Episode 3
「……。」
2人(?)は森の中をどんどん進んでいく。
進んでも進んでも、一向にポケモンの姿が見あたらない。
沈黙が続いて1、2分。ようやく茜が口を開いた
「……ねぇ、ルマ。」
「……」
ルマはまだ黙ったまま、前の方を見据えている。
「ポケモン達、どこいっちゃったのかな?」
茜がルマに恐る恐る聞く
「……多分、森の奥。なんとなく気配を感じる。」
「良かったぁ。」
茜の表情が一変、明るい顔に変わる。
「……やっぱり、茜は笑ってる顔の方がいいな。」
ルマが呟く
「?何か言った?」
「いや、何も。」
ルマは前を向いたまま歩き続ける
「そっか。ならいいけど」
茜も少し微笑みながら歩いている
「あ」
「!」
此処が森の奥であろう所の視界が開けてきた。
普通のこの場所は、其処だけちょっとした野原になっており、夜は月の光で照らされて物凄く綺麗な空間になる。
茜もたまに此処に来ては、日光浴を楽しんでいた。
しかし今の状況は違う。
日こそ照ってはいるが、野原は焼け野原に近い状況。
いや、まず注目すべきは、そこが野原に見えないほどおびただしい数の、ポケモン。
そのポケモン達は、茜が毎日目にしている、森のポケモン達だった。
ポケモン達は、皆で円状になっており、まるで何かを取り囲んでるように見えた。
この状況に茜とルマはただただ驚いた。
そして、もっと注目する所は、空気だ。
「……なんか、すごくマイナスオーラみたいなものを感じるわね。」
「なにしてるんだろう……」
此処のポケモン達は、何かの空気に押しつぶされているようだった。
茜がポケモン達に近づく。
ポケモン達は茜に気づいていない。
「みんなぁ」
茜の声は、どんな状況であろうが関係ない。というふうに、非常にふわりとした声だった。
皆が茜の方を振り返った
「茜おねーちゃん!」
一番手前にいたポケモンが、甲高い声を荒げた。
どうやら茜が来たことによって泣いてしまったらしい。
「よしよし、泣かなくていいんだよ。」
他のポケモンも、歓喜の声を上げるポケモン、安心するポケモン、小さいポケモンは泣いていたりもする。
何故それほど嬉しいのか。茜にはいまいち事が理解できない。
「みんな、何か……あったの?」
茜が聞く
すると、皆がまた一斉に暗い顔に戻る。
「……じ、実は、私たちにもあまりよく分からないんだけど。」
ポケモン達の中の一匹、キノガッサが前に出る。
このキノガッサは、茜が森の中で一番中がいいポケモンだ。
ポケモンの面倒見が良く、この森のリーダーとして努めている。
その為茜と森についてのことなどを良く話すのだ。
「とっ、とりあえず現物を見てもらったほうが早い……かな?」
そういうとキノガッサは、ポケモン達の中央の方まで入っていった。
茜達はその後をついていく。
「これ、なんだけど……」
「!」
其処には、
ボロボロになったポケモンが倒れていた-----------
To Be Continued...