パラレル・ツリー - 共通ルート
冒険の始まり
 今日も爽やかな朝がやってきた。あなたは心地よい日差しを受けながら、う〜んと背を伸ばす。そんなあなたの傍に、一匹のイーブイがやってきた。
「ぶいっ!」
 イーブイはあなたのパートナーで、いつか大きな冒険をすることを夢見ている。それを証明するかのように、イーブイは窓の外に見える大きな樹をチラチラと見ている。イーブイが見ている樹はこの町の外れにあり、上は高すぎてよく見えない。
 町の住人は樹があることを当たり前と感じるようになり気にしていないが、イーブイは上に何があるのか気になって仕方がないようだ。あなたも似たようなもので、樹の上に何があるのか気になって仕方がない。
 だが、不思議なことに町の者や外から来た者を含め誰も調べようとしなかった樹には、一体何が待ち受けているのかわからない。あなたは何があっても対処できるようにと、地道な準備を重ねてきた。
 そして、今日がその準備を活かす時だ。あなたは支度を整えると、イーブイを肩に乗せて家を出た。

*****

 背中で大きなリュックを揺らしながら、あなたはイーブイと一緒に樹の麓を目指す。
「ぶーい!」
 イーブイは肩の上でご機嫌そうだ。尻尾を振っているのか、時々首にくすぐったさを覚える。途中ですれ違う人々があなたやイーブイに挨拶をしたり、どこかにお出かけですかと問いかけたりする。想像通り、誰も樹を登ろうとは考えていないようだ。
 ここで本当のことを言ったら面白そうだが、何もなかったら少し恥ずかしい。あなたは挨拶には元気に応じ、質問には無言で笑みを浮かべた。質問を投げた人は不思議そうな顔をするも、大して気にした様子でもなく去っていく。
 そんなことを何度か繰り返しているうちに、あなた達は巨大な樹の麓へと辿り着いた。目の前の樹には、ちょうど大人ひとりが通れそうな裂け目が広がっている。肩から勢いよく降りたイーブイが、やる気満々の表情で樹の裂け目へと突き進んでいく。
 中に野生のポケモンが住んでいたら危ない。何かあったらすぐにイーブイを戻せるようにと、モンスターボールを手に持ったあなたはイーブイを追って慌てて裂け目へと入っていく。
 しかし、予想に反して裂け目の先に広がっていたのは、樹の中とは思えないほど広い空間だった。一言で表すなら、本などに出てくるダンジョンがふさわしいだろう。
 白いペンキで丁寧に塗装されたような場所は一見すると異世界に迷い込んだようだが、よくよく目を凝らしたり触れたりすれば壁や階段が幹であることがわかり、ここが樹の中であると実感することができる。
 樹の中がこのような状態になっていることに衝撃を受けるあなたとは違い、イーブイはキラキラした目のまま中を進んでいく。尻尾の揺れ方や階段の登り方からも、その喜びようが伺える。
 しばらく歩いていると、あなた達は小部屋のような場所へと出た。そこには巨大な三枚の葉が台座のように並んでいる。葉の上にはそれぞれ炎の石、水の石、雷の石が一つずつ置かれていた。
 葉の上の石に興味を抱いたらしいイーブイがそれを近づこうとするのを、あなたはやんわりと制止した。万が一にでもイーブイが石に触れてしまったら、その瞬間に進化してしまうからだ。
 制止を受けたイーブイはやや不満そうに声をあげるも、すぐにあなたの後ろへと歩いていく。褒美のために頭を撫でながら、あなたは葉の上に置かれた三個の石を見比べた。
 あなたはこの石のどれかを持って進んでもいいし、選ばずにそのまま進んでもいい。


 石を手に入れる→通常ルート「〜の宝石を入手せよ!」にてそれぞれ選んだ石のタイトルへと続く


 そのまま進む→通常ルート「扉を開く宝石」へと続く

雪椿 ( 2018/12/30(日) 14:10 )