mystory1
灯火
「……は?」

意味がわからない…彼氏?
何言ってるのィ記憶を消したのコイツか?
私の彼氏になりたくて、私が拒否ったか何かで
記憶を消された…とか?


気が付けば家を飛び出していた。
捕まったら何かされそうで…
怖くて走りまくった。
その結果、道に迷ったなんてアホらしいね…

大体、完全に足が治ったわけじゃないから痛い…

森に入っちゃったみたい…
暗いし、変な声もする…
気のせいか正面から赤い何かがゆらゆら揺れながらこちらへ来る…

動けない………怖すぎなのか、痛くて動けないのか…私にもわからない。

その赤い何かは草むらを越えて私の目の前に来て……

「えっ……?」

声を発した。

「あなた、誰?」

それは私が聞きたいんだよ!
赤い何かさんァ

「あなた…こそっ……」

声が震える。
途切れまくって、声も小さい。

でも、赤い何かには聞こえたみたいで。

「私?私はモワワだよ。」

パアッて擬音が付くんじゃないかってくらいに周囲はとたんに明るくなる。

今まで"赤い何か"だった方は、姿を現した。

デンリュウだ……珍しい…じゃなくてゥ

「私はムースです…」

言ったのはそれだけなのに、モワワさんは笑顔になった。

「そっか、ムースちゃんか…ところで、こんな所で何をしてるの?」

「……散歩です。」

家出とは言わないよね。
あそこは私の家じゃないし…

「散歩?こんな時間に…?まぁ…いっか。人それぞれ…じゃなくて、ポケモンそれぞれ事情があるもんね。」

あ、優しいな。追求しないんだ…

「モワワさんは何をしてるんですか?」

「私は見回り。最近、行方不明が多くてね…しかもここら辺が怪しいらしくて…ムースちゃんも気を付けてね?なんでも、犯人は記憶を消す薬を持ってるらしくて、犯人が特定出来ないの。」

あれ……?何で被害者は記憶を消されるハズなのに、モワワさんは薬を持ってるって情報を知ったの?

「逃れることが出来たポケモンがいるの。薬をかけられそうになったって言ってた。」

「……大変ですね、私も記憶が無いんですが。」


言ってみた。記憶が無いって…
どれくらい反応するかなって思ったら、凄く反応していた。

「本当に!?何か覚えてない?」

「基礎中の基礎なら覚えてます。言葉とか木の実についてとか…あとは、今日は親友を名乗るパチリスと彼氏を名乗るエネコロロと出会いました。」

自分への確認の為にも言った。

「パチリス!?詳しく聞かせて?」

犯人候補なのかな…
私は特徴を話した。癖や見た目…印象とか


話してたら後ろから草むらが揺れる音がした。

■筆者メッセージ
モワワを登場させましたゥ
キャラが違うって思ったらコメで知らせて下さい!
編集しますので…
あと、作者はあまりinしないかもです。
だから更新も遅くなりました。
ごめんなさい…
Sumire ( 2015/12/18(金) 01:23 )