ポケットモンスターズファンタジー〜導かれし者達の軌跡〜

















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[1]Final Story
怪しき者 - 後編
「...うん......」
 ......ホントにコレで良いのかな...嘘かもしれない...。けど、アーちゃんのあの苦しそうな顔...早く何とかしてあげたい。その方法は掛けたアイツが知ってる筈...。

「どうした、なにか言いたいのか? 別に良いが、早くしないとアイツがどうなるか分からんぞ? 最悪マジで死ぬかもしれないしな。が、それはコッチにとっては情報が抜けなくなるからマイナスしかないが、居なくなることに関しては大いにプラスだ」
「っ! ...わかりました、従いますのでアーちゃんを......」
 死ぬかもしれない...いやだ、そんなの嫌だ...。でも...でも...居なくなることに関してはプラスって事は...もしかしたら従っても......。


 この言葉でスイレンの迷いの針は更に大きく揺られていた。今はマコトのバックを枕代わりに床へ寝かされていて、10mほど離れているところからでも苦しそうに息をしているのをスイレンは見て取れる。
 それに、先程よりも顔色が明らかに悪化していて、呼吸も先程より浅くなっているのが分かってしまった。


「アイツをなんだ? どうしたいまで言わないと分からないぞ」
「...お願いします。アーちゃんを、アーシアさんを助けてくださいお願い致します......」
 あんな、辛い顔をしたアーちゃんは見てられない...。ホントに...あのままじゃ死んじゃうかも...しれない......。










「そうか。なら...ギガインパクトっ!!」
「っ!? きゃあぁ!!?」
 技名にふと顔を上げたと同時に強力な衝撃がスイレンの体を突き抜け、まるで物のように地面にふっ飛ばされて転がる。
 スイレンは今の強力な不意攻撃を何とか耐え抜いて意識を保つが、いつ飛ぶか分からないほどに一度にダメージを食らう。更に怯みのデメリットと加わって全く身体が言う事を聞かなかった。

 それを見て攻撃をした本人は特に無表情...いや、少しだけ申し訳無さそうに近づいて、


「悪く思うなよ。ちゃんと約束は果たしてやる」
 と小さく言いながら、スイレンを鎌で傷付けないように気を気を付けて持ち上げから肩に載せ、アーシアの元へゆっくりと歩く。





 が、

「水の波動っ!!」
「っ!? ...おい!!お前の担当だろうがジグっ!!」
 横から来た攻撃、言うまでもなくマコトの攻撃をギリギリで避け、文句を入れる。が、その間にもマコトは攻撃を緩めようとせず、寧ろ激しさを増していく。
 それをジグがサイコキネシスで捕まえようとするが、何故か捕まえられないらしく、首を傾げていた。

「待てっ!! スイレンを...どうする気だっ!!」
「あの小娘とあぶねっ!? ...持ってくだけだ」
 追い掛ける間合い間合いにマコトはアイアンテールを噛ませて、ストライクへ何度も攻撃を加える。ただ、それを後ろ飛びで回避しながら揺れで何度も落ちそうになるスイレンを抑えて回避している為か少々動きがぎこちない。
 が、逆にマコトに取ってはそのぎこち無さが戦闘経験が浅いイコール弱いと判断したようだった。

「当たれっ! 当たれっ! ...なんで当たんないのこんな奴にっ!」
「こんな奴にとは...っと、言うじゃねぇか。 ...いい加減にうぜぇ!!」
「ぐはっ!? ...し、しまった!」
 連続攻撃に少々疲れたのか少し隙が多くなって来て、アイアンテールの大振りをしたところに思いっ切り蹴りを入れてふっ飛ばす。そこにようやくジグのサイコキネシスが当たり、マコトの動きが静止される。

「ふぅー...ジグ、お前時間掛かりすぎだ。何事にも時間が掛かるのをもう少し何とかしてくれ」
「申し訳ない。日々精進しては居るが、中々改善しなくてな。 てぇ!?」
「どうし...えっ!?」
 急な声と指差された方向を見ると、なんとアーシアがフワフワと空中に浮かび始めたところだった。そして驚いているうちにサネゴアが背負っていたスイレンも不意に浮かび上がり、今度はジグが突然ぶっ飛ばされてマコトも今度はフワフワと浮かび始めた。
 何事な事態に、激しい戦闘をしていたリファルとマースも一時休戦する。

「な、何が起きて...ジグは吹っ飛ばされて技が終わってるくせに野郎は浮かんで、あの小娘が浮いて、肩にいた奴も浮かび上がって......」
「...ってて、何だ今の衝撃は...わりと歳だから腰をダイレクトに攻撃するなよ......」
 腰を摩りながらジグがゆっくりと起き上がる。そして直ぐにスプーンに念を送り始め、光り始めたところで左手と右手のスプーンを勢い良くぶつける。すると鋭い光の後に、意識ある全員の目の前に映し出されたのは










「...ラティオスとラティアスだと!?」
「何故こんな所に!?」
「マジかよ...」
 上からジグ、サネゴア、マースが順に言葉を並べていく。三人共目の前で起こっていること、見ている事に対して理解が追い付いていないみたいだった。それに対して全く驚いていなかったのは、リファルだった。
 直ぐに冷静に物事を判断し、直ぐにまさに戦っていたジュプトル、マースに対してアイアンテールをお腹へ全力で放つ。そして、その不意の攻撃に避ける時間も無くモロに食らって、マースはダウンする。吐き血の色から見るに、たぶん内臓逝っただろうなと思いながら、今度はジグとサネゴアを鬼の形相で睨みつける。

「...撤退だ。撤退するぞジグ」
「そうだな...」
「簡単に返すと思ってるの君達」
「情報を吐いてもらわんとなぁー? あぁん!?」
「ひっ!? ...分かりました吐きます!吐きますからご勘弁を!!」
「申し訳なかった!!」
 ドスの効いた声と睨み付け、更に周りを囲むラティオスとラティアスに二人は縮こまり、素直に返事をした。
 因みに最初に倒されていたゴウカザル、お腹に攻撃を受けて悶え苦しんでいるマースにもラティ達に囲まれていた。



 暫くして全員正座させられ、リファルからによる尋問が始まった。因みに初めからエナジーボールを空中展開したままで(何故出来るか不明)、何かしようとしたら即発射出来るような状態で居た。
 因みにアーシアの状態異常は直してもらったが、木の実でも掛けた本人でも解けなかった為、ラティアスに心の雫を使ってもらって治癒してもらってから戻ってきている。
 そして、スイレンは騙された事に苛立っており、可愛い顔が台無しになるのではないかと思うくらい怒った顔をしていた。

「さて、お前らはドリームメイカーズの手下か? 嘘つくなよ。命無いぞ?」
「...そうです。ドリームメイカーズに属するものです...」
「ここに基地ある事はわかってる。吐け」
「.........」
「おいっ!!」
「ひぃ! ...き、基地は南西エリアにある、加工工場に擬態したところです......」
「そこで何をしている」
「そ、そこでは貴方様方に関する情報収集と監視を主に、バレないように加工工場と同じ様に仕事をしています...。 だから、その目的と情報収集や監視する者は全く関係も関連性も無い人たちが居ます...」
「つまり地元の人とお前らが混じってる訳か。ちっ、乗り込もうにも面倒じゃねぇーか。 ところで、お前らのボスは何処に居る」
「...分かりません」
「あぁん!? ココに来てまで嘘かっ!?」
「いえいえ本当に我々は知らないのです!! 寧ろその事を知れるような立場じゃございません!!」
「けど、こうして僕達のところ来てるなら実際そこそこ地位高いんじゃないの? ホントの下っ端なんかじゃ直ぐに負けて、情報を吐かされてたと思うし。実際、ラティ達が助けてくれなきゃ僕達はやられてたわけだし」
「それに人の弱みにと言うかなんと言うか、それに漬け込んで甘い誘惑とか、アタシはかなりのものだと思ったナノ」
「...スイちゃん、どっちの味方してるの......?」
「...あっ」
「はぁ...ともかく、次来たら命ねぇぞ。あとから行く奴にも行っとけ。 あと、明日殴り込むともな。じゃあ、とっとと目の前から失せろ」
「はいぃ今すぐにでも!!」
 そういうと、全員全速力で南西方向へと逃げていく。それを四人とラティ達で居なくなるまで見たあと、

「ふう、助かったぁ...。 ラティアスさん達とラティオスさん達、助けに来てくれてありがとうございました!」
「お礼には及びませんよアーシアさん。 ところで、皆さんお怪我など大丈夫ですか?アーシアさんは体調に関して」
「僕はこのくらい大丈夫だよ」
「アタシは治療してもらったから大丈夫ナノ」
「私も同じくですね」
「俺はこんなんじゃ怪我とは言わん」
「なら大丈夫そうだな。 では我らはもう行くが、もし何かあったら心の中で我らを強く念じるのだ。そうしたら直ぐにでも駆けつける」
「はい。その時はお願い致します」
「「お願い致しますっ!」」
「頼んだぞ」
「では、失礼致しますね。 事が終わったら、帰る前に私達の所に要らして下さい。貴方達に星の恵みがあらんことを...」
 そういうと、ラティ達の姿がふっと消えた。多分テレポートしたのだろう。

「...さてと、戻るか。 とんだハプニングのせいで日没迎えるぞコレ」
「こんな時ラティさん達や、ミュウさんみたいにテレポート使えればどんなに良いかと思っちゃうよね」
「うん、だって好きなとこに、好きな時に行けるんでしょ?」
「たぶんな。やったことも無いし、身近に感じたのはミュウとの接触の時だけだからな。 ...な事はどうでも良い。走るぞ」
「そうですね。 よしっ!」
「あっ、リファルさん程々に走ってくださいナノーっ!」
「スイちゃん! 置いて行かれるよっ!」
「ま、待ってくださーいっ!」
 そう言いながら全員宿へ走って向かう。そして走ってる途中、笑う事が少ないリファルが少し微笑んでいたのはここだけの秘密である。


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 コレで一話完結です。いやー、そこそこ長くなったけど、長くするような内容でも無いという。けど、読者が少しでも楽しめたならいいかな?

 さて、次の更新はシルク達の後編のお話です。もしかしたらまた中編が出来るかもしれないけど、それは執筆度具合で決めますね。



PS
 さて、なんだかんだでココまで執筆したわけですが...如何でしょうか?

 詳細を知らない人に取ってはいきなり最終章が始まっちゃったわけですが、長らく待って頂いていた方々に対しては申し訳無さが沢山です。


 で、なんですが...これは言うべきではないかと思っていますが感想をちょろっと貰いたいのです。理由として、この小説をどう思って読んでくれてるのか、別に辛口に暇つぶしや、なんとなくでも良いですけど、執筆側としては色々と知りたいし、読者と交流をしたいのです。

 では、後書きが長くなってしまって申し訳なかったです...。

ティア ( 2016/02/24(水) 19:42 )