第1章 『天界の使者』
P6 虹の導き手
「僕はフェリル。君たちを天界へと導く者だよ」

・・・・・・えっとぉ・・・・・・・・・

「フェリルくん、お父さんとお母さんはいないの?」
「僕は子どもじゃないやい!」

ナイスだフィーネ、見てて面白いぞ。
さて・・・・・・
状況を説明するとだな、遺跡を突破した俺たちは一番高いとこにある、天井の無い部屋に来たわけだけど・・・・・・
そこにはフェリルと名乗るメタモンがいて、俺たちを天界へと導くと言っている。
つまりそれって・・・

「なぁリーオ、あのフェリルって子さ、俺たちを亡き者にするつもり?(ボソッ」
「さ、さぁ・・・・・・な」
「そこのリザードとアリゲイツ! 僕は心を読むことができるんだ。会話の内容はわかるよ!」
「すごいね、フェリルくん」
「ジャノビーのお前も、僕を子ども扱いするなぁ!!」

えっと・・・・・・
とりあえず数分後まで飛びます。


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「なるほどな、アルフは実在。でフェリル君、君にはアルフの羽を持つ者がここに来たら、アルフの住んでいるところまで連れて行くっていう役目があると。そういうことだね?」
「そうだよ、バクフーン」

フェリルはぶすっとした態度でうなずいた。
なるほど、これがそんなに大事なものだったとは・・・・・・
俺は手の中で淡い光を放つ、小さい羽を見つめる。

「その羽は真にアルフを求める者の手に落ちる。つまり、君は選ばれたってことだよ、リザード」
「俺が選ばれたかぁ・・・・・・」

確か・・・・・・そう、星の停止を止めた英雄伝説にそんな感じのがあった気がする・・・
あれ、ということはアルフが俺たちの前に姿を現したのは意図的ってことか?
でもなんのために・・・

「僕はこう見えても数百年生きている。その間、ずっと役目を果たしてきたんだ」
「フェリルくん、君はつまり〜、アルフのしもべってこと〜?」
「ううん、アルフのしもべじゃないよ。僕は」

アルフのしもべじゃない、だと?
俺は思わず疑問を口に出した。

「じゃあ、お前は誰に言われてやってるんだ?」
「それは言えない。残念ながらね」
「そうか・・・・・・」
「先生、どうします? 連れてってもらいますか?」

フィーネの問いに、エイル先生はう〜ん、とうなる。

「フェリル君、本当に連れてってくれるんだよな?」
「使命はまっとうするよ」
「・・・・・・・・・・・・」

エイル先生がうなずくと、フェリルもうなずき返し、大きく深呼吸を始めた。
不意にリーオが口を開く。

「何やってるんだ?」
「うるさい静かにして」
「はい」

リーオノックアウト。
ドンマイだ、お前が悪い。

「ふう・・・・・・よし、ちょっと離れてて」

フェリルの言うとおり3歩ほど下がると、フェリルの体は光に包まれ、その形を変化させていった。
メタモンのわざ、『へんしん』だ。
フェリルの体はどんどん大きくなっていき、その形を成していく。
鳥のような形。
左右には燈色を基調とした長い翼が伸び、光が消えるとともにその姿を現した。

ホウオウ。

親から子へ語り継がれる伝説の存在。
本の中でしか見ることができなかったそれが今、目の前にある。
神々しい姿を目の当たりにした俺たち全員が言葉を失った。

「・・・・・・・・・どうしたの? 早く僕の背中に乗ってよ」
「え? ああ、おう」

慌てて最初にリーオが。
続いて残りの者が背中に乗っていく。
全員が乗り終え、ホウオウ・・・いや、フェリルは首を回してこっちを見た。

「最後に聞くよ。本当に天界へ行くんだね?」

それを聞いた俺たちは顔を見合わせると、そろって頷いた。
覚悟は決まってる・・・・・・!

「わかった。じゃあ、行くよッ!!」

翼をはためかせる。
暴風が巻き起こる。
俺たちはフェリルの背中に懸命にしがみついた。
そして床から足が離れる。
高く。
高く。
フェリルは天空に向けて飛び上がった。


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虹の軌跡を残しながら、フェリルは雲の上を突き進む。

「寒いね・・・」

不意にそう呟いたのはフィーネだった。
確かに雲の上ともなればそりゃもう寒い。
おまけにフィーネは草タイプで、寒さには弱い。
ティアルはなぜか大丈夫そうだが・・・・・・

「大丈夫? 炎はいてあっためようか?」
「だ、大丈夫ですっ!!」


フィーネが必死に断る。
そりゃそうだ。
へんしんしたまがい物とはいえ、ホウオウの炎をくらえば炎タイプの俺とエイル先生だって丸コゲじゃ済まない。

「そう・・・・・・あ、見えてきたよ」

前方に目を凝らしていると、雲が晴れて広大な空間が広がった。
空の中の神秘的な光景。

「あれが・・・・・・天界・・・」

俺はそう呟いた。
視線の先にそびえるのは雲の上に立つ巨大な宮殿。
白い石のような材料でつくられたそれはありきたりなつくりながらも、醸し出す雰囲気は地上のそれとはまるで違う。
言うなればそう、神々の居城のようだった。
あれがずっと求めていたアルフの・・・その居場所・・・・・・

「さて、ちょっと高度を上げるよ!」

フェリルはそう言って、高度をグンと上げた。
ひゅおおおと風を切って、どんどん上昇していく。
すでに、宮殿を見下ろすまでに高く上がっていた。
何故高度を上げるのか。
俺たちの心を読んだのか、フェリルは口を開いた。

「残念ながら、僕は天界に入れないんだ! 上から落とすよ!!」
「「「「「・・・・・・・・・へ?」」」」」

全員がすっとんきょうな声をあげた。
落とす? 何を言って・・・・・・
天界の丁度真上に差し掛かったころ、ごめんと一言かけて、フェリルは体をくるりと半回転させた。
ちょうど背中が下に向くように・・・・・・

「「「「「ッ〜〜〜〜!!!!」」」」」

全員が声にならない叫びをあげた。
必死にしがみつく。
フェリルが体をゆさぶる。
手が放れる。
落ちる。
重力に従って落ちていく。
天界へと・・・・・・・


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ホッホッホ、すみませんね。
今回もいろいろと省かせてもらいました。

この話はリシル君に聞いた話を再現して話しておりまして・・・・・・
私もその場に居合わせたかったものです・・・

さて、次回はいよいよ天界に突入ですな。
ホッホッホ、では、また会いましょう・・・・・・




タクミン ( 2013/01/08(火) 12:26 )