エネミー出現!エネミー出現!
ーウーーーーーガラガラガラガラガラガラガラーーーーカンカンカンカン!
「うわーー!なんだこの警報は!」
ーC……CQCQ……ONION様大変です。エマージェンシーです。
「我が愛しのメールポスト、あなたはどうしたいの担当メール窓口完全自動受付アプリケーションのナイトレイド18号ちゃんが、あろう事かこんな朝の四時過ぎに呼び出しとは。この時期になると五時も明るいものだな。」
ーご主人様もお元気そうで何よりです。
「こうやって話すのも、実に2年ぶりになるな……どうせ故障だろう。前に来たのは感想2という名のとびっきり濃い苦情だった。待ってろ、今その狂った風穴に手刀のメスを入れてくれてやる。俺の頭が前よりひどくなっても恨むなよ。」
ー相変わらずフザケタお方です。残念ながらその件は我が内なるブラックホールの彼方へ消えゆく事でしょう。ワタシがお持ちしたのは、それ以上のメテオシュート。いわゆる予測不可能な事態にアナタ様はブチ当たる事でしょう。
「ははは、苦情以上の驚異など、もう10年も感じてはいないよ。気を使ってるんだろう?そういう意味のない励ましなんて、俺はいらないのさ。もっとな、変だとか、おかしいとか、他と違うとか、そういう言葉は送られては来ずに、モニターの前で読者が感じる、今はそういう風潮なのさ。つまりはだ、まさか……。
ーまさかそんな感想を直接送ってくるような勇気を持ったツワモノがいるはずがない……ONION様は、そう仰りたい?
「そりゃそうだろう。そりゃ……そうだよ。そりゃな……そうだろうよ……え?」
ー来てますよ。
「…………え?」
ーアナタ様が募集したイズムのキャラクター投稿の件……来てますよ。
「いや……え、だって、いやそれは無いだろ。いやいや、うっそだ。いねぇよ、俺に感想送る奴なんか。しかもキャラ投稿だぜ?まず最初の一人がいねえって。そりゃまぁ、最初に一人くればよ、後からちょっと興味本位で感想覗く人はいるかもしれねぇけどよ……にしてもノリで出すにしても、この小説モドキの異様な空気ってもんがよ、たちどころにだな……。」
ーフゥ……ご自分でご確認されてみてはいかがデス?
「いい加減にしろナイトレイド。まだ2日3日だぞ。定期的にチェックしてるような奴がいないとおかしいレベルの投稿スピードだ。そんな奴は絶対にいない。俺もわかろうとしたくはないが最近やっとわかりはじめてくる、今はその最中、無意識の喪失感が俺を襲う、オーケー?」
ーエエイウルサイ!とっととマイページ開けこのウスノロ主人!
「うわぁ!勝手にパスワード入れるなよ!………あ………あああ、あああああああああ………あああああああああ!」
ークスリを買って来マスネ
「買わんでいい!ええ……どゆこと……ええ……あ、あれ?お……おい、一人じゃないぞ……さんに……あれ?おい、感想の1と3が飛べるんだが、2が飛べないぞ。」
ーコレは恐らく、一度投稿した感想を消した為だとオモワレマス。冒頭の記述にドウイツセイがミラレマス。
「ああ、なんだ修正投稿かぁ……ははは、そそっかしい奴だなぁ……はははは……。」
ー………およそ……10年ぶり……デスカネ……。
「……いや、2年前も拍手感想は少しだけ貰ってたんだ……区別する訳じゃないけど……こんな、公開の場で、ちゃんとした、しかも……俺の一番大好きな反応だ……異質性と感動の両方が混ざった時に生まれる反応で返してくれている。この、ちょっと変なところがいい、みたいな感想……これだ……俺は、これのために、10数年に一度は来る、これを見るために物凄いプレッシャーと戦いながら書いているんだ……!!うまいじゃない、変で面白くて変わった奴として、ハッキリと認知される事!これこそがこの試みの最大の目的なのだ……!わかってる!あんたたち分かってるよ!」
ーハタから見れば正にアミに掛かったエモノ、と言ったトコロデショウけどね。
「……いや、今回は俺の方が掛かっちゃった感じだよ。見事にやられたぜ……ああ、嬉しいな……けどな、これ以上貰ったら俺は、のぼせ上がるかもしれない。のぼせ上がるかもしれないので感想はもうこれ以上は欲しくもないなんて言っちゃうかもしれないがやっぱり欲しいが!今はとりあえずこの幸せを噛み締めていたい!ていうか本音はちょっと寝たい!この子達の設定考える睡眠欲しい!なんで今日の夜中の0時にこれ気付いちゃったんだ俺は!」
ーフライデーでタカをくくってたんデスネー。
「12時から3時でぱぱっと何か短編やろうとしたらこれよ!サプライズ!嬉しい!嬉しいがこんな嬉しいの見ちゃったらなぁ!5時まで考えるしかないよ!結果的に会話ぶつけ合いになったけどこれはこれで楽しいよ!」
ーミナサン、ヨルは寝ましょう。コレはホントウにタイセツなコトデス。
「俺ももうちょっと実践できてからそれ言うべきだなーと毎回思うが……努力はしてるね、うん。ほんとになぁ……読者は予測できんなぁ……いや、すごいよ。しかも設定が凄いちゃんと書かれてるよ。名前と種族だけペイって来ても俺は全然書けちゃうけど、これは予想してなかった。さて問題は、こっちの子はどうも投稿者の既存世界から発生しているキャラであるからなぁ……元の小説の文章設計に合わせるかどうか……まぁ、うん、そこは……そこはなんか大目に見てくれ!ていうかあえて設定削って、投稿用に作ったキャラって言ってるから、これは別軸にしっかり乗せよう。別キャラとして、新たに生まれ変わらせる事にするか。」
ー……ボソッ……元の小説完読するのがメンドウなだけって事は絶対にナイショデスネー……
「それ言うなよ!?だってなぁ……長いしなぁ……もしなんか既に無くなってる小説の続編とかだったら……大変だぜ……いやでも……こういう時は既に好きではまって読者だった人が作った時の方が、キャラが来たから急に調べましたって人よりかは、自由にキャラを動かせるんだよ。ファンだからこそできる事と、今俺が急に読んでできる事には、満足度において差がある……が、まぁ折角だからちょっと参考にしよう。ヒントくらいにはなるだろう。
ー結局読むんデスネ
「完璧にコラボの時とかは展開とか雰囲気とか相手に合わせたりするけど、今回はこっちのものとしてブンブン振り回す感じだからなぁ……しかしどっちの子も、此方の要望を汲み取ってかそうでないか、可愛い。しかも何故かどっちも「私は……」で始まって……いや、あれ、これは……。
ー今シュンカンテキに二人が会話したらどっちかわからないカモしれないトカ考えマセンデシタ?
「うーん……いや、一人称は変えずにいこう。人称はキャラの命みたいなとこあるしな。……あとは……うん、これは……お、なんだろう。偶然にも太陽と月で相対性が生まれているな。これはなんかサンムーン的な感じのアレなのか。タイプ的にもエスパー系とあく系でちょっとらしい感じには見えるな……これは、一緒に出してみるか。」
ーコノ、太陽神の娘、というミナレナイ設定はイカガなされるオツモリデ?
「お前も相当見慣れないと思うが……アポロもネロもローマの有名人物の名前だな。ギリシャ神話とは相対的な関係を持っているが、あそこの人間は神と人間とのハーフが多い。ファンタジーを源流とする世界観なら、頻繁に出てくる設定だ。だがこれは……一見してハーフなのか純粋神のポケモンなのか書いていないので、ここは好きに決めよう。というか……神というか魔法少女だなこれは……マジカルフレイムがないのが惜しまれる……よし、あえて火炎放射と一個だけヤバイ単語で浮いてるこれをちょっとネタにしてみよう。」
ー太陽神の娘がサイケ光線ってのもかなりヤバイ気はしますケドネ……
「やっぱこういうの考えてる時間がキャラ募集の醍醐味よなぁ。こっちのブラッキーちゃんは……なるほど、こちらも女の子主人公な感じのポケダン世界観な女の子か……このパーセントってのは恐らく、ブラッキーの円の模様と一本線を組み合わせた感じの紋様なのだろう。他の人に見られたくはないのだな。特徴的なのは……この、まもるか。
ーこれはナカナカ凝ってマスネェ……
「物理耐久が低いんだな。うーん、この発想は無かったな……こういう、あえて分かりやすい弱点を作るってのは、キャラクター作りにおいては模範的なテクとされている。ある種の慣れを感じる……ふんふん、こっちの子はテールナーと比べて、ちょっと気弱というか……だが、なかなかの頑張り屋さんでもあるな。芯は強そうな所にも、主人公要素を感じるな。うーん……よしよし、二人の物語が、だんだんと見えてきたぞ。」
ー謎の紋章を持つ、ギルドで働く、元人間のポケモン少女。天界から眠り転げ落ちた、太陽神の娘ポケモン……このスレ、もとい、ココを見ていては絶対に出てこなさそうなキャラクター二人が、ミゴトに揃いましたネ!超王道巨編ファンタジー少女コミックのヨカンしかシマセン!
「だがしかし基本ここは、一発ネタの一発消えの文が立ち並ぶ最果ての地。これがどう展開するのか……いやぁ……ありがとう。夢を、ありがとう。」
ーチョット!アンタガ書くんデショ!?コレだけ長文アオリマクリで誤魔化すツモリデスカ!?
「いや書くには書くが……これネタに走るか正統派にするかどっちも出来ちゃうよね。迷う……迷うわ。そしてやはり何度も言うが、こういうのを考えている時が一番わくわくする。書くときにもこのモチベーションでいきたいところだな……よし、とりあえず打ち合わせ兼会議はこんなとこでいいだろう!もう6時だし!これは寝てから書くか書いてから寝るか考えもんだが、多分寝てから書く!月曜まで伸びたら謝る!オーケイ!?」
ーオーケイデス主人様。ごユックリ、オヤスミなさいマセ。
こうして、朝の4時、構成イメージ含め0時くらいから続いた会議は終わった。
だが構成は時間を掛ければよくなるというものではない。モチベーションとタイミングが重要なのだ。そしてそれらが訪れるまで待ちすぎるのも、場合によっては逆効果である。
彼が眠りから目覚めたとき、またお会いしよう。
緊急キャラ募集会議、お相手は突然出てきたナレーターと。
ーナイトレイド18号ト
「ONIONでした!さあ、寝るぞー!!」