カラミンゴ
焦げ色の林道の麓、暮れの湖の畔に、
一匹のカラミンゴが佇んでいる。
群れることなく、
皺のようなさざ波に陰った水を飲んでいる。
山眠る空の下で、
私とカラミンゴを包む静寂だけが眠らずにいた。
おお、カラミンゴよ!
ただひとり、
星が巡るのを見、
氷雪が囁くのを聴き。
お前は孤独な自己探求者としての旗を掲げたのだろう。
お前はいつもその首を根本で結んでいる!
お前が息苦しさを感じてきたのは。
ひとえにお前の内側から湧きあがる力、
お前をお前たらしめるものを失わないためであったのだ。
私とお前はよく似ている。
私はお前であり、お前は私であったのだ。