第1部
01試験

「邪魔だ!!」


周りのやつなんてどうでもいい。速く。もっと速く。

っあ、あいつ今罠にやられたな。だからもっと練習しとけばよかったのにな。




ここカロメア地方はホウエン地方に隣接した場所にあり、工業や商業、とくに科学の発展した大都市が多くある。

ただ、国民間の格差がひどく、都市部でも犯罪が横行し社会問題となっている。

その影響はポケモンにもおよび、多くのポケモン犯罪が起きている。政府のないポケモン社会において、社会を支配するのはまさに暴力なる権力のみだった。



そんなポケモン社会の中でもとくにはばをきかせているのがチーム『流水』。主に悪、毒タイプのポケモンで構成されており活動範囲は多岐に及ぶ。

このチームでは6年に一度、リーダーを選ぶ所謂選挙?が行われている。とはいっても皆が選ぶのではなく、あくまでそのポケモンが持つ力のみで選ばれている。


この試験に望むすべてのポケモンのなかで、もっとも有力視されるのが現リーダーのグラエナ「マサキ」の息子、ポチエナ「エイト」である。

16歳にして第1部隊の隊長を勤める彼は、全20部隊のなかでもっとも若く、また四天王と呼ばれるほど強かった。

生まれてから常に父の英才教育を受けた彼は、あくタイプに恥じない口の悪さと性格の悪さを持ち、父はその事に凄く満足していた。





今行われているのがまさにリーダーを決める選挙の最終試験であり、内容は『嘆きの森』を抜けるというシンプルなものだった。

ただ、張り巡らしてある罠や野生ポケモンの強さを考えると、大変であり、また周りの仲間達からの妨害により更に難易度は上がっていた。


「あくのはどう!!」


エイトは前にいたマタドガスにたいして黒球を放ち、妨害する。


「なにするんだエイト!!」


当然の反応である。


「お前が邪魔なせいで俺が一番になれなかったらこのチームの為にならねえだろ?だから攻撃したんだよ」


この発言からも性格の悪さがうかがえる。


「うるせえ、だれがおまえなんかがリーダーになることを望んでんだ!!」

「落ちこぼれは黙ってろ!!」


エイトはたぐまれな才能とともにそれに準ずる地位を妬むものも多く、敵もおおかった。ただこのマタドガスとは表面上は対立していたが、お互いに親友としてともに任務をこなす仲であり、これ等の発言は互いに認めたうえでの、ある種の悪、毒タイプ特有の冗談の意味合いが近かった。


「おい、もうすぐ出口だぜ!」


「ああ、俺が先だぜ!」




ガシャ!!!!



「何!!?」



エイトは足に耐え難い痛みを感じ、足元を見ると右前足に虎ばさみがかかっていた。



■筆者メッセージ
はじめまして、braveです!
たくさんの方々の小説を楽しませてもらって、
自分も書きたいなと思って始めました。
現在でも、何年か後でも私の小説を楽しんでくれ
るひとがいると嬉しいです!
brave ( 2014/04/02(水) 05:07 )