レポート_03
ライアやフォルテさんの事があってから約一週間程経った後、言われた通りにまずは幻想の丘と呼ばれている場所へと、私とレイエルさん、モルクさん、エーフィのシルクさんとフィリアさん共に向かった。事前情報だと幻想の丘はダンジョンらしく、しかも丘と名前が付きながら氷山...過酷な状況が予測された。
実際本当に辛く、気温で気力が奪われ、凍っている足場に脚が滑ってダメージを受け、自然の氷が混じった吹雪で体力が奪われる...。一度私とモルクさんはダウンし、シルクさんとレイエルさんは危ないながらも何とか耐えたみたい。
そして終盤あたりに全員が入れるほどの洞窟を見つけ、みんなで体を寄せ合って暖を取った。寄せ合ってだいぶ手の痺れが解れかけた頃、モルクさんが持ってきた簡易的な調理道具とお皿、シルクさんとフィリアさんが持ってきた木の実で簡単なスープを作ってくれた。素朴な味だったけど雪山でまさか暖かい物を食べれるとは思っていなく、その暖かさを体へ染みさせるように一口ずつ、ゆっくりと味わった。
そして次の朝。洞窟を出ると吹雪が嘘のように晴れ、暖かい日差しを私達は体いっぱい浴びて歩き出した。が、私達は拍子抜けを受ける事となった。何故なら30分ほど登って、少し谷になっている場所にログハウスが建っていたからだった。
ひとまず情報収集っということで、見つけたログハウスを伺ってみると、中にはユキメノコさんがという人が居た。名前は特に考えていないと言った時点で私は疑問を感じたが、私以外の全員は別に気にしてない素振りだったから、私も気にしないことにして、全員挨拶してから本題のミュウの事を知っているか訪ねてみた。
するとちょっと驚いたような感じで知っていると答え、貴方達にミュウと会いたいと思ってこの場所へ来たのかと質問して来た。私は迷わず頷き、まず私は何処から来たのか、何故ココに来たのか、今起こっていること、最後にミュウにお願いしたい事を話した。
そして私の話を聞き終えると「そう...居ない間に色々あったのね......」と小さく呟くと、私達の声を聞かずに二階へと続く階段に消えた。何か言ってはいけないことを言ったかとこの時は思って、話し始める前の座った様子で固まっていた。ちょっとして、大きな物音の後に二階から降りてきたけど、その姿に全員驚かされた。何故ならユキメノコさんじゃなくてミュウさんが現れたからだった。
まさかと思って私は自分で自分のほっぺたを思いっきり引っ張ってみたけれど、どうやら夢ではないことに気が付くと余計驚きの声を上げてしまった。けれど、今これを読んでいるあなたも、同じ状況に遭遇したら驚かない訳が無いでしょ?探している人が目の前に居たのだから。
...ううん。まずコレを読んでいるとしたら、私はこの共感は出来るわけ無いよね。だってこの日記が見つかる時は私は居ないのだから...。
改めて思うと、私達はココに居たよという履歴というか、この世界で過ごした事を書いている訳だけど...なんだか複雑なような気持ちが渦巻いてる。果たしてコレは日記なのか、残しておいて、見つけてくれなかったらどうしよう、まさかの遺言になってしまうのではないかと...最悪なり兼ねない。相手がどのようにしてくるか、全く見当も付かないのだから...。
話を戻して、ユキメノコさんの変身だったミュウさんは私が話したことに協力すると言ってくれた。
まず導かれし者達の集結は、探してナルトシティのギルドに行くように探して伝えてくれること。そしてミュウさんの付け足しで、来たる時の決戦の時は知り合いの三人を連れて駆け付けるとも言ってくれた。
ただし条件として、駆け付ける為にはその知り合いの三人を見つけて助けなきゃならなく、なんとその人達はユクシーとアグノムとエムリットだと言うからさらに驚きものだった。しかも、フィリアさんによると、ユクシーは目を見た者は一瞬にして記憶がなくなり、アグノムは振れた者の感情を無くし、最後にエムリットから攻撃を受けた者は体の自由を奪う...そう古い書物に記されていたらしく、接触は難しいのではないかと言ってきた。
それが本当なら入り込んだときに全員アウトなのでは...と思ったけど、ミュウさんから見つけたら呼んでと六角形をした金色のペンダントを渡してきた。コレを持って私の事を心の中で強く呼べば駆け付けられるらしい。因みにフィリアさんが話したことは事実だったことが本人達を助けてから知った。それと、ミュウさんが居なかったら危害も加えていたと...恐ろしい......。
あ、因みに雪山からの帰りはミュウさんの力で降ろして貰い、道具を揃えるまで行動し、揃えた後に捕まってる工場の近くまで飛ばして貰った。テレポートと言う技らしいけど、まさか発動者と手を繋ぐか、その繋がれた手を他の人が繋ぐ...つまり最終的に発動者に繋がってれば、誰でも技の恩恵を受ける事が出来るらしい。
助けるまでだけど、新たにライトさんをパーティーに加えた私達は早速中へと進入。ライトさんが片っ端からセキュリティーを内部からの破壊や停止に暴走をさせて私たちに道を作り、立ち向かって来る敵はレイエルさんのサイコキネシスと、シルクさんのシャドーボールで次々とダウンさせていく...その結果私とモルクさんとフィリアさんは殆ど何も出来なく、ただ一緒に走り抜けて、対処そびれた敵を倒したり、防ぎきれなかった技の相殺くらい。
モルクさんは電撃攻撃、フィリアさんは氷の
礫、私は主に近接攻撃だけど、ふと頭に前と同じように技のイメージが飛び込んできて、その通りに体を動かしたらスピードスターを放てた。まさかこのタイミングで覚えるとは思ってなかったけど、近接しかなかった私にとっては安心して攻撃できる唯一の技となった。
そして幾つもの階層を下り、地下五階の広いスペースに入り込むと入り口と出口が塞がれて、床から一体のポケモンが現れた。しかもそのポケモンは、私も知っている伝説と呼ばれた種類の一体...なんとスイクンだった。どうやら正常な心を持っていないらしく、言うならばダーク化してしまっていたのだ。
まさかの伝説との対決...けれど、倒さないと三人を救えない。それに、スイクンも苦しんでいるのなら助けなければならない。
まずはシルクさんの指示通りに、相手の動きと使ってくる技などを覚える。ダーク化している場合は思考をしているわけではなく、ただ倒すというワンパターンの思考しか持っていないらしい。そう言われると、初戦の時も引っ掛けた技が二度も同じ敵に通用していた。
実際ワンパターンで、近付いてきたらアイアンテールかひっかき攻撃、距離をとったら破壊光線か冷凍ビームの合図、遠距離技は基本的には避けられる事が分かった。たまに予想外の動きをしたけど、特に脅威は無かったからどうにか対処することはできた。かなり長期戦を余儀なくされたけれども...。
しかも、終わったかと思ったら今度は今まで戦っていた人が中に流れ込み、あっと言う間に逃げ道を塞がれる...人数は数え切れないほどで、今思うと多分50は越えていたかも知れない。けどそんな時に、
「ふうっ...んー、かなり多い数ですねコレは...」
っと言いながらミュウさんがテレポートで現れた。来ても大丈夫なのかと思ったけど、私たちを見向きもせずに、大声で呪文のような言葉を唱えた。すると突如としてフライゴン、ボーマンダ、ラティアスとラティアスが現れて、敵を攻撃を加え始めたのだから。その間ずっと空中で祈るような姿勢で目を瞑り続けていた。
またまた後日談になるけれど、ミュウさんはサモナーという異国の能力を持っていて、頭の中でイメージしたポケモンを四体まで出現させることが可能らしい。因みにこのような異国の能力を使えるのはミュウさんとアグノム、千年に一度目覚めると言われるジラーチ、時を渡ることの出切るセレビィ、心の雫の守り神であるラティアス、そして今は亡きナルトシティの親方だったプクリンでのある。
にしても異国の能力...なんだか嫌な予感がする...。もし、人の心を操る能力を持ってたりしたら......ううん、考えるのやめよ。そんな事を考えるなら、これからのことを考えなきゃ。
っと、なんでこんなに話が逸れちゃうのかな私...日記だというのに、全然日記っぽくも無いし、コレじゃダラダラ何か書き込んでるだけ...。
はぁ...基本的に感想文は最下位だし、上手く書けたと思ったのもクラス最下位だし、スキルなんて全く無いのかもしれない......。
...伝われば、良いよね?私が書いてる事が伝われば...良いよね?
...伝わってると信じて、書き続けよ。
私達はミュウさんの援護により何とかピンチを打破し、三人が捉えられている部屋と辿り着いた。最初こそは入った瞬間は敵対していたけど、ミュウさんが直ぐに入ってきたから警戒を説いてくれて、拘束具を破壊して自由にしてあげたらようやく私達を敵では無いと認めてくれた。
帰る前にライトさんがイタズラで、まさに今侵入していたドリームメイカーズのアジトのシステムに入り込んで、重要そうなデータを抜き取ってから起動出来ないほど滅茶苦茶にデータを破損させてから私達はアジトを脱出。ひとまず安心なナルトシティのギルドへテレポートすると、目の前には副親方から親方になったトゲチックのリンネさんが固まって立っていた。
アグノムさん、ユクシーさん、エムリットさん、そしてスイクンさん...伝説呼ばれる者達を五人連れて、しかもテレポートしてきたのだから無理もない。
とりあえず事情を全員へ話し、スイクンは治療室へ。ミュウさんはテレポート前に、何故かユキメノコじゃなくて私と一緒の姿に変身していた為、誰もミュウだとは疑わなかった。けど、咄嗟に付いた名前がミウじゃ...流石に気が付かれるのではと内心凄くドキドキしてたけど、また問題なし...もしかして私って考え過ぎ?
それは置いておいて、ギルドヘ来て数分経たない内にエムリット達はお礼を言って早々にテレポートで居なくなってしまった。どうやら均衡を保つ為に守るべき場所があるとか何とか...どういう意味なのか検討が付かない。コソッとミュウさんに聞いてみるも、その事までは知らないとの即返し...ミュウさん、その言い方は絶対知ってる...。けど、安全の為に隠したいからだよね。
...さて。最後に纏めておこう。
今日の日付は10月23日で、私がココに来たのは大体半月前。
覚えた技は体当たり、電光石火、アイアンテール、スピードスター、守る。
見つけられた元人間達はゼニガメのマートル君、ミミロルのミミアンちゃん、マリルのマコトさん、シキジカのスイレンちゃん、フシギダネのフォルテさん、裏切りガーディーのライア、リファルさんやフィリアさんと出会って一時期行動を共にしていたポカブのリトちゃんで、私自身も入れて合計八人。そして、全員何かしらの技を扱う事が出来る。
現在目標はドリームメイカーズの正体を明らかにすること。
他に居るであろう元人間達との接触。
最後に、来た目的であるこの世界を救う事。
続きで、現在状況で見つけられたドリームメイカーズの犯罪...の、言い方で良いかな?
まずは炎タイプ、水タイプ、雷タイプの者達を誘拐し、人体発電をさせていた事。
秘密がバレると漏らしたその人物を平気で殺し、今までかなり死者が出ていた事。
コレらだけしか分かっていない。しかもちゃんとした証拠物も無い。目撃証言や聞いた話では意味がない。
...無いなら作る。幸いにもドリームメイカーズ側はいろいろな情報網をまるで蜘蛛の巣のように張り巡らしている。それを利用してデマを流せばいい。
証拠を得るなら、あえて目立つことをし、相手から仕掛けてくるのを待てばいい。しかもそれを公共の場で引き起こせば大量の目撃者が出る。
それにココの世界はしっかりと情報を流す術を持っている。人から人に、手紙に、ラジオに、新聞に、テレビに、ネットに...私達が元いた世界と同じ、情報の拡散力が。
そして、予測が正しければドリームメイカーズの目標は私達、導かれし者達の抹消...。いざとなるとやっぱり怖いけど、誰かがやらなきゃならない、道を開かなきゃならない、緒が見つからなきゃならない。それにいつまで私達がココに居れるのも分からないし、不思議のダンジョン化や意思を奪われし者が増加傾向...ゆっくり時間を掛けることは出来ないところまで来てしまったのだから。