第9話 予定変更
その後村人達に今の状況を説明。
俺たちが村人を安全に送り届ける…、はずだったが、
「私達が彼らを連れて行きます」
ヤルキモノ達だ。ブライがこいつらなら大丈夫と言うのを聞いて予定を変更することにした。
村の外で俺とウィルとブライとシアルで話し合う。
「やはり難攻不落、アロエはどうでしょうか?」
シアルが提案をした。ブライも考える。
「うむ、アロエの奴らもペダンの開戦の申し出を知っているはず。話が早いだろうな」
となると、俺が呟く。コクリとシアルも頷く。
アロエ
地図の北東にある世界で最も高い山、天の頂の中腹にある国。
難攻不落。海を越えた先にあるためなかなかたどり着くことはできない。
おもに飛行タイプたちが住んでいる。
「それではアロエに向かいましょう。今は世界の国を仲間に着ければ我々が有利になりますからね。さて、ここももうすぐすればグラエナ部隊が来ると思われます。ブライ王、撤退です」
シアルが汚い地図を折りたたみながらそう言った。寂しそうな目をしていたがやがてこちらを振り向き、頷いた。
ヤルキモノたちと村人と別れて、4匹で北東を目指す。
クタクタであったので草原で1泊。食べる物がないので雑草の煮物を食べた。草タイプの癖にウィルが吐いた。
天の頂が見え始めた所で問題が浮上した。波乗りをする奴がいないのだ。
しかしブライが「根性で泳いでみせる」と言ったのでシアルには泳いでもらいウィルと俺でケッキングの背中へ乗った。
シアル「はは、こういうの慣れてますよ…」
付いたらすぐ登山路。
俺にはどうって事無い。ウィルは「帰る」とか言ったので殴っておいた
。
ブライとシアルからしてみればまさに地獄。
俺が2匹を励ましながら山を登る。
着いたのは夕方、血の色のような太陽が雲に隠れながら見えた。
大きな堤防のような城壁に囲まれたアロエに入る。
ペダンの開戦を知らせると言ったところ素直に王座まで通らせてもらった。
「ウィルどうした?」
城の城壁を見て妙に懐かしそうな顔をしていたウィルに俺は話しかけた。
ゆっくりとこっちを振り向く。
「え〜、いや、なんでもないよ〜」
王座こと、ガルラの間に通された4匹。
他の部屋と一味違う部屋に通された。金色のような壁が眩しい。
3体のウォーグルに囲まれた真ん中に入たのは雌のチルタリス。羽毛に包まれたその体を見て、「あの羽毛、売ったら高いかな〜?」とウィルが呟く。
「ほう、ぺダン国のものがぺダンが開戦を告げに来た…、これは面白いな。小国のぺダンが全世界に戦争とは…。」
半馬鹿にしたような口調で言ってきた。シアルがそれに笑顔で答える。
「ええ、傑作ですね。すでに、ダイルの城は落ちました。生き残ってるものはフランに非難しています。ぺダン国の補給路を断ち、翻刻と孤立させればぺ団も克服を受け入れざるありませんが…。その為にはアロエ頭領ガルラ様の力が必要なのです」
コクリとブライが頷く。笑みを見せていたガルラがまじめな顔になる。
「…。シアル殿、ブライ王。あなた方が言っていることを信じないわけではないが…、戦を仕掛けるには情報があまりにも少なさすぎる。ペダンのような小国が世界に戦争を仕掛けるのか…、そのバジリオスという将軍が本当に、世界を征服できるというおろかな妄想に取り付かれているのか…。それを見極めるには時間も必要だ」
ガルラが席を立ち、ガラスでできたきれいな窓に近づく。
「我々は各国に使者を送り状況の移り変わりを見守ることしかできない。それがアロエの答え、とさせてくれ」
その後「1泊していくか?」と聞かれたがウィルを除き全員が「いい」と言ったので帰る事にした。
ウィル「あれ?皆休んでいかないの?」
10匹のウォーグルが4匹を海の近くまで運んでくれるそうなので甘える事にした(10匹中7匹ははブライのために用意されたもの)
シアルの提案で1度フランに行くことにした。
「ったく…、戦は先手必勝が基本だ。攻められたら一瞬で潰されるぞ。命がいくつあっても足らん」
7匹のウォーグルに捕まられて宙ぶらりんになるブライが呆れ顔で言った。
「ガルラ様は外交によって、アロエを成長させ、一族を守り続けられたお方です。しかし、今、アロエは灼熱の国バーンとの、外交上のトラブルの原因で、国境付近では緊張状態が続いています」
シアルがブライに説明する。そこにシアルを捕まえているウォーグルが話に割り込んできた。
「アロエとしては、背後にバーンという刃を突きつけられたまま、おいそれと打って出るわけにはいかないだろう。と言いたいのか?」
「まあ、そんな感じですね」
シアルはウォーグルが割り込んできたことを気にしていないようだ。
「……」
ウィルがやたらアロエの城が気になっているようだから俺が声をかけた。
「おい…、どうしたんだ?ウィル?」
声に気付きこっちに振り向く。少し焦ったようだ。
「いや…。なんでもないよ〜」
山を下り、海を越えて草原に下ろしてもらった。
「さて、フランでも目指しましょう。各国の応援が必要ですから…。作戦を考えましょう」
シアルが南西の方角を見て言った。
「そうはいきそうに無いようだがな…」
ブライが呟く。ウォーグルやシアル、ウィル、俺が振り向く。
意味が分からない模様が書かれた国旗を振り回しながらペダン軍が海を越え、山を楽々と登っていた。プテラ、鈍化ラスといったポケモンが見える。
「あ、あれは…」
俺が言った。ウォーグルが叫ぶ
「し、城の戻るぞ!!早くしないとあの速さでがけを上られたらすぐ城にたどり「狩犬部隊…」
ウォーグルがしゃべってる途中、シアルが呟く。
「グラエナ部隊より厳選されたグラエナたちが作った部隊。これぐらいの崖簡単に登ってしまうでしょう…」
「まさか…」ウィルが青ざめる。
「とりあえず城に戻りましょう。落とされては打つ手がありませんから…」
ウォーグルたちに再び捕まえられ4匹は再び大空に飛び立った。