ポケットモンスターズファンタジー〜導かれし者達の軌跡〜

















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[2]Final Story
心囚われし者
 お久しぶりですやっと更新できた(


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「はぁ...はぁ...もう、ちょっとてかげんしてよ......」
 肩で大きく息を吸いながら、マートルはぼそっと呟く。だからと言っても敵のクチートが手を緩める事などはしない。それ以前に『心囚われし者は自らの感情は無く野生の本性そのまま』で行動を決定して攻撃をしている。
 更に言うと、本来ならば身体のパワーは100%使えないのだが、心が壊れていて、物事を考えもしないので常に全力、身体がどう悲鳴上げてもお構いなしに動き回る。たとえ大きなダメージを受けようが、骨折しようが関係無しに攻撃をしてくる...。
 例えるならばゾンビ、血に飢え、戦って食らう、ただそれだけしかない簡易な思考プログラムだ。けれどそのお陰もあって、どんなに大勢居ようが、群がって来ようが避けるとかガードするとか、相殺するとか、そんなことは一切しない。









 が、今まで自分たちは誤解をしていた。いや、思い知らされたがこの場合は正しいかもしれない。なぜなら今は、四人が戦っている敵全員が避け、ガードし、相殺をしてくるからである。ただでさえ全力で戦ってくるのにそのデメリット、自分たちにとってのメリットが無くなって、しっかりとして攻撃を与えられなく、相手のずっと続くラッシュを避け続ける。
「はぁ...はぁ......み、みずてっぽう!!」
 合間を取ってマートルはちょっと無理な体制で攻撃をねじ込むがヒラリと回避され、逆にコチラが直ぐに動けないところを深追いせず、ダメージが浅い代わりに即時に繰り出せる技でジワジワと削っていく...。
 しかも運が悪いことに脇腹へ、振り回したクチートの頭にある口がジャストヒットして、思いっ切りむせる。基本お腹はどのポケモンだろうが骨格的に弱点(岩タイプとか霊タイプなどの歪なタイプは除く)であるし、特にマートルに至っては背中は甲羅だが、お腹は防御的な物は一切ない。弱点とも言えるかもしれない。

 いたい...カラダのあちこちもイタイ......。けど、みんなたたかってる...ん、そうだ...

「...でんこう...せっかっ!」
 ふとマートルは思い付き、今度は避けるだけではなくて、成るべく飛びついて攻撃をしようとして行く。けれど全ての攻撃は避けられ、体力が消耗するだけだが、マートルは思いついた事の為にめげずにアタックしていく。そして少々壁の方まで追いやると、そのままの助走で体当たりを繰り出す。けれどこれだじゃ終わらなかった。
 それはゼニガメやカメールだからまだ使える技...
「カラにこもるからの...みずてっぽうっ!!」
 四足を甲羅の中へ引っ込め、引っ込めた穴から水鉄砲を放ち、回転しながら突っ込む作戦だった。結果、空気抵抗を減らして少し素早くすることに成功した。
 因みに攻撃のイメージを説明するならば、フリスビーから水を放出しながら突っ込んでくるようなイメージである。
 けどそれだけで攻撃が当たるほど甘いわけじゃなく、やはり簡単に避けられてしまう。が、なんとマートルは想定の範囲内だった。理由として後ろが敢えて壁になるように敵を誘導したのはマートル自身である。
 それに背が壁なら避ける方向は二つの方向だけに絞られる。もちろん上に逃げる方法もあるけれど、そうしたら今度は空中にいる間に攻撃をすることもできるし、着地を待って隙が強い技を放つことだって可能なのだ。
「あまいよっ!! アイアンテールっ!!」
 避けられて直ぐに甲羅から四足を出すと、壁に向かってアイアンテールを繰り出して即時切り返しで攻撃を狙う。すると読み通り、バックしながらマートルから距離を取るクチートの姿。けれど足元を見ていなかったせいで、先ほどの攻撃で巻かれた水に足を取られて足を滑らせて転倒した。
 ぞれを見逃さず、身体をバネのように体をひって、そのバネを開放するように力一杯アイアンテールを繰り出した。すると先程までとは違う確かな感触...目を開くと見事に脳天をアイアンテールが捉えていた。
「うっ!! ううぅ......」
「...ふぅー......。 ぼくの...かちだね...」
 クチートは崩れ落ち、そして冷たい石床に崩れ落ちる。
 そして、小さな呻き声を上げながら四足を動かすが、空中を掻いているだけで身動きできていない。その姿はまるで電池が切れそうなおもちゃのような感じとマートルは感じ取った。けどそれと同時に、

 ...ほんとに...こんなコトでしかなかったのかな.....。ほかにほうほうって...ないのかな......。

 そんな考えが脳裏に流れ込み、しばらく藻掻くクチートの側に近付いた。一方クチートは未だに攻撃しようと手を伸ばし、マートルの右手を掴んで引き込もうとする。が、力がほぼ無くて掴むだけになっているその手を優しく払った。
「がるぅぅぅ......」
「...つらいなら、ねようよ。ボクたちはキミたちにもとにもどってほしくて、ここにきたんだ。 それまで、ゆっくりしてて...ね?」
 そう言って、弱めに水鉄砲を放って壁側へと押しこむ。放ち終わると、そこには寄りかかるように倒れているクチートの姿...けど、なんとなく笑っているような感じがマートルはした。


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「シャドーボールっ!! サイコキネシスっ!!」
 放った紫色のエネルギー弾をサイコキネシスで操って、ガブリアスを追いつめていく。けれど、そんな簡単に当たってくれる事もなく、少し引き気味に切り裂いてしまう。先ほどからずっとこんな感じで、技を出せば全て無効化か切り裂かれてしまう。シルクは『絆の従者』により、及びスカーフの効果により攻撃力などが上がったりのメリットもあるが、デメリットとして一切の物理技が扱えず、体力もそこまであるわけでもない。
 にも関わらず、シルクは周りの敵を相手にしながら同時に今まではガブリアスを対処していた為、既に消費が激しいことになっている。今はリトとウォルタが主に倒して貰ったので、やっとガブリアスだけを相手にできるようにはなった。が、そのガブリアスは周りの敵が居なくなるのを暗闇で待っていたようで、ただでさえ減らされてるスタミナを連続攻撃や、追い回しでとことん減らして尚且つ自分は攻撃せずに守りだけに徹していた。

 な、なんなのコイツ...避けてばかりで...まるで私が体力切れを...待ってるみ
たいじゃない......

 大きく呼吸しながら、目はしっかりと敵の方へと向ける。動かれても直ぐに対処できるように、見失わないために。
 ココは上空の切れ目から光が射し込んで見えなくはないが、そこまで大きく開いているわけじゃないので、場所によっては暗くて見にくい。しかもガブリアスの体色はダーク系に近い為に、少しの暗闇でも溶け込んでしまう。

 ...やっかいね。何か一瞬でも隙でもあれば.....

 小物が二つか三つくらいしか入らないバッグから、自然治癒力向上促進薬とスタミナ回復薬を一つずつ取り出して一気に飲み干す。けれど味はそこまで美味しくないので軽くむせる。
 でも今はそんな事は言ってられない。寧ろそんなアイテムがあることに感謝すべきことである。作ったのはもちろんシルク自身なのだが。

 ...もう少し集中力上げないとダメね。けど、この状態で瞑想を使えるとは想定思えない......

 しばらく双方は歩きまわりながら睨み合いが続き、隙を伺っているかのようだった。けどそんな時、奥で大きな水の塊が出来始めた。まるでコマみたいな形をした物...それを発動させている、
「ウォ、ウォルタ君っ!?」
 そう、ウォルタである。察するにアレは水タイプの技ではそこそこ威力高い方に分類される『渦潮』という技。コレに巻き込まれたものはダメージはもちろんなこと、拘束や目回しなどのデメリットが付加される。
 けど問題はそこではない。ではその問題とは、新しい技を新たに覚えて扱えないからである。理由としてウォルタが属している『真実の従者』で、シルク自身もだが覚えられる数に対しても制限が掛かっている。理由として身体に負担が掛かるからと、一番にリミッターが自動的に掛けられるのだ。

 それらの事はともかく、ウォルタが放った渦潮でゴローンは倒され、ほんの一瞬だけガブリアスの意識が倒されたゴローンに向いた。
 そしてシルクはその一瞬の逸らしを見逃すこと無く走りこみ、攻撃を加えうとする。が、すぐに気が付いて突進を避けられてしまう...。
 けれど、そのことに対してシルクは無意識に目覚めるパワーを発動させ、シルクを中心に水滴のように広がる輪っかを命中させる。怯んだところにシャドーボールを即時生成して、なんと発射などせずにそのままガブリアスへと突っ込み...その爆発の後に二つの影が吹っ飛んでいった。
 一つは石ころのように無造作に転がり立ち上がらない者、もう一つは同じように転がったけど、ヨワヨワと立ち上がる者である。そして、立ち上がった者は...










「もう限界ね...いたた......」
 それはシルクの姿だった。けれど言葉の通り足はガクガクと震えていて、立ち上がるのがやっとと言う印象...。
 けれど、ウォルタのお陰で一瞬の隙が出来たお陰で倒せた。それにリトとの協力で周りの敵を一掃してくれた。仲間の手助けがあって勝てた事だった。

  ...今度は私が...恩返しね......

 そう心で思いながら、キノガッサと戦っているリトへと、ズキズキと痛む身体へとムチを打って加戦するのであった。


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 ティアです。長くなったので切ります(

ティア ( 2016/04/06(水) 02:07 )