィーのお陰でこの時代に遊びに来てたのよ。そうしたらナルトシティの親方だったシュエリさんから私達が居たラスカ諸島のギルドにお手紙が届いて、こっちに来たのよ」
「ラスカ諸島!? ラスカ諸島って、このルデア諸島から一週間ほどフェリーを乗らないと着かない諸島じゃないですか!?」
「ん、リトさん良く知ってるね〜。 寧ろ僕たちはそんな距離があるところから手紙が来たのがビックリだよ〜」
「そうだったわね。だっていきなり私達宛にこの諸島の原因を調べてほしいって来たものね。 因みにこの諸島には一週間だけの滞在だったけど、色々あったし、あるしで延長してるのよ」
「ねーねー、とおいところからわざわざ来たなら、二人はつよいの?」
「んー、どうかしら。私一度この諸島来て一度力尽きて倒れてるし、スカーフ取られると自己意思が失われる欠点とか、普通じゃ気が付けない事を色々思い知らされたし、まだ弱いと思う」
「僕もかな。技が少ないし、決定打になる技も無いしね〜」
「そうなんだー。 あれ?ココどこ?」
「えっ? ...あれ、いつの間にかに人の気配が無くなってたわね。地図は...」
話に夢中になっていたせいか、いつの間にかに人の気配が全く無い路地を歩いていた。直ぐにシルクはGギアを起動し、メニューの中から地図アプリを起動して、全員に見えるように表示を切り替える。空中に映し出されたホログラムディスプレイには〈位置情報取得中〉の文字が点滅していた。
けれどいつまで経っても地図はディスプレイには映し出されず、その文字が表示されたままだった。
「あれ...おかしいわね。現在地が全く取得できない」
「...うーん、僕も起動してみたけどダメみたい」
「私のもダメですね...」
「ぼくも...」
シルク以外も起動し、操作するがやはり現在位置取得不可能で、マップは出るが結局位置が分からないので意味が無い。
「んー...とりあえず戻るのが先決ね。途中で曲がったりしてないはずだから、そのまま歩けばさっきのところに戻れるはず」
「だね〜。 ん、リトさんどこ見てるの?」
「...なんかこの辺、鉄格子で幾つかの場所が閉ざされてるんです。 まるで封印されているかのように厳重に。それとなんか霧が...」
「封印? ...確かに家の窓とか扉とかが開けられないように固く閉ざされてるわね......早く戻りましょ。なんだか嫌な予感がする」
「ですね。戻りましょう」
「なら、僕に乗って移動する? その方が早く移動できるし」
「そうね、頼むわ」
「了解〜!」
そう言って、ウォルタはミズゴロウからウォーグルに変身する。そして、全員を乗せると上昇してドンドン地面から遠ざかっていく...
「...あれ?」
「どうしたのウォルタ君?」
「なんか...息苦しくなってきた...」
「え? けど、高さはそんなに...」
「そのはず...なんだけど...。 ごめん、降りるよ...」
急に息苦しさを訴え、ウォルタはゆっくりと下降して着地してミズゴロウの姿に戻す。戻したあと直ぐに水筒を取り出し、中身を飲み始める。
「だいじょうぶウォルタおにいちゃん?」
「う、うん...大丈夫だよ...。 おかしいなぁ...なんで息苦しくなったんだろ...」
「そうなったの初めてよねウォルタ君。 もしかして工場の煙が充満してたりしたのかしら?」
「分からない...けど、いきなり苦しくなったんだ...」
「...おかしい。ココ、さっき飛び立つ前に居た場所と同じ......」
「そんなことないわよ。だって確実に移動を...」
リトに言われて周りを見渡し、シルクは言葉を失う。何故なら本当に移動前と場所が全く変わっていないのだから。変わったところと言えば、先程は塞がっていた地下への鉄格子が無くなって降りれるようになっている事だった。
「...変ね。まるでココの空間だけ取り出されてループしてるみたい......」
「私、ライトさん達に通話入れてみます。 ...け、圏外...一体コレは......」
「...機械の故障じゃないはずよね? だって宿出る前に全員試したわけだし......」
「んー。よくわからないけど、とんでダメなら歩いてすすむのは?」
「...ちっと待ってて」
そう言って、走ってシルクは霧へ突っ込む。数秒後、三人の前でブレーキを掛けると...
「どうだった?」
「この通りよ...やっぱりココ、ループでココに戻される。 進む方法は一つ、鉄格子が無くなった地下しかないわね」
「けど、まっくらだよ?」
「んー、けど現状それしか道が無いと思うんだよね。 もしかしたら僕たちは不思議のダンジョンに紛れ込んじゃったのかもしれない。もしそうだとしたら下りるか上るかすれば良いわけだけど、ココの場合は下るしか無いと思う」
「ウォルタ君の言う通りね。迷ってる暇はないわ。 行くわよ」
「うん」
「何もなければ良いですが...」
「それは僕もだよ」
そんな事を良いながら四人はゆっくりと石の階段を下り、それぞれ懐中電灯を付け、耳を澄ませながら地下へと降りていくのだった...。
ー後書きー
んー、ちょっとメインメンバー以外の口調を忘れてる気がする。一応纏めを書いたからどうにかなったけど、書かなかったらもしかしたらキャラ崩壊してたかも(;゜ロ゜)
いや、崩壊と言っても設定からズレる崩壊ですからね?はっちゃけると言う意味じゃないですよ?
さて、次回更新は考えてません。プロット考える時間が無くてですねー...一応アーシアチーム書くことは決定ですね。