act1 ドタバタガール旅立つ!!
ここはマサラタウン。
色はまっしろ、始まりの色。
田舎の町だがここ数年すさまじい知名度を誇り、今や訪れる観光客もかなり多い。
その理由はもちろんこの町から最強無比のポケモンマスターが誕生したからである。
名前はサトシ。
今やその実力はチャンピオンや四天王相手にストレート勝ちを収めるくらいにまで成長をした。
そして6年前かつてチャンピオンリーグマスターだったシロナをも打ち砕き彼はポケモンマスターへとなったのである。
しかしその後は姿をけし今は行方不明である。
・・・・・・・
・・・・・・・・
「さあ残るポケモンはお互いに1体!!!はたしてどうなるのか!!!!」
どくんどくん
あたしはテレビをじっと見つめている。
時間は夜中の2時。
だけどそんなん関係ないわ!!!
だって見逃したポケモンリーグの録画見終わりたいもん!!!!
そしてお互いのトレーナーが指示を出したところで・・・・
ぷっつん・・・とテレビが切れちゃった。
「え!?!!!ちょ!!!!!」
もしやママだな!!!!!
私は振り返る。
やっぱり!!そこには眉間にシワを寄せたママがいた。
「ママ!!!いいとこだったのにテレビ切らないでよ!!!!」
「あんた今何時だと思ってるのよ。2時は大人の時間よ。明日旅立つんだからとっとと寝なさい。」
「だからって!!!いいとこだったのに!!!」
「起きてるあんたが悪いわよ。ほらお休み!!!パートナーがいなくなるわよ!!!!」
「はいはい・・・」
あたしはあいまいに返事をする。
「はいは一回!!」
「はーーい」
まあこの鬼ババアがいる限り寝るしか選択肢はないみたいね・・・・・
私はしぶしぶ布団にもぐった。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
朝の光がきらめく。
街は活気に溢れ出歩く人も多い。
「サトリ!!!サトリ!!!!」
誰かが呼ぶ声がする・・・・・・
「今度は何よ・・・・鬼ババア・・・」
私は眠そうに返す・・・・・・・
ん????なんかどす黒いオーラを感じる・・・・・・・
「さーーーとーーーりーーー?誰が鬼ババアですって!?!!!」
「は!!!はぃいいいい!!!!」
私は飛び起きる。
おっと自己紹介!!!!
あたしはサトリ。10歳!!!ポケモンマスターにあこがれる少女よ!!!
ちなみに名前の由来はポケモンマスター・サトシ+トップコーディネーター・ヒカリを組み合わせたものなんだって。
たしかにママはサトシの大ファンらしくておっかけをしてたくらいらしい。
それでパパはコンテストの観戦が趣味らしい。
私はコンテストにはあんまり興味はないから見ないけど・・・・・・
中でも熱狂的なファンってのがヒカリという人らしい。
そんな感じでこんなネーミングになったようなのよね。
って!!!!!!
なんか太陽がやけに高く上がってるような?
私は恐る恐る聞く
「ねえママ?パパ?今何時?」
「今10時半だが」
・・・・・・・・
・・・・・・・
私は坂道をひたすら駆け上がる。
「ヒトカゲ!!!ゼニガメ!!!フシギダネ!!!!待ってなさい!!!」
なんと約束の時間をかなりオーバーしてしまったのだ。
いわゆる遅刻というやつです。
とにかく走る。ひたすら走る!!!!
とそこに・・・・・
「おいお前!!!まさか遅刻か?」
「何よ!!!急いでるんだから!!!ってコウダイ!!!!」
目の前にいたのは一人の少年。
名前はコウダイ。幼馴染といったとこね。
「研究所に行ってもいないから探したがまさかこんな大事な日にお前は遅刻かい?」
「う…まあそのとおりよ。もしかしてもうポケモンもらったの?」
「ふっ・・・・・まあな。今日旅立つ奴は4人らしいぞ。下手したらポケモン残ってないかもな!!!早くいったほうがいいんじゃないのか?」
うぅ?まさしくそのとおり。
「言われなくてもわかってるわよ。じゃあね!!!もう行くから!!!!」
私はコウダイを追い抜くとそのまま走り続けた。
そして10分後。
私は研究所につきインターホンを押した。
「こんにちはーーー!!!」
出たのはケンジさんだった。
かつてサトシと旅をしてたらしく、いまはシゲル博士の助手兼ウォッチャーをしている。
「やあサトリちゃん。やっと来たのかい???シゲルが待ちくたびれてたよ。」
「シゲル博士が??早くいかなきゃ。」
私はケンジさんに案内されて研究室に向かった。
「君というやつは約束の時間に大幅に遅れるとは全くあきれてものが言えないよ。・・・・」
「すみません!!!!!」
とりあえず説教を受けるわたし・・・・・
嫌味がある上に長いからこの人の説教はあんまり好きじゃなかったりする。
まあ遅れた私が悪いんだけどね。
とりあえず本題を言わなきゃ
「あのーーー私のポケモンは?」
「ん???ああ3匹とも遅刻しなかった子が持ってったよ。」
・・・・・・・・え?
「3匹とも????」
「あぁ。フシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメはもういないってことだな。」
なんですって!!!!!
コウダイのやつもその中に含まれてるのよね????
何もらったのかしら?
「まさか私はポケモンなしで旅立つんですか?」
博士は困った顔をする。
「まあそういうわけにはいかないからちょっと待っててくれないか。」
博士は庭園に消えた。
数分後・・・・・
「待たせたな。さっきちょうど卵からイーブイが生まれたとこなんだ。よかったら連れてくかい?」
「ぶーい?」
ちょこんとイーブイが顔をのぞかせる。
「かわいい!!!!私と旅しない?イーブイ。」
「ぶい???」
旅の意味わかってなさそう・・・・・まあ生まれたばかりだし仕方ないわよね。
とりあえずこの子をもらうことにした。
「私この子と旅に出ます。よろしくね!!!」
「ぶい。」
「そうかい。ならモンスターボールとポケモン図鑑を渡そう。大事に使うんだぞ。」
「はい!!!!」
私はモンスターボールと赤いポケモン図鑑を受け取る。
うぅ!!!いよいよ旅に出るんだ!!!!
私は研究所を後にする。
門を出るとパパとママがいた。
「まったく旅立つ時まで心配かけて!!!!」
「ごめんなさい」
「まあいいわ。ついにあなたもあの人を追いかけるたびに出るのね。」
「・・・・ポケモンマスター・サトシ・・・・」
私の目指す人。目標
するとパパも声を掛ける。
「パパ的にはコーディネーターになってほしかったがお前の決めた道だ。とことん行きなさい。」
「うん。」
この先どんなことがあるんだろう……
楽しみ!!!
「じゃあ!!!いってきます!!!!」
「ぶい!!!」
私たちは駆け出した。