第一章
闇のジムリーダー(侵入編)
あの馬鹿、まさかあのジムにいったなんて…まったく仕方のない奴だ。おかげでため息がつく。
「あ!ちょっと待ってよー」
すると一人の少女がタクトとユウヤの後を追ってくる。赤毛のポニーテールの女の子、明星光(以下ヒカリ)である。
「名推理ができるという私をおいていくつもり?」
「あ…素の勢いで少し忘れていたよ。」
ユウヤがヒカリにこういうと「もう」と腕組みしてこういった。
「ユウヤはいつも何かを忘れるっていうときがあるもんなぁ。」
「必要なことだけしか覚えていないといいたいんだろ?全く…それだけでも十分だろ?」
「そんなことはないと思うんだけど…」
「まぁとりあえずヒカリにもちゃんとしたわけを伝えないとな。」
ユウヤはこういってヒカリにわけをすべて話した。すべてを話すとヒカリがくすっと笑う。そのことにユウヤは「どうかしたか?」と問う。
「ふっふっふ!私の名推理、聞きたい!?聞きたいでしょ!良いわよ!よーく聞いててね!」
「暇だから聞いてやる。」
ヒカリの言葉にユウヤはため息をつきながらもこういった。
「つまりその四葉という人がジムリーダーとしての違反を起こしているってわけでしょ。それでそれを止めにいくというそういうわけでしょ?でも止めようと考えても強いからあなたはそのままにしておいた。でもそのジムにサトシと言う少年が戦おうとしているといわれてそれを止めようとあなたはしているんでしょ。でもかつ自信はない…そういうことでしょ?」
ヒカリがこういって名推理をする。ユウヤはそれにため息をついた。
「ほぼ正解だが…少し違う。俺は今からあいつを止めに行くんだ。」
「あいつって?」
タクトがこう聞いた。
「四葉さんのジム違反をね。無理なら力らづくで冷静に戦って四葉さんを倒す。それだけだ。」
「ユウヤ君ってたまに単純なことをいうよな…。」
「何を考えているかはあまりわからないてこともあるけど…」
ヒカリがこういってクスリと笑う。
「でもそのところがいいところだけど…」
タクトがこういうとなぜかユウヤはなぜかもうすでにいなかった。
「全くユウヤ君は…」
「さっきにいっちゃったわね。」
推理のことになると早く解決したくなってしまう。それがユウヤの癖だ。ユウヤはローラースケートで走り出しカゴメタウンに着いた。
さて問題はまだ四葉さんがサトシを倒していないかだ。確かここには蕪村、雨聡もいたはずだ。そいつら全員を倒さないと突破できない。そうと決まればすばやくあいつに追いつかないと…。まずはこのジムの入り口を突破しきゃ…そう思いユウヤはジムの中に足を踏み入れた。ジムの中はなんか真っ暗で何かの恐怖を感じるほどの寒気を感じられる。
まるで幽霊でも出るかのようなそんな感じだ。さすがゴーストタイプのジムというところはある。タイプのバランスなんて今のところ気にしている場合ではない。正直言ってユウヤは少し暗いところが苦手だ。幼いころに暗く呼吸もできないところに閉じ込められたことがありそれ以来暗いところにいると息切れを覚えてしまう。しかも長時間もそこにいることもできそうにない…そういう感じだ。
「はぁはぁ…」
ユウヤは肩に息をしながらゆっくり歩く。
もうどれぐらい歩いたのだろう。もう結構息切れを覚えている。もうこれ以上歩いていたらそろそろやばそうだ。もうすでに倒れそうな気もすると思ったら少しふらついた。
「やっぱりそうなると思った。大丈夫か?ユウヤ。」
倒れ込んでしまいそうになっていたユウヤの体をつかんでくれていたのはタクトだった。
「やっぱり暗いところにいるとクールさを保っていられないみたいだね。」
「済まない…。」
ユウヤはため息をついてこういった。タクトは安堵の息をしてランプで明かりを照らす。
「これでなんとかなるか?」
「ああ。」
「ユウヤの危険をタクトは読んでいたの?」
「当たり前だろ?俺はこいつの腐れ縁みたいなもんだからさ。」
タクトはこういってユウヤの体を預かった。


影島忍 ( 2015/07/01(水) 11:12 )