Episode 9
(茜視点)
「……ん」
一人、私は目を覚ました。
ここは……どこだろう。目覚めたばかりでまだ視界がまだぼんやりしてる。
私はどうしてこうなったのかを考えてみることにした。
確か……、今日の朝、不思議なポケモンを見つけて、そのポケモンを手当てして、それからルマに任せて学校に行って、学校終わって、その帰り道で……。
「……あ。」
……そうだ。確か、誰かに……誰かに、襲われ、た……!?
私は状況を把握しようと立ち上がろうとした
「痛ッ!」
だけど、何かが邪魔で立ち上がることができなかった。なぜか手足が上手く動かせない。なんでだろうと思って違和感のする手足を見ると一発でその違和感の原因が分かった。
「嘘、繋がれてる……!」
どうやら鎖のようなもので、手と足を拘束されているらしい。引っ張っても当然取れそうにない。ある程度は動けるけど、足の鎖が床に固定されていてあまり遠くにはいけない。この状況はどう考えても……やばい。
「落ちつけ……落ちつけ私……なんで、なんでこうなったんだろう。いやいやそれはさっき考えたよね、誰に襲われたの? そもそもなんで襲われたの? いきなりなんでこんな……」
いや、一つ心当たりはある。あのポケモンだ。
あのポケモンがやっぱりなにか特別なポケモンで、なにかものすっごおい組織が狙ってる、みたいな。
で、私が助けて家に連れていくところを見られて、……つけられていたとか。
「……考えすぎだね」
なんか自分で考えて途中でばかばかしくなってきちゃった。大体ちょっと私が知らないポケモンがいたからって何も変なことじゃないし、世間にはまだまだ知らないポケモンがいるんだなあで済んでたかもしれない。ものすっごおい組織ってなに。遠い世界にいるロケット団とか、ぎ……あのなんか、すごい髪型した人たちとか、そういうのは解散したって聞くし、そもそもこんな小さな町にまでくるとはね……
とりあえず、落ちつきを取り戻したところで改めて、周りを確認してみる。
……どうやらどこかの部屋みたいだ。明りはついてないけど、ちょっとほこりっぽくて、あんまりきちんと整頓されてなさそうだ。窓はあるけど、カーテンがかかってて外の様子は分からない。明るさからして夜になりかけってとこかな。せめてカーテンが空いてたらどこかっていうのが分かるかもしれないんだけど……、不自由な手足じゃどうすることもできない。
「ルマも置いてきちゃったし、他のポケモンも家だよなあ。」
ルマ含め6匹のポケモンは全員家にいる。いつもは5匹を家に置いて学校にルマを連れていく。ということをしてるんだけど今日は運悪くルマも家だ。これで話し相手もいない、完全に一人だ。
「……どうしよう。」
なにもすることができなくて。とりあえずねっ転がってみた。
……そういえば、その肝心のあのポケモンは結局、どうなっただろうか。ルマには元気になったら森に届けておくようにいってたけど。あいつポケモン同士のやりとり苦手だからなあ、ちゃんと送ってくれてるかな? なんだかんだ言ってルマはよくやってくれる子だからなんとかなる……
ガチャッ
「!」
突然、後ろからドアの音がした。
To Be Continued...