P0 はじめに
純白の羽が舞い落ちた。
空を見あげれば、澄み渡った青い空に翼をはためかせる様々な種族のポケモン。
決してひこうタイプというわけではない。
言うなればそう、天使のようだ。
背中からしなやかに伸びた翼は、光を反射し、薄く輝いている。
道行くポケモンたちは揃って空を見上げ、呆然とその光景を見つめていただろう。
俺も同じく、彼らの神々しさに目を奪われていた。
彼らは俺らの視線に気が付くと、その姿を雲の彼方へと消した。
俺の手に残ったのは、彼らが落としたこの小さい羽一つ。
ほとばりが冷めた頃だろうか、俺たちは彼らのことを、上位の存在“アルフ”と呼んだ・・・・・・
・・・・・・ホッホッホ、ようこそ皆さん。
あいさつが遅れましたな、私はナレク。
皆さんのお共をさせていただく者です。
今のはちょうど8年前でしたかな、に私の知り合いの少年が遭遇した出来事でして、
そのことを話させていただきました。
ふてぶてしいくせに、やさしい子でしてねぇ・・・
元気にしているといいんですが・・・・・・
失礼、話がそれましたな。
さて、早速ですが皆さんは『天界』というものを信じますかな?
死後の世界ではございませぬぞ。
そう、雲の上にそびえる大きなお城なんかをイメージしてみてくだされ。
それが、私の言う『天界』です。
・・・・・・え? 飛行機に乗ったことあるけど、そんなものは無かったって?
そんな夢の無いことをおっしゃられるな。
例えば、特殊なバリアが張ってあって、私たちからは見えないだけなのかもしれませんぞ?
私ですか?
私は『天界』を信じておりますぞ。
なぜ・・・・・・は、難しい質問ですな。
とにかく、『天界』は私が生きる上でとても大切な物の気がするのです。
あくまで気がするですぞ?
そうですな。少し、昔話をいたしましょうか。
といっても、さっきの続きなんですがね。
さて、皆さんいかがですか?
私と共に、1人の少年が歩んだ道をたどってはみませんか?
一緒に来られても構いません。
寝ておられても構いません。
帰るのは・・・・・・少しさびしいですな。
・・・・・・よろしいですかな?
では、参りましょうか。
繋がりの物語、『リレイト』
第1章、「天界の使者」・・・・・・・・・・