レポート_01
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Data xx月xx日
By アーシア
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今日から私は起こったこと全てを記録することにした。理由は色々あるけれど、一言で言えば記憶の整理かな。
けれど、今回はこの世界に来てから今までの出来事を纏めてみようと思う。
...ちょっとうすら覚えもあるけど。
確か、この世界に始めて来たのは夏が終わり、寒くなり始める秋頃に私はサーナイトに導かれてこの世界にやってきた。けど、どうやら場所も時間も悪かった。何故なら夜の波打ち際に倒れていたからだった。そんな私を偶然通り掛かったムウマのレイエルさんに助けてもらい、マイナンのモルクの家で看病を受けて次の朝に回復した。
回復した朝、ちょっと色々あったものの、ピカチュウのライトと言う人が重要人物な事をレイエルさんとライトさんから教えてもらい、道案内も兼ねてナルトシティーへと向かった。
けど途中で道を誤り〈不思議のダンジョン〉と言う場所に入り込んでしまった。どうやらココは自我を失ったポケモン達が徘徊している場所で、尚且つ入る旅に中の構造が変わる不安定な場所で、入り込んでしまった場合そのダンジョンをやられずに踏破する必要がある。
最初こそはどうにかなってたものの、徐々に追いつめられて、しかもまだ技の扱いを知らない私は逃げるだけ。ダメかもしれないと諦め掛けたときにキレイハナの"眠り粉"を受けて、私は深い眠りに落ちたのだが、その夢の中で私をこの世界に導いたサーナイトの助言により、私はアイアンテールと電光石火、終いには守るまで扱えるようになる。
お陰でなんとか20体以上居た敵を倒すことが出来たけど...最後に残ったバンギラスが強敵で、三人の同時集中攻撃をしても倒せずに意気消沈。
そんな状況でグレイシアのフィリアとリーフィアのリファルが現れ、苦戦していたバンギラスをさくっと討伐してしまう。今思えば、リファルさんカッコ良かったなぁ...フィリアさんは凄く優しくて、まるでお母さんみたいだったなぁ...。
と、ともかく二人のお陰で難を逃れた私たちはダンジョンを無事踏破、ナルトシティーに到着できた。けれど、戦闘でお腹が空いた私達はナルト中央病院に行く前に腹ごしらえっということで、まずセントラルパークへとバスで向かった。因みに、セントラルパークは目的地のナルト中央病院の前でもあり、この後行くことになるナルトシティーのギルドがある。
それは今は置いといて、セントラルパークの中に入って...うん、もう忘れかけてる。どっちが先だったか忘れたけど、私はココで紋章を隠す為にリストバンドを買ってもらった。それは凄く手に馴染む感じで、今でも付けている。私の宝物、私が居たよって言う証拠を。
...思い出した、その前にシチューを食べてからだった。食べれるならまた食べたいなぁ...。
また脱線した...えっと、ココで出会ったのはミミアンと言うミミロルの女の子、私と同じ導かれし者のひとりだった。最初の頃は必要最低限の無口な子だったけど、今はよく話すし、元気で、話題が良く私と合うお友達になってる。
さて...改めてみると大人げないというか、何というかだったけど、私達はライトさん、フルネームはライト・エナフールに接触し、この世界の事、ドリームメイカーズの事、そして私の記憶の行方を聞いた。
まずこの世界はとてもクリーンで、私が居た現実世界では比べ物にならないほど未来的な技術が存在する。人や物を瞬時に他の場所へ飛ばすテレポートマシンを初め、映像が飛び出てそれを操作できる腕時計...未来的な物がいっぱいあった。
次にドリームメイカーズの事だけど、実態を調べるとかなりのブラック企業だった。この時点での情報は役立つアイテムを作りつつ、謎の研究もしているだけの情報だったけど、なんと人体実験や、人体発電所...つまり炎、水、電気技を扱える者を動力源の一部に使い、力尽きたら他を拉致して補うことをしていた。しかも、かなり前にあったらしい百人規模の一斉行方不明事件の犯人はドリームメイカーズで、自分たちで拉致しながら捜索に大規模な捜索隊を作って派遣するという自作自演をやったほど。
それにライトさんの両親を殺したのも、結果的には生きていたけどライトさんのパートナーであるグラエナのギラファさんも組織側からの殺傷命令が下っていた。つまり用が済めば、情報が漏れれば優秀であろうが部下であろうが平気で殺す所だったことも判明したとういうこと。
更に厄介だったのは、導かれし者達と思わせて情報を横流しするスパイ的な存在が要たという事。それはガーディのライアとフシギダネのフォルテの二人で、ライアはシキジカのスイレンとマリルのマコトが接触して行動していた人物。そしてもう一人、フォルテさんは私達の所だった。
ライアの見た目は優しそうで、性格も実際優しく、仲間のことをよく気遣ってた。口調も悪いわけでもなく、ごく普通の青少年な感じだった。が、本性は嘘を付くのが大好きで、人を痛め付けたりするのが一番の楽しみな最悪な人物だった。
因みにライアがドリームメイカーズ側の人物と気が付いたきっかけは、マコトが見つけてきたドリームメイカーズの工場に潜入したことだったらしい。その中でライアは先陣を切ってバレないように地下へ、更に地下深くへ降りていった。そして、行き止まりに差し掛かったときに、その後ろから隠れていたエレキブルが現れ挟み込んだ。パニックになってるマコトさんとスイレンさんを後ろから眺めながら、火炎放射をなんとエレキブルではなく、まずスイレンさんに放ったのである。
苦手なタイプの攻撃を受けて悲鳴を上げるライアは笑いながら吐き続け、マコトさんが止めようとした瞬間にエレキブルの十万ボルトを浴び、同じく悲鳴を上げた...。そして、苦手の攻撃を受け続けて意識が遠のいたくらいに攻撃は止み、吐き捨てるようにこう言ったらしい。
『人をほいほい信用するからこんな目になっちまうんだ。 てめーらはドリームメイカーズの素晴らしい作戦には障害になんだよ。だから、苦手な攻撃を受けてもう反抗できないような身体にしてやる。 ふふ、すぐに殺さねぇから安心しろよ。それに元同じ住人だった奴から受ける攻撃はどんなお味か、感想も聞かんといけねぇからなぁ!!』
っと、言いながらまた攻撃を再開したらしい...。それから分からない時間ずっと攻撃を浴びさせられ続け、ゴミ同様にゴミ捨て場に捨てられていたところを私達が偶然見つけて救助...未だマコトさんは電気、スイレンさんは炎へのトラウマ持ちの状態...。
次にフォルテさんは物静かに見守るような存在で、ゼニガメのマートルをまるで自分の子供のように扱っていた。その時の顔はまさに母親の顔だったことを覚えてる...。
コッチのきっかけもドリームメイカーズの工場に潜入してからで、しかもそこはマコトさんとスイレンさんがまさに潜入していた工場だった。更に、ここはフォルテさんが見つけてきた...いや、ライアと連絡を取って口実を合わせた工場である。でも、フォルテさんは何故か時間をずらされ、ボロボロで倒れていたマコトさんとスイレンさんを発見させた...。
重傷を負った二人を大急ぎで私達はナルト中央病院に運び、手当を待って応接室に居る間、突然何かを決心したのかのように言い出した。
『...私はみなさんに隠していることがある。乱さずに聞いてほしい。 じ、実は私はドリームメイカーズ側の者で、貴方たちの情報を横流しし、色々な情報を漏らしていた...今日のことだってそう。元々貴方たちもこうなる予定だった。けど...私にはそんな事出来ない......』
っと、涙ながらに訴えてきたから。その後、マートルが泣き出しそうなのを見て、ゆっくり近づいて言った一言が、私の心に強く突き刺さったのを覚えてる...。
『...私の息子はね、ドリームメイカーズによって生き別れさせられた。今何処にいるのか、生きてるかどうかも分からない。 そんな状況の中、下った指令は貴方たち、及び導かれし者達の状況把握と抹消をすること。その対価に息子と会わせると約束付きで...その時は何が何でもそうすると思っていた。出会った時もそう...。けどマートルを見て、姿は違えど直感的に息子と性格が一緒と思ったらいつの間に愛でてたし、大人として自分の息子の為に他人を犠牲にすることなんか出来なかった...。 ...あと、この話しは全部身に着けているポケギアを通して全部ドリームメイカーズに漏れてる。私は秘密を話した以上、抹消される運命...何故ならこのポケギアには毒針が仕組んであるから、もうじき毒が回って私は死ぬわ...。 ...だから、最後に一言。貴方たち、導かれし者達が最初にする事は、各所に点在する発電施設や通信施設を破壊し、奴らからの情報網を遮断すること。次に散り散りになっている...仲間を集めなさい...。その次に......幻想の丘に現れると...言われている...ごほっ!ごほっ!! ...ミュウニ...アイナサイ......。カノジョをタズネレバ...チカラニナッテ...クレルハズダカ...ラ......』
そう言って、フォルテさんは仕込まれた毒で命を絶った...駆け寄ってみても、もう手遅れで......この時、改めてドリームメイカーズを止めなきゃと強く決心した私達だった。