封印都市で - 中編
ー前書きー
ちょっとこっちは久しぶりかな?
色々ありすぎて執筆が急に困難になっちゃってですね...(バイト先で責任者に抜擢されたり(入って5ヶ月くらい)、寝込んだり、目の当たり怪我したり)。
それに、やること山積みすぎて毎日一時間しか寝てなかくて、執筆に時間を作れなかったり...。
そ、それはともかく、投稿日は交互してるけど、分けて執筆してるからあらすじは大丈夫よね?
ーーーーー
〈...次、高度を下げて右へ...次は高度を上げて左方向...このまま真っ直ぐ......〉
マートルが身に着けているGギアから定期的に指示が飛び、それに合わせてウォルタが飛び方を変えていく。
天井からまるで氷柱のように石が生え、しかもココの地盤上かなり岩石になっているらしく、もし当たってしまったら簡単に骨折を引き起こしてしまう。それに床も同じようになっている為、もし落ちた場合は全員石の柱に串刺しになってしまい、命の炎は直ぐにでも消えてしまうであろう。
「中々600メートルって長いんだね。車だとすぐ着くのに」
「スピードを抑えながらの失速しないくらいのギリギリで飛んでるからねー。 ウィアちゃん、後どのくらいで到着しそうなの?」
〈この状態が続くのならば、推測では三分以内でしょうか。 ...あ、ウォルタさんしばらく進んだら少々ホバリングして下さい〉
「...え? ど、どこか降りれる場所か皆を降ろせるところはないの?」
急にホバリングを要求してきて、ウォルタはちょっと焦りながら飛び続ける。そこそこ今はスピードがある為に安定度は高く、乗っている三人は事無きを得ているが、ホバリングなどやったら完全に上下の揺れに真下へ羽ばたかせなければ無理な為、全員滑り落ちてしまうのだ。
〈言う前に場所の確保でしたね...あった。 ウォルタさん一度ルートを左にずらします。そこを左に入って、直ぐに右へ曲がって下さい。その場所に少し広めの足場があります〉
「了解...ココだね。うん、ココだったら問題無さそうだね。ついでにちょっと疲れてたから助かったよ。 よっと、皆いいよ」
「っとと、ココまでお疲れ様ウォルタ君」
「おつかれっ!」
「お疲れ様でした」
「ありがとうみんな〜。 ところで、なんでいきなりホバリングなんて要求したの?」
〈少々連続でスキャンしすぎたせいで、スキャナに小さなエラーが見受けられたので、他のギアへ移ろうと思いまして。 あと、現在ウォルタさんが装着しているギアは発熱しているので、そのままのお姿か、取ってから水で冷やすかしないとヤケドします〉
「つまり、一言で言うなら熱暴走したってことね?」
〈はい。まさかこの事は予想外でしたので驚きました。 .........なので、しばらくウォルタさんのGギアは安全の為しばらく電源を落とさせてもらいます。それと、どうやら裏にある洞窟は目的地の場所へ繋がっているらしく、歩いて行くことは一応可能です〉
少し長い沈黙の後に、今度はシルクのGギアから声が響く。シルクが確認すると、先ほどあったウィアがディスプレイに映り込んでいた。
けど、少しシルクは疑問符を浮かべる事となった。理由はウィアの姿に少し乱れと言うか、歪みと言うか、ノイズと言うか、不鮮明で描画されているところがあったからである。が、ウィア本人は全く気が付いていないらしく、普通にコレからの事を話していた。
「なるほど。じゃあ少しの戦闘はあり得るかもって事だね?」
〈はい。 なので警戒を怠る事は無い方が宜しいかと。ですが私が居るので、Gギアの過熱を心配しつつ周囲をスキャニングするので、滅多なことが無い限り安全にサポート出来るかと思います〉
「でも、ボクたちはくんれんでたくさんうごけるようになったんだよ! 少しくらいたたかうことになっても、大丈夫だとおもうよ!」
「けどマートル君、そんなに自信過...出切ると思わないほうが良いと思う。 案外出来ないことって多いから」
「そうね。それに、常にリスクを考えて行動すべきだわ。 ...さてと、私とウィアは見張りはしておくからみんなは休んでて」
そう言うとシルクは先へ続く洞窟の方へと歩を進めて行く。洞窟は抉られたような形で大きな口を開けており、やはり地盤が硬いせいか亀裂がかなり多く、パラパラと石や砂利が降ってきていた。流石に直ぐには崩れないはずだが、技や地震などで亀裂がズレたりでもしたら纏めて崩落しそうだった。
「(かなり不安定ね...この道は使わないほうが見のためかもしれないわ。 ウォルタ君には悪いけど、もう一度飛んでもらって本来のルートから行ったほうがいいかもしれないわね...)」
〈確かにそれは私も同意見です。 何が起こるか分かりませんから〉
「へぇー、ウィアちゃんって心の声が聞こえるのね」
〈詳しい仕組みは難しい為に説明出来ませんが、する事はできます。 どうやらマスターが出来たほうが良いと思ったらしく、付けたみたいです。その分、本体が重くなったりエラーしたりして大変だったみたいですが〉
「そうなのね。 ところで、ちょっと気になること良い?」
〈どうしました?〉
「...さっきウォルタ君のギアが熱で不安定になって私のギアに来たじゃない? その時よりウィアちゃんの姿にノイズが見えるんだけど...気のせいかしら?」
〈ノイズ...ですか? けれど、私を構成するコアは現在マスターが居る宿で、ココに居る私はギアのメモリーに存在するコアの縮小版に居るので、そんな事はないかと思いますが〉
自分の身体を見渡し、尻尾を振ったり腕を振ったり、色々試して異常など無いことを確認する。けれど、その間にもウィアの身体の輪郭にノイズが時々走っていた。
〈...コレと言ってパーツ各部、テクスチャマッピングシステムにエラーは見受けられません。何かの見間違いでは?〉
「...そうしたらアタシの見間違い、ね。 ウィアちゃん、ここ以外のルートはやっぱりウォルタ君に飛んでもらったほうが良いかしら?」
〈...そうですね。洞窟を通るよりは安全です。けれど、ウォルタさんの疲労度的にもう少し休ませた方が良いと私は判断します〉
「そうね。だってずっと私達を載せたまま、柱にぶつからないように、色々と用心しながら飛んでたから疲労はかなり蓄積されてる筈。 ...さて、じゃあ戻りましょうか。行けないと分かってるところは見張りの必要が無いものね」
〈はい。では皆さんのところへと戻りましょう〉
それを聞いてからシルクは方向転換をし、みんな所へと戻る。戻ってみると、マートルがうつ伏せで気持ち良さそうに寝ている姿と、その状態であるマートルの頭をゆっくりと撫でながら、ウォルタの言葉に耳を傾けているリトの姿があった。
「あら、マートル君は寝ちゃったの?」
「あ、おかえり〜。 うん、なんかゴロンと寝たらそのまま寝ちゃったみたいなんだよね。やっぱりまだ幼いからかな?」
「確かこの子はまだ9才なんだっけ...。 ホントだったらまだお母さんに甘えてるかな位のはずなのに、マートルさんはそんな事を行ったり弱音を吐かないで前を突き進んでる...見習わなきゃ」
「そうね。 確か私がそのくらいだと...ユウキに拾われてから二年後くらいだから、まだイーブイの時...だったかしら? あの時はまだ甘えん坊だったかもしれないわ」
「ユウキさんって、先ほど話ししていた人ですよね? 心配していないのですか?」
「大丈夫よ。ちょっと忘れかけてたけど、時渡りで時間の調整は出来るみたいだから」
「あれ、シルクって何歳だっけ?」
「間違いがなければ丁度20歳ね...そっか、ユウキとはもう13年の付き合いになるのね...早いわ。 ...あ、ごめんなさいちょっと過去に浸っちゃったわ」
じっと見られてるのを感じ、首を降って頭の考えを真っ白にする。
「...つまり、親ってことですか? 拾われる前...っという聞き方は失礼かもしれないのですが、何をしていたのです?」
「何してたかしらね...実はあんまり覚えがないの。あるのはユウキと会って、色々旅をして、苦楽を共にして、一緒に研究したり、色んな人達や仲間に出会った事は忘れたことは無いのに」
「...愛されてたのですね」
「愛されてた...とは少し違うかもしれないけど、一緒に居て当然の存在ね。私はいつまでもユウキに付いていくと宣言出来るわ」
「...ユウキさんって人、凄い人なのですね。 なんか、ユウキさんが居たこそのシルクさんって感じがします」
「確かにそうかもしれないわ。ユウキに拾われてなかったら貴方達に会うことも無かっただろうし、それ以前に...ちょっと大袈裟だけど生きていたかどうかも分からない。 だから、本当に出会えて良かったと思ってるわ。それに、絆を深め合うことの出来た今の仲間にも会えて良かったと思っているわ」
「私も一緒。今はこんな姿だけど、ポカブになって、色々な人に出会って、行動を共にして、普通じゃ体験できないことが出来て凄くワクワクしてる。 この世界の危機だから楽しんじゃダメと思ってるけど、やっぱり心の何処かで、この姿で色々なところや景色...ううん、世界を見たいと思ってる」
「旅するのが好きって事かな?僕も好きだよ〜。 やっぱり見たことのない景色や場所、体験はワクワクするものだもんね」
全員マートルを起こさないように気を付けながら話しをする。それを聞いていたウィアも、
《景色ですか...私も見たいですね。 自分の目で、自分の足で赴いて...》
やっぱり話題になっていた景色のことを考えていた。けれどウィアはネットワークピクシーと呼ばれた物体の無い0と1のデータ群から作られた存在。思考や欲求も全部プログラムで作られていて、これが本当の思いなのか、それともプログラムで作られた偽りの思いなのかはウィア自身、どうやっても判断不可だった。
「そうだ、ウィアちゃんはどうなの〜?」
〈...へっ? 私ですか?〉
「そうそう。ウィアちゃんはしたい事とかないの?」
〈わ、私はプログラムですし、したい事が本当かどうか分からないですし...〉
「でもあるんでしょ?そう言うってことは。 僕はプログラムであろうが何だろうがウィアはウィアで、一人のちゃんとした人物だよ?」
「そうね。私もそう思うわ。 普通なら人の事を心配とか難しい筈よ。けれど、あなたはそれだけじゃなくて喜び、楽しみ、悲しみ、怒り、悲しみをちゃんと持ってるじゃない」
「相談にも乗ってくれましたし、ウォルタさんの言う通り一人の人物と大差はないかと思いますよ?」
〈皆さん...ありがとうございます。そう言ってもらえて私、凄く嬉し...!? こ、これは...〉
目元を擦った時にウィアが驚きの声を上げる。それは透明な液体なような物が手の甲で光っていたからである。
「ウィアちゃん、それって涙...よね?」
〈あ、有り得ない...私の思考プログラムにはこんなことが出来るようなコードは無いはず...。 あれ...と、止まらない...」
そのうち、すすり泣く声が交じるようになり、しばらくの間涙が止まることがなかった。
結局落ち着いたのは、マートルが起きるほんの前くらいで、起きてきて軽く目尻が赤い事を心配していたが「ちょっと痒かっただけ...」と答えた。
それを見ていたシルクはほんとに一人のポケモンなんだと思いながら休憩を取るのであった。
ー後書きー
ティアです。なんかウィアの事書いてたら長くなってたでござる(
ヨテイトゼンゼンチガウナー
さ、さてと、今回はウィアの事も多かったけど、シルクの過去の過去にもちょこっと触れてみました。コレは@さんの小説で書かれていたキャラクタープロフィールや、本文を読んで、自分なりに解釈して「こうかな?」と書いた物なので、間違ってるかもしれません。
にしても、やはり前中後編になっちゃいましたね...イメージが出ないとほんとに出ないのに、出たら出たら暴走するという...私には中間は無いのかしらねー(白目