新たなワザ
ー前書きー
おまたせしましたー(
学校で作っていた制作物の最終仕上げとプレゼン準備してたので遅くなりました。
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シルクの合図で散開してそれぞれ敵へと突っ込んでいく。コチラは4人、敵は20人程いて、救いなのは上から光が漏れていて照らさなくても周りが見えることである。それと図体が大きいのも救いかもしれない。
因みに明るいの他に、ウォルタが入ってきた方面は言うまでもなく崖で、左右は行き場無し、反対側の奥は道が続いていて、構造としては閉じられていない円形(全角丸括弧)のような感じになっている。
地形に関しては、地面は同じようにデコボコとした石の地形で壁も同様、けれど一部床は浸水していたり、石の柱があったり、大きな岩石があったりと、意外と障害物が多いのも見受けられる。
だから、引っ掛かって攻撃を食らいそうになる時がある。けれど、それは敵も同様のことだった。
「おっとと!?ってあぶなっ!? ...つまずいたときにやるなんてはんそくだよっ!! アイアンテールっ!!」
つまずいてフラッとしたところへ敵の攻撃が入るが、敢えて低い体制にしてバランスを即時直して敵の攻撃を避けると、反撃でアイアンテールをマートルは綺麗に決めて倒す。
マートルの戦い方はリファルの特別講習で鍛えられている為、先頭スタイルもリファルとほぼ同程度になっている。そしてリファル流としては『自分がピンチほどコチラはチャンス』という考えを持っている。コレは対象が『ピンチほど大振りや決め技などを放つ事が多い』という心理的判断を逆手に取った方法で、言うならばピンチはチャンスというリファルらしったららしい考え方である。
「でんこうせっかのロケットずつき!!」
そして、食い気味に攻撃していくのも特徴で、一つ間違えば攻撃を食らうのではないかとヒヤヒヤするほど敵陣に特攻していくド近接アタッカーである。もちろん危険になれば引くが、マートルは甲羅に篭ってガードが可能であり、それはリファルがアイアンテールで技のガードをしていたのを見て、自我流にアレンジしたのである。
だから、本当に危ない以外はガードやアイアンテールでの受け流して、敵を倒していた...
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「かなり戦いにくいわね...サイコキネシス! まずは一つ!」
敵から打たれた炎をサイコキネシスで捕まえて、周りに漂いさせて、自らシャドーボールを出して同じように加える。これで属性二つ目。
シルクは近接攻撃、言うならば物理技が使えないので、すべて特殊技だけに限られる。
「くっ!? ...攻撃と流れ弾が多い...ならっ!!」
乱れ飛ぶ様々な敵の攻撃を避けながら、シルクはよりサイコキネシスを強めて当たりそうな特殊技を全て受け止めて分解と融合を繰り返す。そして、そうしているうちに直径50cm程ありそうな、巨大なエネルギーの塊へと変わっていく。
「...これだけ集まれば! 発散っ!!」
掛け声の後に一気にエネルギーの塊を破裂させて四方八方に飛び散らせる。が、それだと仲間にも命中するのである程度はサイコキネシスで当たらないように誘導させて、球体は淡い紫の残像を残しながら敵へと当て、攻撃で約半数ほどが纏めて倒れた...
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「...流石シルクさんですね。けど、私も負けられないからっ!」
敵の攻撃を必要最低限で避けながら、着実に攻撃をして数を減らしていく。リトの攻撃スタイルは持ち合わたスピードとパワーで押し切るアタッカーだが、敵の攻撃の見切りがとてつもなく上手く、必中の技でも高い確率で回避してしまう。
「立ち止まったら負けよっ! ニトロチャージ! 火炎放射っ!!」
身体に炎を纏い、その炎を種火として火炎放射へと繋げて攻撃をする。そしてニトロチャージメリットは素早さの向上な為、更にリトのスピードに磨きが掛かる。
そのことを利用して、
「これで終わりよ! 追い打ちっ!!」
一気に攻撃した対象に近付いてとどめを刺す。けれど着地すると、絶え間なく敵の攻撃が飛んでくる為、すぐに動いて行けそうな敵を探す。
「四人居るんだから周りに目を配りなさい! アイアンテールっ!!」
ウォルタの方向を見て、固まってる敵にスピードの乗ったアイアンテールをお見舞いしてふっとばし、そのままウォルタの背中を守るような位置に回った...
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「あっ、助かったよー! なら...シャドークロー!!」
リトの助太刀にお礼を言いながら、ウォルタはウォーグルへと姿を変えて飛び掛かってきた敵に攻撃を食らわせる。ウォルタの戦闘スタイルは、ミズゴロウとウォーグルに姿を変えながら、戦場をかき回すような立ち回りで、二つずつの技を駆使して攻撃するテクニカルアタッカー。
ミズゴロウの時は火力が高く、逆にウォーグルだとスピードが上がって敵にとってはかなり面倒な対象となる。
「やはり、固まったほうが安全かと思う! 火の粉っ!!」
「やっぱりそうかなー? ツバメ返しっ!!」
リトが手加減して攻撃して避けたのを、ウォルタがうまく合わせて攻撃する。そして、攻撃が決まってダウンしたのを横目でリトは確認しながら攻撃し、接近してきた敵はジャンブで回避して、上から火の粉の雨を降らせた。
ウォルタは火の雨をミズゴロウに姿を変えて避けながら、その攻撃を受けてフラッとした敵に対して体当たり(技では無いので威力はそこそこ)して攻撃をして、着地したリトの背中へ回る。
「ウォルタさんタイミングバッチリ!!」
「リトちゃんもだよー。確かに言った通り、固まった方が良いかもね! 水の波動っ!!」
「けど、二人くらいかな。火炎放射器っ!!」
固まっていたイシツブテに対して、喋りながら二人は攻撃を放って倒す。これで粗方敵は倒し切り、後はゴローンやキノガッサ、今シルクが戦っているガブリアス、マートルが戦っているクチート倒せば殲滅完了である。
「あとコレだけだね。リトちゃん、キノガッサお願い出来るかな?」
「はい。じゃあゴローンおねがいしますね」
「任せて。早く倒してシルクやマートルのカバーしないとね。 じゃ、いくよーっ!!」
まずウォルタが走り込んでゴローンへと水鉄砲を発射。それと同時くらいに火力が強い火炎放射をリトはキノガッサへと放つ。
「やっぱり避けるよね。君ちょっと他の敵とは違って手強いかも。 ...シャドークロー!!」
相性では良いものの、使える水タイプの技が一つしかなく、もう一つが『地震』なので、結果的にウォーグルに変身してシャドークローとツバメ返しで攻撃しかない。かと言って、燕返しは岩タイプに対して相性が悪いのでダメ。けれど姿を頻繁に変える場合はリスクが伴うし、それに一度の変身で集中力などを持って行かれるし(その姿を強くイメージする必要がある為)、一番に体力が持っていかれる。
でも、
「...やるしかないよね。 シャドークローっ!!」
加速して、取り敢えずダメージを与えられる技を発動する。紫色の爪をゴローンへと突き刺そうとするが、相手はバックステップを踏んで避けて、その着地の衝撃で地面が大きく揺れる。そして、そのたびに周りから小さな悲鳴が洞窟内に反響する。
声たちの主は勿論シルクやマートルやリトの声で、小さな悲鳴な後にもう一度悲鳴が聞こえるので、確認していないけれど姿勢を崩した後に攻撃を受けている声...。
このままじゃ駄目だ...他の攻撃に帰るか、仕留めないと......
けど、一体どうすれば...
シャドークローのラッシュを一度やめて、着地せずに空中でミズゴロウの姿に何故か戻す。着地をしながら、動かないと向こうが攻撃をしてくるため、回り込むような動き方をするけれど、闇に捕らわれた者は思考が無いはずなのに、迷いに気が付いたのかかなりしつこく攻撃をしてくる...。
いや、ラッシュの仕返し...?どちらにせよ、ウォルタに敵は、ゴローンは考える時間を与えてくれない。しかも今度は先程のように変身する機会すらも与えてくれない。しかも、ミズゴロウの姿では早いというわけではないので、避けるだけで精一杯である。
「ううっ...なんで相手は...息切れしない...の...? コレじゃ...不公平だよ......」
肩で息をしながら、未だピンピンしている敵を鋭く睨む。けれど敵はそんなのに怯むこともなく、肩で息をするウォルタをまるで馬鹿にしているような、顔をしていた。いや、少しばかり笑っていた。
そんな感情が残っていたなど予想外だったが、元は普通の人...例え倒したとしても、目が覚めればまた襲ってくる。完全にループである。
出来れば攻撃をしないで、助ける方法を知りたい。けれど、ギルドに入って、それからそんな可哀想な悲劇がある事を知ってからウォルタは、対処法が無いかずっと調べた。過去の地理や歴史等が書かれた分厚い書物、時には危険な遺跡、海面上昇で水没をした町、そして情報屋なども...。
けれど、何一つとして方法が見つからなかった。得た事は考古学と、様々な考え方と捉え方。だからと言ってなにか変わるわけじゃない。
「はぁ...はぁ......っ?な、なんだろこのイメージ...」
ふとの頭の中に水・流れ・回転・渦、そしてそれを投げるイメージが浮かび上がる。ウォルタはその不思議な感覚のまま強く、濃く、イメージをしていき、その通りに身体を動かすと...
「...っ!? ど、どういう事なの...これ...」
イメージしてからずっと瞑られていた目を開くと、それは今まで戦っていたゴローンが、まるでコマのような渦潮に飲まれて、四苦八苦悶え苦しんでいる光景だった.........
ー後書きー
ども、ティアです。えっと、一応戦闘シーンになってるのかなコレ...モドキじゃないって聞かれたら、首を縦しか触れない(
...取り敢えずそれはともかく(←いいの?)、今回も続けて前後編のお話です。次は早く更新したい...けど戦闘描写ムズカシイ(