リーグマトリクス
ポケモンにはポケモンリーグというものが出てくる。
アニメ版世界においては、単純な勝ち抜き制の大会。
漫画版、この場合はポケスペを例にすると、アニメに近い定期的な大会とされている。
初期アニメの設定の深掘りのし過ぎか、ポケスペのリーグ組織複雑化させ過ぎのせいか、二次創作においては大体がこのリーグ=組織案が多く採用されている。描写も深く行えるし、何だか大きな組織が後ろにあると言われると、話に説得力も生まれるだろう。
さて、原作のゲーム版はどうだろうと改めて見てみると、これが偉い単純で、後期のシリーズに従って多方面の展開に合わせ、多少脚色は増えているものの、基本的には四天王に勝ったら機械に手持ちポケモンと自分のデータが記録され、エンディングの後、旅は終わって自宅へ帰る。
この隙間に色々入るパターンもあるが、基本はこれで一貫している。
自分としてはこの、凄くゲームらしい、色々な説明を飛ばした単純な構造が一番好きなのだが、いかんせん、二次創作もとい、二次展開のアニポケやポケスペにおいても、リーグの複雑化は進んでいる。
個人的な考えだが、この原因は分かっている。
ずばり、ゲームは従来の方法で、とりあえずバッジ集めてリーグに行ったら四天王が控えているので、4人出てきて戦って、ついでに今のリーグチャンピオンに勝ったら、君が新たなチャンピオンだ!さぁその成果を記録して、おうちに帰ろう!おしまい。で一貫しているので何の問題もないのだが、これが後ろのシリーズの設定を丸ごと引き継いでいる作品になってくると話が違ってくる。
まずリーグが発足した理由から説明が始まる。
この仕組みができた年号はいつか。何年の何月何日何時何分。
それを書いた人と立会人の情報。
それが生まれた地方。源流になった試みの形態は何なのか。
記録してある本はどこに貯蔵されているのか。
四天王が入れ替わる時にはどういう形式が採用されるのか。
バトルなのか話し合いなのか。
それを決める際の責任者は誰なのか。
書類はどこで印刷しているのか。
許可を取る役所はあるのか。
決定権を持っている人物は誰なのか。
間違いがあった場合は誰が責任を取るのか。
四天王は給料制なのか。
他に属している組織はあるのか。
とこんな感じの事を延々とかくだけで話を進めていって果たして誰が読むんだと、一見して思いがちだが、読む方は案外似たような苦労に覚えがあるので「ははぁ、そこはそうきたか」なんて呑気に読んでくれるものである。ゲームだとこれが絵も相成ってテキスト的には抑えられるのだが、漫画ともなると……とはいえ、勢い任せで適当な背景をかいたあとで、後々になって、あれは勢いでかきました、と言っても、おおよそ許されはする。こだわる人間はこだわりたいので、一旦全部かき直しますなんて無茶をたまに言ったりもするが、めんどうなので未来の方を過去の無茶振りに合わせる、なんてパターンも時にはある。
道中でチマチマ世界観を描写するなら、例えばゲームを参考にすると、絶対に出てくるであろう筈のボールの製造工場。ポケモンではこれがXYバージョンになってからやっと登場したが、販売会社はシルフカンパニーが初期に登場していた。あそこで作ってるんだよ感がなんとなく出るし、社長を助けるとマスターボールもくれるので、ここからボールがきてるんだ感はとりあえず説明できる。自作でボールの職人さんが登場するので、プレイヤーの中には、全てのボールをこの人が作ってるんだ、とか、職人が各地にいっぱいいるんだ、とか思う人もいるだろうし、工場を先立って出す必要も無いと思ったのだろう。
まぁ、そんな説明をされる前に、他の二次作品で先に描写されると、乗っかって出すに出せないということも考えられはする。
個人的には、容量的な問題とか色々制約はあれど、ゲームのチョロチョロした出し方のほうが、頭がいいとは思っている。最低限のテキストで最大限の設定を匂わせるというのが、実に頭脳明晰な感じがする。
アニメはかなりリーグの単純化に成功している。
いい具合にキャラを適当に出すのだ。
四天王を出す時にも、大げさに言うと、この人はすごく強い人なんだ、すごーい、程度の描写しかしないので、はじめてアニメでキャラを知った人も、なんとなくゲームのキャラと一致させる事ができるし、ゲームのファンも、隙間があるので色々と想像ができる。
ガチガチに設定を固めるよりも、こういう想像の隙があった方が、見る方としては、ありがたいこともある。そして基本、アニメは後ろの設定にほとんど足を引っ張られないので、新しい事が沢山出来ている例でもある。今回のシリーズは終わったのでは、なんて声も、まー毎回上がってるとは思うが、毎回新しい挑戦をしつつ、BGMだけ前のシーズンのものを使ったり、一部の声優を後続させたり、引き継ぎ方が立体的でかつ、多様性があるのだ。
実験と引き継ぎのバランスが絶妙に取れている、二次展開の見本のような作品である。
真似してみてもいいのだが、終わらないというのはそれはそれで辛いものであるので、やるなら続ける覚悟も必要だろう。制作サイドからも、時折、同じ事を延々と続ける事に対する疑問は上がっているが、今日も実験的な行為は多々繰り返されている。
個人的には、リーリエの事よりも、アローラに四天王が介入する描写が、今回のシリーズにおける最大の試練であると思われる。
ポケスペ版は、物凄い膨らみすぎてパンパンの風船みたいになった状態から、やはり昔のキャラを、しかも一緒にいたポケモンとの接点も混ぜて出したりするので、どこまで膨らむんだと想像を絶させてくれる上に、まだまだゲームのキャラは増えていくので、最終的にどうなってしまうんだとか、描写しすぎて出来ないことも増えたんじゃないかと思いがちだが、実はそうではなくて、もうここまでくると、人物関係が多すぎるので、開き直って何も考えずに読み出す人が出てくるのだ。
恐らく、一本の流れとして読む事は最早不可能だろう。だが途中から頭をまっさらにして読む事は可能だ。
インターネット対戦に、とりあえず好きなポケモンだけで飛び込んでいったら、ボコボコにされるけど、やっぱり楽しいって人は、恐らく漫画を途中の番号から読んでも、その世界観に入っていけるだろう。
ポケスペ版のリーグは、完全に組織化されている。しかもそれどころではなく、ポケモンも組織化されている。ポケモン間にも相関図が非常に細かく設定されており、初見には細かい人物関係の把握など無茶であり、正直読むのはもう手遅れであり、まともに付いて行くなら、頭をリセットしつつ前の設定を覚えて、しかもその世代のゲーム情報を完全に把握するという、物凄い試練が待っているだろう。
さて、あなたのポケモン二次小説は、これのどれに当てはまるのか。どれにも当てはまらないのか。
最近は作品を応援する感想ばかり見かけるので、あまり見られないが、昔の批評感想に「詰んでいる」というようなものがあったが、これは、このまま続けていくと大変な事になるぞ、引き返せ。という、経験者からの忠告であったと、今にしてみれば思うところだ。
やめろ系の感想が消えていくと、作品は自由になっていくのだろうか。
恐らく大半の人間が、やめる事よりも、続けることの方が大切であると学習したからこそ、プラスの言葉だけを授け続けるのは、同じ痛みを知る、同じカテゴリで創作する人間特有の行為であると、自分は思う。恐れをなくせば自由になれるなどという事は、誰でも知っている事だからだ。
まーとにかく長々話したが、短くまとめると、自分のリーグ、探検隊ならギルド、これらの組織を、適当にするのか、複雑にするのか、ちゃんと把握しているか、この組織運用で、大きくポケモン二次の進行が変わってくるという事だ。自分はこれを、ポケモンリーグマトリクスと呼んでいる。
組織を作れば運用に手間がかかり、作らなければ身が軽くなるだろう。
作品の分岐の仕方も決まっていくので、新しく始める前には、考えてみてほしい。
進行中の作品に反映させるのは……多分もう出来るか出来ないかは決まってしまっているので無理だろうと思われるのでとやかくは言わないが、自分で把握できるレベルを維持する事をお勧めする。
あと一応書いておこう。ここまで読んだやつには失礼かもしれないが、このスレッドは別に連載ものではないし、ポケモンのファンならまったく読む必要はないと、いちおう此方から忠告しておこう。よっぽどの物好きなら分からんが、そんな物好きになる必要もないし、折角なら普通の連載を読みなさい。その方が多分、よほど君のためだよ。ただ自分はポケモンが趣味であり、ここにはその自分の文章を載せているというだけだ。どちらかというとゲーム寄りかな。ああ、表の小説紹介欄にこんな事を書かないのは、書くのがダサいと思っているからだ。堂々と表に書くよりは、こういうチラシの裏のようなスペースにこそっと書くのが個人的には最も至高であると思っている。チャットなんかは退出すると情報が消えてしまうから好みじゃない。あのシステムは不気味で全く好きじゃないと考えているが、ここで言っても仕方のない事だ。と、前半の長々とした解説をなんとか目眩しに好き放題言ってみたりしたが、そろそろ寝ておかないと学校に遅刻してしまうので、とりあえず今日はここまでにしておこう。ちょっとFEヒーローズで星4ウルスラさん入手を頑張っていたら毎日更新を逃してしまった。まー任天堂関係のゲームだし多分許されるだろうってもう3時半か。ちゃんと読んだ人に教えると、さっきのアニメスタッフの悩みのソースはBWの時にコッソリやったR団ラジオの特典CDの監督のコメントなんだけど、BWは団の扱いが原点回帰って感じでかなり特殊だったんだけども、これは毎回のようにR団頼りに話を進めるのにマンネリを感じてたスタッフが方向性変えようとしてやった試みの結果だったんだよね。でも批判も大きかったんだ。自分としては、二次創作やっててアニメ見るなら、こういうはしっこのメッセージも知っててほしいと思うところだね。うんぶっちゃけポケスペに最近ぜんぜん付いて行けなくなっちゃってアニメばっかり見てた所為で、さっきみたいな批評になったんだけど、俺としちゃあ分かりやすい話が一番だと思うよ。ここにも4コマ漫画みたいな小説一個あるじゃん。あれ最高に笑ったし、ああいう形態でもさ、いいんだよ。ポケモン好きなんだろあんたら、じゃあ自分で苦しむようなのは書いちゃだめだぜ。それは仕事してるやつが考える事だから、ファンは楽しむ努力だけでいいんだからな。飽きたらキャラ名だけ移動して別の小説に改変してみても楽しいぜ。さてと、色々いいたいことは書いたぜ。ここの文面はざっと読んでるやつには読み飛ばされる予定なので、途中から大元の解説っぽくまるっとコピーを下にはりつけておく、いいね。はいスタート。さて、あなたのポケモン二次小説は、これのどれに当てはまるのか。どれにも当てはまらないのか。
最近は作品を応援する感想ばかり見かけるので、あまり見られないが、昔の批評感想に「詰んでいる」というようなものがあったが、これは、このまま続けていくと大変な事になるぞ、引き返せ。という、経験者からの忠告であったと、今にしてみれば思うところだ。
やめろ系の感想が消えていくと、作品は自由になっていくのだろうか。
恐らく大半の人間が、やめる事よりも、続けることの方が大切であると学習したからこそ、プラスの言葉だけを授け続けるのは、同じ痛みを知る、同じカテゴリで創作する人間特有の行為であると、自分は思う。恐れをなくせば自由になれるなどという事は、誰でも知っている事だからだ。
まーとにかく長々話したが、短くまとめると、自分のリーグ、探検隊ならギルド、これらの組織を、適当にするのか、複雑にするのか、ちゃんと把握しているか、この組織運用で、大きくポケモン二次の進行が変わってくるという事だ。自分はこれを、ポケモンリーグマトリクスと呼んでいる。
組織を作れば運用に手間がかかり、作らなければ身が軽くなるだろう。
作品の分岐の仕方も決まっていくので、新しく始める前には、考えてみてほしい。
進行中の作品に反映させるのは……多分もう出来るか出来ないかは決まってしまっているので無理だろうと思われるのでとやかくは言わないが、自分で把握できるレベルを維持する事をお勧めする。
さて、とてもとても長い文章になってしまったが、ここまで全部飛ばしてスクロールしてしまった君に、この長い文面の意図を一言で伝えると、長すぎる話を書くなら趣味より仕事に回した方がいいという、これはそれだけの話なのである。